日刊IWJガイド・非会員版「ロシアのメドベージェフ氏『西側諸国とロシア、元植民地との対立は数十年続く。解決方法のひとつは第三次世界大戦、勝者はいない』と表明!!」2023.7.5号~No.3947号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~ロシアのメドベージェフ元大統領、「NATOが紛争当事国の加盟を認めていないのであれば、ロシアはNATOの脅威を排除するため、ウクライナ紛争は永続する」と表明! さらに、ウクライナ紛争を「世界が根本的に変化し、その優位性を失ったことを認めたくない西側諸国」が「全力で過去にしがみついている」戦争だと分析! この西側諸国とロシア、グローバルサウス、グローバルイーストとの対立は「数十年続くだろう」と指摘! その対立の解決のひとつの方法は第三次世界大戦であり、「勝者はいない」と表明!!

■<インタビュー決定>7月6日(木)午後4時から、岩上安身による元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビューが決定しました! 前月(6月28日)の続編となります!

■7月に入り、IWJの今期第13期もあと残り1ヶ月となりました! この11ヶ月間の累積の不足額は、2039万3900円と、2000万円を超えてしまいました!! 6月は30日までの30日間で、130件、218万9000円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の約56%でした。7月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、さらに不足分の赤字幅2000万円を皆さまのご支援で少しでも減らしたいと願っています! IWJを存続させてください! 今月末の期末まで緊急のご支援・ご寄付・カンパを、どうぞよろしくお願いいたします!!

■【中継番組表】

■【本日のニュースの連撃! 3連弾】

■【第1弾!『RT』、7月3日】トルコのエルドアン大統領が、ウクライナ紛争の停戦のための外交努力を「戦争ロビー」が妨害したと批判!

■【第2弾!『朝日新聞』、7月4日】仏政府筋によると、抗議行動が始まった6月27日からの逮捕者数は合計で3400人を超えた。負傷した警察官や消防隊員は684人に上る!

■【第3弾!『六辻障二氏、YAHOO ニュース』、7月4日】イスラムの聖典コーランを燃やす行為をスウェーデン当局が「合法」と認めた! スウェーデンのNATO加盟はイスラム国トルコの反対でほぼ絶望的に!

■<IWJ取材報告 1>ハンター・バイデン氏の脱税捜査を米司法省が妨害!「バイデン政権への過度の追従は危ういのではないか?」とのIWJ記者の質問に「他国の内政についてコメントは差し控える」と林外務大臣!!~7.6 林芳正 外務大臣 定例会見

■<IWJ取材報告 2>「バイデンの外交戦略は、戦争すること。ウクライナ戦争は、戦争を継続するというアメリカのための代理戦争だ!!」~6.29「新しい戦前にさせない」連続シンポジウム 6・29 第4回―講演:「脅威論の真相を剥ぎ、平和への道を探求する」孫崎享氏ほか

■加速度的に進む日本の少子高齢化! 高齢者をターゲットに凶悪化する「特殊詐欺」を、「高齢者差別」思想が後押し! 高齢者に「集団自決」を求めたイエール大学助教授・成田悠輔氏の発言は、ルフィ事件と同根の大問題!~6月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、4月11日収録の「岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!

■【スタッフ募集・事務ハドル班】事務ハドル班は、岩上安身によるインタビューのアポ取りとスケジューリング、各種リサーチ、公共コンテンツの取材のためのアポ取りや、中継スタッフやテキストスタッフと連携して、IWJの活動予定を組み立て、指示を出す、重要な役割を担っています。翌日以降の中継・配信予定と、撮影後に記事化された動画の情報を整理し、翌日の日刊IWJガイドの番組表へ反映する、IWJコンテンツ構成の要となる部署です。

■【スタッフ募集・テキスト(赤反映担当)班】記者として日刊IWJガイドや記事の執筆、エディターとして編集業務を行っていただける方を募集します。特に深夜業務での校正作業を厭わない方は、優遇し、最優先で募集します! 深夜に及んだ場合は、社用車での帰宅が可能です。時給はスタート時は1300円から、能力・実績次第で昇給します。深夜業務は法にのっとった割り増し残業代を支払います。『サビ残』は一切ありません!
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■はじめに~ロシアのメドベージェフ元大統領、「NATOが紛争当事国の加盟を認めていないのであれば、ロシアはNATOの脅威を排除するため、ウクライナ紛争は永続する」と表明! さらに、ウクライナ紛争を「世界が根本的に変化し、その優位性を失ったことを認めたくない西側諸国」が「全力で過去にしがみついている」戦争だと分析! この西側諸国とロシア、グローバルサウス、グローバルイーストとの対立は「数十年続くだろう」と指摘! その対立の解決のひとつの方法は第三次世界大戦であり、「勝者はいない」と表明!!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 ロシア安全保障会議副議長のメドベージェフ元大統領が、国営『ロシア新聞(ロシースカヤ・ガゼータ)』への寄稿で、ウクライナ紛争について、「永続する」と表明しました。

※Эпоха противостояния(Российской газеты、2023年7月2日)
https://rg.ru/2023/07/02/epoha-protivostoianiia.html

 この寄稿でメドベージェフ氏は、「ロシアは孤立している」という西側の主張に対し、「まったく孤立していない」と否定。西側諸国の対露制裁にもかかわらず、アジア、アフリカ、ラテンアメリカ諸国と政治的にも経済的にも活発な交流がある、と述べた上で、決済通貨のデジタル通貨やロシアのルーブルへの移行が議題になっているとして、「全能のドルの時代の終わりが近づいた」と表明しています。

 さらに、「ロシア経済は崩壊しつつある」という西側の主張に対しては、「生産の伸びはヨーロッパよりもはるかに高い」「同時に、我が国のインフレ率は多くの西側諸国よりも大幅に低い」と、反論しています。

 また、「ロシアはNATOを封じ込めたかったが、スウェーデンとフィンランドの加盟で拡大した」という西側の主張について、「まったくの嘘」と否定し、「スウェーデンとフィンランドはすでに(ウクライナ紛争前から)、NATOに関与していた」と反論した上で、次のように述べています。

 「私たちが常に求めてきたことは、ただ一つ。私たちの懸念を考慮し、私たちの国の旧地域(旧ソ連構成国)をNATOに招待しないことです。

 特に、領土問題を抱えている相手には。

 したがって、私たちの目標は単純です。ウクライナのNATO加盟の脅威を排除することです。そして私たちは、いずれにせよ、それを達成します。

 今日、キエフ政権の石頭の指導者たちでさえ認めていることですが、紛争状態にあるバンデラ主義(ネオナチ)のウクライナ(それは今では腐った遺体と呼ばれている)は、NATOに受け入れられないと認めています。したがって、しかし、非常に単純かつ悲しい結論になります。紛争中の国がNATOに受け入れられないのであれば、これはロシアの存亡に関わる問題なので、紛争は永続することを意味します」。

 その上でメドベージェフ氏は、「アングロサクソン世界が、最終的に気づかなければならない3つのこと」を、次のように指摘しました。

※ここから先は【会員版】となります。会員へのご登録はこちらからお願いいたします。ぜひ、新規の会員となって、あるいは休会している方は再開して、御覧になってください!

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■<インタビュー決定>7月6日(木)午後4時から、岩上安身による元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビューが決定しました! 前月(6月28日)の続編となります!

 岩上安身は今週7月6日(木)午後4時から、元外務省国際情報局の孫崎享氏にインタビューを行います!

 このインタビューは、6月28日に行われたインタビューの続編となります。6月28日のインタビューでは、ロシアの民間軍事会社ワグネル創設者のプリゴジン氏による反乱の直後でしたので、その顛末、西側諸国の関与はなかったのかという疑問、NATOの大演習との関連などについて、孫崎氏にお話をうかがいました。

 6月28日の第1弾インタビューは、ぜひ以下のURLから御覧ください。

※「ウクライナ紛争というのは、本当に、米国覇権の終わりの始まり、その通りだと思います」~岩上安身によるインタビュー第1124回 ゲスト 元外務省国際情報局長・孫崎享氏 2023.6.28
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516860

 7月6日の第2弾インタビューでは、ウクライナ紛争をめぐって西側諸国の動きには同調せず、独自にウクライナとロシアに停戦を求めるグローバルサウスの国々の動きとともに、ウクライナへの支援で米国の武器が枯渇しており、いくら武器支援してもロシア軍に破壊され、ウクライナが「武器の墓場」と化している現状や、即時停戦の必要性について、取り上げる予定です。

 ぜひ、ご視聴ください!

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【IWJ_YouTube Live】7/6(木)16:00~
岩上安身による 元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビュー
視聴URL:https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

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■7月に入り、IWJの今期第13期もあと残り1ヶ月となりました! この11ヶ月間の累積の不足額は、2039万3900円と、2000万円を超えてしまいました!! 6月は30日までの30日間で、130件、218万9000円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の約56%でした。7月こそは少なくとも月間目標額390万円を達成し、さらに不足分の赤字幅2000万円を皆さまのご支援で少しでも減らしたいと願っています! IWJを存続させてください! 今月末の期末まで緊急のご支援・ご寄付・カンパを、どうぞよろしくお願いいたします!!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 いつもIWJをご支援いただきまして、誠にありがとうございます。

 7月に入り、昨年8月1日から始まったIWJの第13期も、いよいよ最後の1ヶ月となりました!

 厳しい経済状況の中、ご寄付をお寄せくださっている皆さま、誠にありがとうございます!

 6月のご寄付が確定致しましたので、ご報告いたします。6月は月末までの30日間で、130件、218万9000円のご寄付をいただきました! ありがとうございます! 月間目標額390万円の約56%でした!

 これにより、今期第13期6月末までの、11ヶ月間の累積の不足額は、2039万3900円と、2000万円を超えてしまいました! 今月7月は第13期最後の月です! 月間目標額を達成し、さらに残り1ヶ月でこの2000万円の累積の赤字幅を少しでも圧縮できるように願っております! どうぞ緊急のご支援をお願いします!

 7月は1日から3日までの3日間で、13件、26万2000円のご寄付をいただきました。ありがとうございます! これは、月間目標額390万円の約2%にあたります。IWJを存続させてください! 今月末の会期末まで、ぜひ、皆さま、緊急のご寄付・カンパ・会員登録・YouTube登録による、皆さまのご支援の力で、ご支援をよろしくお願いいたします!!

 また、現状の会員数をお知らせします。

 5月末時点での会員総数は2648人(前年同日比:1113人減)でした。会員の方々の会費と、ご寄付が、IWJの運営の二本柱です。ご寄付も、連日お伝えしているように、目標額を下回っていますが、会員数も会費も減少しています。

 経営は本当に赤字が連続し、厳しい運営状況が続いています。どうぞ、会員登録、あるいは元会員の方は、再開をよろしくお願いします!

 どうぞ、皆さま、IWJを知人・ご友人、地域の皆さまへIWJの存在をお知らせいただき、独立系メディアの意義と、米国に忖度する日本政府、大手主要メディアの「情報操作」の恐ろしさについて、広めてください。

 IWJの内部留保も底を尽き、キャッシュフローが不足したため、私、岩上安身が、個人的な私財から、IWJにつなぎ融資をいたしました。

 私がこれまでにIWJに貸し付けて、まだ未返済の残高は約600万円。これにつなぎ融資1000万円と合計すると、IWJへの私の貸し付け残高は約1600万円にのぼります。近いうちに、また私がIWJにつなぎ融資をしなければならない見込みですが、本当にもう貯金が底を尽きます!

 私の貯えなどたかがしれていますから、この先も同様の危機が続けば、私個人の貯えが尽きた時、その時点でIWJは倒れてしまいます。

 皆さまにおかれましても、コロナ禍での経済的な打撃、そしてこのところの物価上昇に悩まされていることとお察しいたします。

 しかし、会費も減少し、ご寄付までもが急減してしまうと、たちまちIWJは活動していけなくなってしまいます。IWJも支出を減らし、業務を縮小し、効率化をはかるなどしておりますが、急な変化にはなかなかついていけません。

 ウクライナ紛争に続き、「台湾有事」を口実とする米国の「代理戦争」が、東アジアで画策されている今、私、岩上安身とIWJは、破滅的な戦争を回避すべく、また、ウクライナ紛争報道で明らかになった、偏向マスメディアの不誠実な「情報操作」に代わるべく、少しでも正確な情報を皆さまにお届けできるよう走り続けたいと存じます。

 その結果として、日本が戦争突入という悲劇に見舞われないように、無謀な戦争を断固阻止するために、今後も全力で頑張ってゆきたいと思います。

 日本は、米国への依存から脱却をはかり、独立した主権国家として立つべきです。同時に、エネルギーと食料の自給ができず、資源をもつ他の国々からの海上輸送に頼らなければならない、孤立した「島国」であるという「宿命」を決して忘れず、国外にそもそも「敵」を作らない、多極的な外交姿勢をめざすべきではないでしょうか?

 皆さまにはぜひ、マスメディアが真実を伝えない、こうした問題について、IWJが追及を続けてゆくために、どうか、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。

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 ぜひとも、サポート会員様におかれましては、会員をそのままご継続いただき、一般会員様におかれましては、サポート会員へのアップグレードをお願いします!

 また、無料で日刊IWJガイド非会員版を読み、ハイライト動画を御覧になっている無料サポーターの皆さまにおかれましては、有料の一般会員登録をぜひともお願いいたします。

 また、休会中の皆さまは、メールやお電話をいただければ、すぐに会員を再開できます。一度退会された方でも、改めて申し込みをいただくことで再び会員になっていただくことが可能です。

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※以下は、IWJの活動へのご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 IWJホームページからも、お振り込みいただけます。

※ご寄付・カンパのお願い
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

 岩上安身

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◆中継番組表◆

**2023.7.5 Wed.**

調整中

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◆中継番組表◆

**2023.7.6 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】16:00~「ウクライナ紛争への深入りは『米国覇権の終わりの始まり』? 米国依存から離脱する動きがグローバルサウス諸国で急加速! 岩上安身による 元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー 第2弾」
視聴URL(冒頭以降は会員限定):https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 岩上安身による孫崎享氏インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた孫崎享氏の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/magosakiukeru

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

ウクライナ紛争は「帝国の残骸」である米国の崩壊の始まり!「帝国の解体」を公約に掲げたロバート・ケネディJr.氏は「時代遅れの老大国アメリカ」を自覚している米史上初の候補!~岩上安身によるインタビュー第1125回 ゲスト ジャーナリスト・高野孟氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516990

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■【本日のニュースの連撃! 3連弾】

■【第1弾!『RT』、7月3日】トルコのエルドアン大統領が、ウクライナ紛争の停戦のための外交努力を「戦争ロビー」が妨害したと批判!

 ウクライナ紛争をめぐる、2022年3月末のイスタンブールでの停戦交渉を主導した、トルコのエルドアン大統領が、「(停戦のための)外交努力が、戦争ロビーによって妨害され、損なわれた」と批判しました。

 7月3日付けロシア『RT』は、エルドアン大統領が3日、トルコの首都アンカラでの閣議後の会見で、「イスタンブール・プロセスで始まり、捕虜交換を進めた外交努力は、残念ながら『戦争ロビー』によって妨害され、損なわれてしまった」と述べたと報じました。

 この『RT』の記事は、「エルドアン大統領は、具体的な名前はあげなかったが、トルコ自身が『戦争ロビー』の標的にされていると主張した。もし、トルコの和平努力が紛争の早い段階で成功していれば、ほとんどの破壊は避けられただろう、と語った」と報じています。

※Erdogan blames failure of Ukraine peace process on ‘war lobby’(RT、2023年7月3日)
https://www.rt.com/news/579159-erdogan-ukraine-talks-sabotaged/

★エルドアン大統領が指摘する「戦争ロビー」とは、ロバート・ケネディJr.氏が米大統領選の民主党予備選出馬表明で「バイデン政権との癒着」を批判した、ネオコン、防衛産業、軍産複合体などと同じものを指しているのでしょう。

 7月3日に収録した、岩上安身によるジャーナリスト・高野孟氏インタビューでも、高野氏が「世界1の防衛産業であるロッキード・マーチンの幹部が、ヘッドになって1993年に『NATO東方拡大委員会』を作り、アメリカ議会にロビーイングして、NATOの東方拡大を推進した。この事態(ウクライナ紛争)を引き起こした、ある意味、張本人ともいえる」と指摘しています。

 6月27日のこの日刊IWJガイドでもお伝えしましたが、エルドアン大統領は、2022年3月に、イスタンブールでロシアとウクライナの停戦交渉を主導し、ウクライナの永世中立や、軍隊の戦闘装備や人員に関する18の条文を定めた草案に、両国の代表団が署名しました。しかし、ロシア軍が条約に従ってキエフから撤退すると、ウクライナは一方的に、この停戦交渉を破棄しました。(IWJ)

※ウクライナ紛争は「帝国の残骸」である米国の崩壊の始まり!「帝国の解体」を公約に掲げたロバート・ケネディJr.氏は「時代遅れの老大国アメリカ」を自覚している米史上初の候補!~岩上安身によるインタビュー第1125回 ゲスト ジャーナリスト・高野孟氏
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516990

※【第3弾『RIAノーボスチ』、17日】日本でまったく報じられていない事実! 昨年4月のロシア軍のキエフ撤退は、ウクライナとの停戦協議にもとづくもの! ウクライナは署名しながら合意を破棄!! プーチン大統領が17日、アフリカ代表団を前に、文書を掲げて「停戦交渉を拒否しているのはウクライナだ」と訴え!(日刊IWJガイド、2023年6月27日)
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230627#idx-7
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52455#idx-7

■【第2弾!『朝日新聞』、7月4日】仏政府筋によると、抗議行動が始まった6月27日からの逮捕者数は合計で3400人を超えた。負傷した警察官や消防隊員は684人に上る!

 フランスで6月27日、アルジェリア系とモロッコ系の両親を持つ北アフリカ系移民の少年が警察官に射殺された事件をきっかけに、大規模なデモが暴動に発展しています。

 これまでに報じられた複数の報道によると、射殺された17歳の少年は、移民や低所得者層が多いパリ郊外に住んでいました。フランスでは自動車の運転免許は18歳から取得できますが、この少年は、警察の交通検問を拒否したとして、射殺されました。

 当初、警察は発砲の正当性を主張しましたが、SNSで拡散した動画などから、警官が運転席の窓越しに、至近距離から胸部に、いきなり発砲したことが判明しました。

 これにより、警官の少年への人種差別的な対応が発砲の背景だとして、フランス全土にデモが広がりました。

 7月4日付け『朝日新聞』は、「仏政府筋によると、抗議行動が始まった6月27日からの逮捕者数は合計で3400人を超えた。負傷した警察官や消防隊員は684人に上る」と報じています。

 この『朝日新聞』の記事によると、抗議行動の規模は縮小傾向にあるとのことですが、「政府高官は、『危機を脱したとはまだ言えない』と述べ、警官隊の大規模な配置を続ける考えを示した」とのことです。

※フランスの暴動の背景に何が?「人権の国」が抱えるタブーと深い分断(朝日新聞、2023年7月4日)
https://digital.asahi.com/articles/ASR7454NJR74UHBI007.html

★7月1日付の『Radio Genova』は、次のようにツイートしています。「フランスでは3日間に公道で2560件の火災が発生、1350台の車両が放火され、250の建物や商店が放火された。略奪は不特定多数、おそらく数千件。多文化国家フランスは失敗した」

※7月1日付の『Radio Genova』のツイート
https://twitter.com/RadioGenova/status/1675092614586966016?s=20

 7月4日付『朝日新聞』は、「政府から独立した人権擁護機関が17年に出した報告書は、アラブ系や黒人の若い男性が、他の人たちに比べて20倍の頻度で警察の職務質問を受ける可能性があるとして、フランス社会での人種差別の存在を指摘している」とも報じており、この暴動の背景に、人種差別があることを示唆しています。

 今回の暴動が、移民社会であるフランス国内の、日常的な人種差別的「事件」として語られることになるのか、それともウクライナ紛争と対露制裁をきっかけとして浮かび上がってきた、欧米とグローバルサウスの国々との対立構造にまで響きあうことになるのか、その点は今後の推移を見守る必要があると思われます。

 暴動の参加者たちの当事者としての意識には、そのような世界構造の分断と矛盾という大きなテーマがのぼっていないかもしれません。

 しかし、差別的扱いに対して、抑圧されていた怒りを噴出させた、という出来事は、何かしらの影響をフランス国内外へ与えるのではないかと思われます。(IWJ)

■【第3弾!『六辻障二氏、YAHOO ニュース』、7月4日】イスラムの聖典コーランを燃やす行為をスウェーデン当局が「合法」と認めた! スウェーデンのNATO加盟はイスラム国トルコの反対でほぼ絶望的に!

 7月4日付け『ヤフー・ニュース』で、国際政治学者の六辻障二氏が、NATOへの加盟申請をしたスウェーデンと、加盟に反対しているトルコとの対立により、スウェーデンが右傾化しているとして、次のように指摘しています。

 「1.トルコとスウェーデンはコーラン焼却をめぐり対立をエスカレートさせている。

2.右傾化するスウェーデンでは『表現の自由』を理由にコーラン焼却が法的に認められた。

3.やはり極右が台頭するトルコは強硬姿勢を強めており、スウェーデンのNATO加盟はほぼ不可能な水準に近づいている」。

 六辻氏によると、トルコのクルド人活動家を難民として受け入れてきたスウェーデンに対し、「トルコはもともとスウェーデンが『テロリストを擁護している』と非難し、NATO加盟に反対してきた」とのこと。

 ところが、スウェーデン当局が、コーランを燃やす行為を「合法」と認めたため、「ここにきて対立はさらにエスカレートしている」と、六辻氏は指摘しています。

※スウェーデンのNATO加盟はほぼ絶望的に――コーラン焼却「合法化」の隘路(YAHOO ニュース、2023年7月4日)
https://news.yahoo.co.jp/byline/mutsujishoji/20230704-00356454

★NATO加盟国の首脳会議が7月11日からリトアニアで開催されます。この首脳会議の一つのポイントがスウェーデンの加盟申請が実現するかとみられています。

 7月11日は、米国のビクトリア・ヌーランド国務次官が、第三次世界大戦を開始するとキエフとのビデオ会議で正式に表明したとされる日でもあります。スウェーデンとトルコの対立は、NATO加盟問題とクルド人問題、さらにイスラム教の問題が3重に絡んでおり、フランスにおける暴動の根底にある反イスラム主義とも響きあっています。

 7月11日のNATO首脳会議が、注目されます。(IWJ)

■<IWJ取材報告 1>ハンター・バイデン氏の脱税捜査を米司法省が妨害!「バイデン政権への過度の追従は危ういのではないか?」とのIWJ記者の質問に「他国の内政についてコメントは差し控える」と林外務大臣!!~7.6 林芳正 外務大臣 定例会見

 7月6日午前10時55分より、東京都千代田区の外務省にて、林芳正外務大臣の定例会見が行われました。

 冒頭、林大臣からの報告はなく、そのまま、各社記者と林大臣の質疑応答となりました。

 IWJは、米国のバイデン大統領の息子ハンター・バイデン氏の脱税に関するスキャンダルと、そのスキャンダルが今後の日米関係に及ぼす影響について、以下の通り質問しました。

IWJ記者「バイデン大統領の次男、ハンター・バイデン氏の脱税捜査を担当してきた米国内国歳入庁(IRS)の現役捜査官が、米国の司法省が捜査を妨害した、と実名で告発し、米国の大手メディアで次々と報じられています。

 今後の進展によっては、バイデン大統領は、次期大統領選はおろか、弾劾を受け、任期中に辞任に追い込まれる可能性もあります。

 バイデン政権に追従し過ぎると、危ういことになるとはお考えになりませんでしょうか?

 例えば、ウクライナ紛争の即時停戦と、海外駐留米軍の完全撤収、そして軍事帝国としての米国の『帝国解体』を掲げるロバート・ケネディ・ジュニア氏が次期大統領に当選した場合、バイデン政権とまったく方向性が逆になります。その場合、日本政府はパートナーシップを築けるのでしょうか?

 ご教示ください」。

 この質問に対し、林大臣は以下のように回答しました。

林大臣「はい、ご指摘の報道については承知をしていますが、他国の内政につきまして、政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。

 また、米国国内の選挙にかかわる事項のひとつひとつについて、コメントすることは差し控えたいと思いますが、我が国としても関心を持って注視をしております」。

 他社の記者からは、ロシアの凍結資産の活用方法、国際原子力機関(IAEA)のグロッシー事務局長の訪日(7/4~7)、福島第一原発のALPS処理水の海洋放出の時期、および、米国のユネスコへの再加入について、質問がありました。

 定例会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧ください。

※ハンター・バイデン氏の脱税捜査を米司法省が妨害!「バイデン政権への過度の追従は危ういのではないか?」とのIWJ記者の質問に「他国の内政についてコメントは差し控える」と林外務大臣!!~7.6 林芳正 外務大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/517019

■<IWJ取材報告 2>「バイデンの外交戦略は、戦争すること。ウクライナ戦争は、戦争を継続するというアメリカのための代理戦争だ!!」~6.29「新しい戦前にさせない」連続シンポジウム 6・29 第4回―講演:「脅威論の真相を剥ぎ、平和への道を探求する」孫崎享氏ほか

 6月29日午後2時30分より、東京千代田区の衆議院第一議員会館にて、共同テーブルの主催で、「新しい戦前にさせない」連続シンポジウムの第4回が開催されました。シンポジウムの副題は、「中国・朝鮮の脅威論を越えて~”東アジアの安全保障環境は厳しさを増した”は本当か~」というものです。

 シンポジウムは二部構成。第一部では、元外務省国際情報局長の孫崎享氏が、「脅威論の真相を剥ぎ、平和への道を探求する」と題した基調講演を行いました。

 第二部は、「中国・朝鮮の脅威論を越えて」と題したシンポジウムで、東京造形大学名誉教授・前田朗氏をコーディネーターとして、青山学院大学名誉教授・羽場久美子氏、上海大学教授・王祝氏、そして、朝鮮大学校教授・李柄輝氏がそれぞれ短い講演を行い、その後、意見交換・討論となりました。

 第一部の基調講演の冒頭、孫崎氏は次のように語りました。

孫崎氏「今、日本の政治はもう大きく狂っています。この狂いは、『ウクライナ問題』からなんですね。だから、大変恐縮ですけれども、皆さんの予想と少し違って、最初、なぜ『ウクライナ問題がこんなに混乱しているのか、というところから始めていきたいと思います。(中略)

 ご存じのように、最近、バイデン大統領はどんどんもうろくしてきています。昨日か一昨日は、『イラク戦争』でロシアは負けていると言っている。そのついでに、もうろくついでに、言っちゃいけないことまでしゃべり始めた。

 6月20日の集会で、日本の防衛費増額をめぐり、『私は三度にわたり日本の指導者に会い、説得した。NATOは加盟国にGDP比2%の防衛費増加を求めている』。

 そして、バイデンは日本も巻き込むことができると思っていた。ということで、防衛費増強というのは、それはアメリカに言われてやっていることなんですよ。潤沢な予算がある国であるならいい。しかし、私たちは今、社会保障をどんどん削らなきゃいけない時期になってきている。

 教育費も十分ではない。子ども手当も十分でない。そういうところに意味のない防衛費を増強する余裕なんかないんですよね。それを、アメリカに言われてやっている。

 何でそんなことが起こっているかというと、ある意味、残念ながら、これはウクライナ問題と関係しています。(中略)

 今、起こっている中国と朝鮮。これにどうするかという問題を考えるときにも、私たちは、きちんと、ウクライナ問題を整理しておかなければいけない、こう思っています。

 で、たまたま、今日か昨日、アメリカのネットを見ていましたら、ロバート・ケネディ・ジュニアが今、アメリカの大統領選挙に参戦しています。

 その中で、一つの論文を書いているんですけど、『バイデンの外交戦略は、戦争することだ』という論文を書いたんですね。たぶん、日本ではほとんど紹介されていません。

※【IWJ号外】ワクチン懐疑派として知られる米民主党のロバート・ケネディ・ジュニア氏が、米大統領選に出馬を表明! 軍産とバイデン政権の癒着を批判、ウクライナへの関与は「米国の国益にならない」! 2023.4.22
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515627

※【IWJ号外】ロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領予備選立候補発表後に行った、歴史的なボストン・スピーチをIWJが全文仮訳!(第1回)米国最良の精神は、アメリカ独立戦争の精神だった! 2023.5.26
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516183

※【IWJ号外】ロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領予備選立候補発表後に行った、歴史的なボストン・スピーチをIWJが全文仮訳! (第2回)企業権力と国家権力の癒着が「分断」を生む! 2023.6.2
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516354

※【IWJ号外】ロバート・ケネディ・ジュニア氏が大統領予備選立候補発表後に行った、歴史的なボストン・スピーチをIWJが全文仮訳!(第3回)父のエピソードから、米国民に真実を伝えようとする! 2023.6.17
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516665

※ウクライナ紛争は「帝国の残骸」である米国の崩壊の始まり!「帝国の解体」を公約に掲げたロバート・ケネディJr.氏は「時代遅れの老大国アメリカ」を自覚している米史上初の候補!~岩上安身によるインタビュー第1125回 ゲスト ジャーナリスト・高野孟氏 2023.7.3
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516990

 ここで、ウクライナ戦争というのは、戦争を継続するというアメリカのための代理戦争なんだ。だから、バイデン大統領は二つの謝罪をすべきだ。まず、最初に、偽りの口実で醜い代理戦争をするように誤解させた米国民に対して。第2に、米国の戦略的利益のためにこの戦争に誘導され、国が破壊されたウクライナ人にお詫びをすべきだ、と言ってるんです。(中略)

 それで、ウクライナ問題について、日本の言論界、それがどのように扱ってきたかということを少し考えてみたいと思います。

 私は、ツイッターであるとか、あるいは小さな集会で、時々述べていますから、この中には何人かの方はご存じだと思うんですけれども、『次のセリフを述べた日本の政治家は誰か?』という質問します。ご存じの方は黙って手をあげてみてください。

 2つ聞きます。まず一つ。去年の5月です。『ゼレンスキーが、ウクライナがNATOに加盟しないことを約束し、東部の2州に高度な自治権を与えるということができた。しかし、ゼレンスキーは断った。ゼレンスキーは本来、約束していれば戦争はなかったんだ』ということを述べた日本の政治家がいたんですけれども、誰かを知っている人は手をあげてください。

 はい。5人ぐらいでしょうね。今日、何人おいでになるかわかりませんけど、ご存知でいる方は5人です。

 もう一つ。これは2月27日、日本のテレビで述べられたセリフです。

 『プーチンの意図はNATOの拡大。それが、ウクライナに拡大するということは絶対に許さない。東部2州の論理で言えば、かつてボスニアヘルツェゴビナやコソボが分離独立した際には、西側が擁護したではないか?

 その西側の論理を、プーチンが使おうとしているのではないかと思う。プーチンとしては領土的野心ということではなくて、ロシアの防衛・安全と安全の確保という観点から行動を起こしていると思います』。

 去年の2月27日に、テレビで述べたのです。これを述べた政治家は誰か、ご存知の方? これ、5人ぐらいですね。

 私はこの政治家は支持していません。支持していないけれども、彼がそれは述べたことは、間違いない。安倍さんです」。

 基調講演、ならびに、シンポジウムの詳細については、ぜひ全編動画にてご確認ください。

※「バイデンの外交戦略は、戦争すること。ウクライナ戦争は、戦争を継続するというアメリカのための代理戦争だ!!」~6.29「新しい戦前にさせない」連続シンポジウム 6・29 第4回―講演:「脅威論の真相を剥ぎ、平和への道を探求する」孫崎享氏ほか
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/516928

■加速度的に進む日本の少子高齢化! 高齢者をターゲットに凶悪化する「特殊詐欺」を、「高齢者差別」思想が後押し! 高齢者に「集団自決」を求めたイエール大学助教授・成田悠輔氏の発言は、ルフィ事件と同根の大問題!~6月発行の『岩上安身のIWJ特報!』は、4月11日収録の「岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました! ぜひ『まぐまぐ』からご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーをすべて読めます! ぜひ、サポート会員にご登録を!!

 IWJではメルマガサイト『まぐまぐ』で、『岩上安身によるインタビュー』をテキスト化し、詳細な注釈をつけて『岩上安身のIWJ特報!』として、毎月発行しています。

 6月は5月に引き続き、「岩上安身による『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏インタビュー」の全4回から、今年4月6日と11日に行なったインタビューから抜粋してテキスト化し、詳細な注釈をつけて発行しました!

 全4回の連続インタビューの締め括りとなった、4月11日の、最終インタビューでは、高齢者に対する犯罪を助長させるような「老人ヘイト」の空気が、いつから、どのように日本の社会に醸成されてきたのかを考察しました。

 特殊詐欺が巨大化していく背景には「生産性の低い者は必要ない」という新自由主義的、優生思想的な考え方があり、それが先鋭化すると命の選別につながって「老人殺し」を正当化するのではないか、と岩上安身は投げかけました。

 2010年に出版された『「若者奴隷」時代』という漫画は、「高齢者が若者を搾取している」とし、若者が苦しい現状から逃れるためには「ジジババを殺らなきゃ」と高齢者へのヘイトをストレートに煽っています。

 岩上安身は、「老人ヘイトとか、『殺る』という表現。僕が見た限り、ここ(2010年)からスタートかなと思った」と指摘しました。

 田崎氏は、その危機感が13年たって現実のものになったと応じ、「おそらく、特殊詐欺の指示役が、応募してきた人間たちに、こういう話をしてるんだろう。俺たち貧しいじゃん、と。働いても働いても、全然、いい思いしてない。でも、70代、80代の人たちはバブル景気を経験し、いい思いしてるよね、と。年金も、ちゃんともらって。俺たちなんかもらえないんだよ、みたいな言説の中に絡めとっていって、これから行う犯罪の罪の意識を軽減化していく」と述べました。

 その後、優生思想的な言動の例として、元アナウンサーの長谷川豊氏の「人工透析患者は『殺せ』」という主張、2人の医師によるALS患者嘱託殺人事件、精神障害者や身体障害者に対する強制的な安楽死政策であるナチスのT4作戦、「高齢者は集団切腹、集団自決すべき」としたイエール大学助教授の成田悠輔氏の、決してメタファーではない、確信犯的発言などを取り上げました。

 岩上安身は、ソ連崩壊から民主ロシア誕生の時期に体験した、凄まじいハイパーインフレに触れて、「戦時でもないのに平均寿命がどんどん下がっていって、男性の平均寿命が58歳に。60歳からの年金受給前に死んでしまう。すると(国は年金を払わなくて済むので)、国の年金債務は縮小される。まったく銃弾が飛び交いあわないんだけど、戦場状態になることが可能なのはハイパーインフレ。たとえば20万円の年金もらってる人が、ラーメン1杯200万円という時代が来た時に、生きていけないじゃないですか。で、静かに死ぬんですよ」と振り返りました。

 田崎氏は、「『敵なき敗戦』が起きるんじゃないかなって気がしますね。(国はそういう政策をやって)リセットしたいと思ってるんじゃないか」と顔を曇らせました。

 終盤で田崎氏は、高齢者が最後まで豊かに死を迎えることができる社会を、どうやって築いていこうかという英知の積み上げが今の社会であり、それを高めていかなくてはいけないと語り、「だから、多くの人たちにとって生きやすい社会へと変えていかなければならない。それは一人ひとりを孤立させない社会だ」と力を込めました。

 岩上安身は、高齢者をターゲットにした特殊詐欺事件の背景を、少子高齢化問題を先送りにしてきたツケだと指摘しました。

 7月3日のこの日刊IWJガイドの【本日のニュースの連撃】でお伝えしましたが、厚生労働省の発表によると、1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率は、2022年に1.26で、2005年に並んで過去最低となりました。

 さらに7月2日付けの『東京新聞』は、この合計特殊出生率の算出方法について、厚労省が、日本人の父と外国人の母の間に産まれた子は「日本における日本人」として統計に入れている一方で、その母を含めた外国人女性を統計に入れていないため、「過去最低」と発表された2022年の合計特殊出生率が、実態はさらに低い数値であることが明らかになった、と報じました。

 少子高齢化は、ますますひどくなっています。

※【第1弾!『日本経済新聞』、6月30日】2022年の合計特殊出生率、2005年と並び、1.26で過去最低! 西日本では2005年より高く、東日本では低くなる「西高東低」傾向が明確に!
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230703#idx-5
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52478#idx-5

※【第2弾!『東京新聞』、7月2日】厚労省が発表した合計特殊出生率で、統計上の大問題が明らかに!「過去最低」1.26、実態はもっと低かった!!
会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230703#idx-6
非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52478#idx-6

 以下、6月発行の『岩上安身のIWJ特報』の目次です。IWJ会員ではない方も、ぜひご購読ください。

(第605号の目次)
◆被害者の9割が60代以上! 加害者の7割は10~30代! 若年層の貧困化が凄まじく、普通のお年寄りが金持ちに見える。「だから、取ってもいいだろ」と罪の意識も薄い!?
◆今日からできるトクサギ対策! 電話は常に留守電に、親族間の連絡を密にして、タンス預金はしない。ダミーの防犯カメラは逆効果。もし被害に遭ったら泣き寝入りせず警察へ!
◆騙されて加害者になる若者たち! ネットを見て「お年寄りの家に物を取りに行く高収入バイト」に応募した14歳の中学生、詐欺未遂で逮捕!
◆6000億円を超える被害総額にもかかわらず、特殊詐欺を焦点化した法改正と厳罰化が行われない不思議!?

(第606号の目次)
◆高齢者差別思想の蔓延と特殊詐欺の拡大化との相関関係! スタートは2010年の老人ヘイト漫画『「若者奴隷」時代』まで遡る!
◆日本の少子化問題を真剣に議論せず、先送りしてきたツケ!?「自分たちは奪われ続ける」と思い込んだ若者世代は怨嗟の眼差しを高齢者へ向ける!

(第607号の目次)
◆人工透析患者「殺せ」発言の長谷川豊・元フジテレビ・アナウンサーを公認候補にした日本維新の会! 当時の松井一郎代表はALS患者嘱託殺人事件に便乗、「国会で尊厳死の法整備の議論を」と発言!
◆「高齢者は集団自決すればいい」と社会保障制度に関するシンポジウムで発言したイエール大学助教授の成田悠輔氏!「比喩の話」と擁護したひろゆき氏は、明らかに事実誤認!

(第608号の目次)
◆成田悠輔氏が問題発言をしたシンポジウムに、同席していた医師免許を持つ自民党の古川俊治参院議員が、成田氏を擁護、「法的に自殺は罪ではない」「楽に死ねる方法なら麻酔」と「老人殺し」の具体的手段にまで言及していた!
◆少子化を50年放置した国家。財政破綻を避けるために「リセット」を考えている? ハイパーインフレになれば、お金のない人は抵抗もできず静かに死んでいく!
◆個々人が思う豊かなありようで死を迎えられるのが「生きやすい社会」。それをどう築くのかが課題なのに、日本社会は「弱者切り捨てマインド」に満ちている!
◆少子高齢化対策を考えるならば、「まず安楽死ですよね」と言いきる自民党の国会議員は、20年以上前からいた! ずっと背景にあった隠れた棄民思想が、今、顕在化してきた!?

 『岩上安身のIWJ特報!』は、まぐまぐ大賞2022のジャーナリズム部門で1位になりました!

 まぐまぐ大賞2022は、2022年にもっとも輝いたメルマガを読者投票とまぐまぐ審査で選出するものです。

 『岩上安身のIWJ特報!』は、2021年の「まぐまぐ大賞2021」のジャーナリズム部門でも第2位に選ばれており、昨年ついに1位を獲得しました。

※まぐまぐ大賞2022部門別賞
https://www.mag2.com/events/mag2year/2022/list.html?cid=journalism&aid=77

※『岩上安身のIWJ特報!』ご購読はこちらから(月額税込880円、初月無料)
https://www.mag2.com/m/0001334810

 岩上安身による田崎基氏インタビュー全4回の動画は、以下のURLから御覧ください。

※「今の特殊詐欺グループは、自転車の車輪がいくつも存在していて、そのハブのスポークが、また別の車輪のハブになっているみたいな円環構造」~岩上安身によるインタビュー第1111回 ゲスト 神奈川新聞報道部デスク・田崎基氏 第1回 2023.3.7
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514596

※背後に「暴力団」が関与し凶悪化する「特殊詐欺」を「高齢者差別」が後押し! ルフィ事件と、高齢者に「集団自決」を求めた成田悠輔氏の発言は同根の大問題! 岩上安身によるインタビュー第1112回 ゲスト『ルポ特殊詐欺』著者・神奈川新聞報道部デスク田崎基氏 第2回 2023.3.13
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/514705

※「1日1億円、年間360億円以上の被害」「グルグルグルグル、反社会的な構造の中で、お金と人が回り続けている」~岩上安身によるインタビュー第1117回 ゲスト 神奈川新聞報道部デスク・田崎基氏 第3回 2023.4.6
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515232

※「特殊詐欺の背景と経緯、それを盤石とさせている者の言説が浮かび上がった」! ~岩上安身によるインタビュー第1119回 ゲスト 神奈川新聞報道部デスク・田崎基氏 第4回 2023.4.11
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/515394

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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