日刊IWJガイド・非会員版「NATO問題、ドンバス地方問題2つの根本的解決を! 明日18時~、激化するウクライナ情勢について元外務省国際情報局長孫崎享氏インタビュー」2022.3.3号~No.3458号


┏━━【目次】━━━━
■はじめに~NATOの問題とドンバス地方のロシア系住民の問題という2つの根本問題の解決を! ウクライナ・ロシア報道では女性や子どもの視点がほとんど報道されていない! 「8年間、プーチンがこの地域の人びとを食べさせていたのです。食べ物を、ロシアからトラックで送っていたと聞いています。ウクライナからは全然ないんです」!

■<インタビュー告知>3月3日午後6時から、激化するウクライナ情勢について「岩上安身による元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビュー」をお送りします!

■皆さまへ緊急のお願いです!! 2月のご寄付・カンパは暫定で、月間目標額の65%にとどまっています! 8月1日から始まったIWJの今期第12期7か月間にわたる累積の不足金額は、トータルで470万4268円です! これに今月3月分の目標額420万円が加わり、890万4268円となります。どうか3月も緊急のご支援をよろしくお願いいたします!!

■【中継番組表】

■<IWJ検証レポート>「オバマ政権のウクライナ政治への関与は息を飲むほどだった」! 2014年のユーロ・マイダン革命は欧米が作った! 現在のウクライナ侵攻は米国にも重大な責任がある! 米国のシンクタンクCATO研究所が発表した「米国のウクライナ偽善」レポート!

■バイデン・ファミリーはウクライナ利権に深く関与していた! ジョー・バイデン大統領の次男ハンター・バイデン氏が、2014年のユーロ・マイダン革命直後にウクライナの天然ガス会社ブリスマの役員に就任! ハンター氏の就任とプリスマの新規のロビー活動開始時期が一致!

■<IWJ取材報告>「提訴するのは容易ではなかった! 政府や福島県は福島原発事故による健康被害はないと決めつけ、メディアによってその認識が日本社会に浸透しているからだ!」~3.2「311子ども甲状腺がん裁判」弁護団記者会見

■2月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、1月27日収録「岩上安身によるインタビュー 第1066回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏」から、「ウクライナ・クライシス」の本質に迫っていく部分を抜粋しました! テキストに詳細な注釈をつけて発行! ぜひ、まぐまぐからご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーすべて読むことができます!
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■はじめに~NATOの問題とドンバス地方のロシア系住民の問題という2つの根本問題の解決を! ウクライナ・ロシア報道では女性や子どもの視点がほとんど報道されていない! 「8年間、プーチンがこの地域の人びとを食べさせていたのです。食べ物を、ロシアからトラックで送っていたと聞いています。ウクライナからは全然ないんです」!

 おはようございます。IWJ編集部です。

 本日は3月3日、雛祭です。

 この日は、皆さまよくご存じのように、女の子の息災を祈って雛に桃の花を飾り、白酒、菱餅、雛あられなどを供えて祝う行事です。

 上段の押入れの奥にしまったお雛様の入った箱を毎年取り出しますが、毎年、お雛様の軽さに驚かされます。

 昼空に月あり桃の節句なり   宮津昭彦

 平和で静かな句です。

 ウクライナで戦闘が続いています。今年の雛祭は、気の重いものになりました。

 ウクライナ・ロシア報道で見逃されていることの一つが、この雛祭でお祝いする女の子の視点です。つまり、女性や子どもの視点がほとんど報道されていません。

 2月27日付のAERA dot.は、戦争の犠牲になってきたロシアとウクライナの女性たちの声を紹介しています。

※パパはウクライナ人、ママはロシア人の女性が語る“戦争”のリアル 「ケンカを煽り立たのは西側」(AERA dot. 2022年2月27日)
https://dot.asahi.com/dot/2022022700011.html?page=1

 日本在住の30歳前後のロシア人女性は、ウクライナとロシア語の関係について次のように語っています。

 「8年前から、ウクライナでロシア語を使うと差別されるようになったんです。だいたいウクライナ人はロシア語をしゃべるんですよ。でも、ロシア語しゃべると、差別されます。だから、ロシア語をしゃべれないフリをする」

 2019年に発足したウクライナのゼレンスキー政権は、プーチン政権の情報戦に対抗するためという理由から、ウクライナ語以外で書かれた広告を禁じる法律など、ロシア語の使用を制限する政策を打ち出しました。

 日本人との間に2人の子供のある40代のウクライナ人女性は、ドンバス地方(ルガンスクとドネツク)について次のように述べています。

 「私はルガンスクで生まれて、18歳のころまでいました。ドンバス地域は労働者の街なんです。工場で働いたり、石炭を採掘したりするとか。ウクライナの中にいてもまったく不自由はなかった。ソビエト連邦の時は、言葉はロシア語だったんですよ。それが紛争状態になったのは8年前から…」

 「ドンバス地域の人たちは8年間怖い思いしています。普通のマンション、道路、バス、学校とかにバンバン攻撃を受けてきた。いつ、どこで(※ウクライナ政府からの)爆撃を受けるかもわからない。対してウクライナのキエフの人びとは、普通に遊んだり、お酒を飲んだり、外国へ遊びに行ったりしていた」

 「8年間、プーチンがこの地域の人びとを食べさせていたのです。食べ物を、ロシアからトラックで送っていたと聞いています。ウクライナからは全然ないんです」

 「ドンバスでは毎日、ミサイルが飛んでいるんですよ。だから、今、ドネツクの人はこう言っている。『今、ウクライナの人は怖いんですか。私たちは8年間、ずっとそういう思いの生活でした。毎日、毎日、爆弾がどこに落ちるかわからなかった』」

 「ウクライナは、ドンバスは自分たちのテリトリーだからロシア人を追い出したいと言っている。だけど、8年間のうちに、爆弾で街は半分もない。3分の1だけ残っている。あとは石だらけ」

 このような、ドンバス地方出身の日本在住のウクライナ女性の言葉に、ロシアのプロパガンダや洗脳があるとは思えません。現在は、日本在住なのですから、ロシアを代弁しても何の得にもなりません。

 ドンバス出身で、ドンバスに多くの友人知人のいる普通の生活者の言葉でしょう。

 父がウクライナ人、母がロシア人で、親戚はウクライナにも、ロシアにもたくさんいるというロシア国籍の女性がこう述べています。「私はロシア、ウクライナの両方の味方なんです」。

 さらに続けて、次のように述べています。

 「もし、ドンバスをロシアが取り戻さなかったら、そこにアメリカやヨーロッパの軍がやって来てベース(軍事基地)を置いてしまう。ロシアに近いところだから、ロシアがすごく危なくなる。取り戻さないとロシアが弱くなるから、守らなければいけないのです」

 ドンバス地方にNATO基地が置かれるというのは、NATO東方拡大のこれまでの敬意を見る限り、可能性はきわめて高いと言わざるをえません。

 この話は、2016年にプーチン大統領と安倍晋三元総理が北方領土返還交渉で話し合ったときのことを思い出させます。

 このとき、プーチン大統領が、「返還したら、そこに米軍基地を置かないと約束できるのか」と質問して、日本側は、日米安保条約と日米地位協定によって、米国は日本国内のどこにでも基地を置くことを求められるため、「基地が置かれる可能性はある」と回答し、交渉が決裂したのです。

※「歯舞・色丹に米基地置かない」安倍首相、プーチン氏に(2018年11月16日)
https://digital.asahi.com/articles/ASLCH4TZMLCHUTFK00S.html?iref=pc_extlink

 ロシアやウクライナの女性たちの言葉からわかるのは、根本問題は、NATOの問題とドンバス地方のロシア系住民の問題だということです。なぜ、2つの根本問題に正面から国際社会は向き合わないのでしょうか。

 IWJでは、2014年時点から、この東部のロシア系住民に対する虐殺問題を取り上げてきました。是非、御覧になってください。

※【特集】泥沼の内戦から欧露の分断、第三次世界大戦勃発の可能性も!? 対立を煽る米国の真の思惑とは!? IWJが追う ウクライナ危機(IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/ukraine

※【特集】ロシア、ウクライナ侵攻!!(IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/russiainvadesukraine

 国連特別会合や衆議院におけるロシア非難や非難決議、欧米による経済制裁の強化やゲリラ戦用の武器の供与、ベラルーシの核配備やロシアの戦術核兵器の使用などでは、問題の根本的な解決にならず、逆に、問題を長期化させエスカレートさせるだけではないでしょうか。

■<インタビュー告知>3月3日午後6時から、激化するウクライナ情勢について「岩上安身による元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビュー」をお送りします!

 2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻から、昨日3月3日で1週間が経ちました。当初の、ロシア軍による侵攻があるとすれば、ウクライナ東部のロシア系住民が多く住むドネツク州、ルガンスク州の2州だろう、という世界の大方の見方が外れ、ロシア軍はウクライナの首都キエフ、北東部で第二の都市ハリコフ、南部オデッサなどウクライナ全土に侵攻を開始しました。

 また、ゼレンスキー大統領はロシアによる侵攻から2日目、メッセージを発し、国を守るためロシア軍に徹底抗戦するよう国民を鼓舞しました。

 それに触発されるかのように、ロシア軍はウクライナ全土をすぐ制圧することができるだろう、という予想とは裏腹に、首都キエフを目前に軍事的に劣るウクライナ軍の激しい抵抗に苦しめられています。

 それに対し、欧米を中心とする世界各国は、ロシアによるウクライナ侵攻を厳しく非難し、国際的な銀行間の決済システム「SWIFT」からロシアの大手銀行を除外するといったことや、ロシア政府の要人であるプーチン大統領、ラブロフ外相など、個人を対象にした経済制裁など、ロシアを非難しています。日本の岸田総理も欧米と歩調を合わせるように、ロシアに対しての経済制裁を発表しています。

 世界各国ではウクライナ侵攻に対してロシアを批判するデモや、抗議行動などが起こっています。

 ロシアのウクライナ侵攻は、到底認めることはできません。いかなる理由があろうとも武力侵攻は許されません。

 しかし、世界のプーチン憎し、ロシアが全て悪い、といったレッテルが貼られていますが、本当にそうでしょうか。なぜ、プーチン大統領はウクライナに侵攻しなくてはいけなかったのでしょうか?

 そこで、今回ロシアがウクライナに侵攻した背景は何なのか、ロシア・ウクライナ間に横たわる諸問題とは? 欧米に利用されただけのウクライナ? この問題の本質について国際情勢に詳しい元外務省国際情報局長・孫崎享氏にインタビューを行います。

 ロシアがウクライナに侵攻した直後、ゼレンスキー大統領は欧米に対し、「誰も助けにこないではないか」と、不満を漏らしていました。

 これまで、NATOや米国はウクライナ支援を表明していました。しかし、さんざんロシアを焚きつけておきながら、いざとなったら後方から支援するのみで自分達は派兵せず、ウクライナという「仲間」のために血を流すことはしませんでした。2020年7月20日には、米海軍、ウクライナ海軍の共同で軍事訓練を行っていたにも関わらずです。
 
 孫崎氏もご自身のツイッターで「問おう。演習は何の意味があったのだと」と、米軍の思わせぶりな態度を批判しています。

 孫崎氏はさらに、ウクライナにも責任があるとツイートしています。

 「ウクライナの政治家に責任があります。軍事的に支援しない米国やNATOが軍事的に支援すると錯覚し、ロシアが許すはずのないウクライナのNATO加盟を推進したこと、東部のロシア系を二流国民扱いにしたこと、避けられる政策を実施した罪は大きい。安保の根幹を変える状況をロシアは容認しない」

 さらに、プーチン大統領は侵攻の理由としてウクライナの「非ナチ化」を目指すと発言しています。

 かつて、ウクライナには反ユダヤ主義や非ウクライナ的要素に対し排他的なウクライナ民族主義という思想もったステパン・バンデラという人物がいました。バンデラは第二次世界大戦中、ウクライナの独立という名のもとにソ連を裏切りナチス・ドイツに協力し赤軍と戦いました。

 戦後も、バンデラ主義としてウクライナの一部の人に影響力を与え、現在では東部に多く住むロシア系住民の排除を行ってきた事実があります。

 しかし、そのことをメディアで語られることはめったにありません。今回はメディアで語られることのない、ウクライナの歴史も含め、問題の真の背景をお届けしたいと思います。

 明日、3月3日木曜日、午後6時から岩上安身による元外務省国際情報局長・孫崎享氏インタビューを是非、御覧ください。

※岩上安身による元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 また、ロシアがウクライナに侵攻する前に行った岩上安身による孫崎享氏インタビューは、以下から御覧いただけます。

※「この国(日本)には考える場所がない」東の「台湾有事」危機と西の「ウクライナ危機」が同時に迫る!~岩上安身によるインタビュー 第1066回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏(2022年1月27日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501593

※「米国の方が現状変更」!「東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る!(続編)」~岩上安身によるインタビュー 第1067回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏(2022年1月31日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501693

※ウクライナ東部独立は悪? 東の「台湾有事」危機と西の「ウクライナ有事」危機が同時に迫る!(第3回)~岩上安身によるインタビュー 第1068回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏(2022年2月18日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502334

■皆さまへ緊急のお願いです!! 2月のご寄付・カンパは暫定で、月間目標額の65%にとどまっています! 8月1日から始まったIWJの今期第12期7か月間にわたる累積の不足金額は、トータルで470万4268円です! これに今月3月分の目標額420万円が加わり、890万4268円となります。どうか3月も緊急のご支援をよろしくお願いいたします!!

 IWJ代表の岩上安身です。

 IWJでは、今期第12期の年間の予算を立てる上での見通しとして、代表である私、岩上安身への報酬をゼロにすることを筆頭に、支出をぎりぎりまでにしぼった上で、IWJの運営上、必要なご寄付・カンパの目標額は月額420万円(年間5040万円)と算出させていただきました。

 昨年8月から始まったIWJの今期第12期は、2月で折り返しを過ぎて後半に入りました。

 1月末までの6ヶ月間の累計の不足分は、まだなお322万2951円となっております。

 2月の月間目標額も420万円ですが、1日から28日までの暫定の集計では、256件、271万8683円のご寄付・カンパをいただいています。大変ありがたいことですが、この金額は、月間の目標額の65%にとどまっています。2月の目標額で420万円には、あと148万1317円が足りませんでした。

 さらに、1月末までの6ヶ月間の累計の不足分は、322万2951円残っており、2月末日までの不足額は、合計すると470万4268円になっております。さらに今月3月の月間目標額420万円が加わりますと、3月末までに890万4268円が必要となります。このままですと、 不足額が雪ダルマのように膨れ上がっていきます!

 どうか会員の皆さまのお力で、3月もIWJをお支えください!

 IWJの会員数は現在3254人です。そのうちサポート会員は1130人です(2022年2月28日現在)。本当に心苦しいお願いではありますが、会員の皆さま全員が1446円ずつカンパしてくださるか、サポート会員の皆さまが全員1人4163円ずつカンパしてくださったならば、なんとかこの赤字は埋められます!

 伏してお願いいたします! どうか皆さまのお力で、この窮状をお助け願います!

※ご寄付・カンパはこちらからお願いします。
https://iwj.co.jp/join/pleasehelpus.html

 コロナ禍は、日本のすべてを直撃しています! IWJも例外ではありません!

 同じように皆さまもそれぞれ、コロナ禍で厳しい状況に直面されていることと拝察いたします。こうした状況で皆さまに、会員登録のお願いとご寄付・カンパを繰り返しお願いすることは、心苦しいことではあります。

 しかし、どうしても声を大にして、お伝えしなければならないことがあります!

 改憲による緊急事態条項の導入と、米国による中国との戦争に日本が巻き込まれる現実的な懸念が、迫っているからです!

 また、ロシアによるウクライナへの侵攻とそれに対する世界中からの反発・非難が、どのような第2幕を迎えるか予断は許しません。

 台湾をめぐる米中の対立と、このウクライナ危機が連動する可能性も、しきりに取り沙汰されています。その際、日本が米国にとって都合の良いミサイル前線基地となり、ウクライナのような運命をたどることになってしまう可能性があり、それは絶対に避けなければいけません!

 IWJは、中立の立場を守り、ロシアとウクライナの間でどのような確執が起きてきたのか、2014年のユーロ・マイダンのクーデターの時点から、ずっと注目して報じてきました。

 2022年の今日、突然、ロシアのプーチン大統領が狂気にとりつかれて、ウクライナに侵攻し始めたのではありません。そこに至るプロセスがあります。

 それを伝えず、「ロシア侵攻」のみを大騒ぎして伝えるイエローペーパーばかりですが、これは本来のメディアの役割を放棄していると言わざるをえません。我々はメディアの王道をいく仕事をし続けます。

 戦争は発火した時が、最終段階です。その前に、政治的経済的な不満がマグマとしてたまっているのであって、戦争が勃発する前にそのマグマの存在を明らかにし、対話と議論によって平和的解決の道を探して、「戦争」という「政治的開放の最終手段」に至る前に、未然に防ぐことが一番重要です。

 そのためには、「戦前」の段階で、現状を正確に把握することが必要であり、メディアは戦時だけ騒いで、洪水のような情報量で一方を「悪」、一方を「善」と決めつけて、他方だけの言い分しか取り上げないような偏向報道だけを行えば、一般国民の間に、相手国への敵視感情が醸成されていってしまいます。

 後段に取り上げる通り、ロシアのメディアを欧州のジャーナリズム協会が排除する、というのは、あってはならぬことです。

 日本においてロシア、中国のメディアを排除するようなもので、結局、戦況にしても何にしても自分にとって都合の悪い情報、聞きたくない事実・真実が入ってこなくなり、戦中の日本のような情報統制をされて、デタラメな「大本営発表」のみをメディアが伝えて、あげく自滅してしまいます。

 相手のプロパガンダであれ、フェイクまじりであれ、相手を知る手がかりを失う、というのは、目と耳がつぶれるに等しく、絶対にやってはならないことです。

 世界は今、100年に1度あるかないかの、巨大な政治的・経済的・軍事的な地殻変動に見舞われています。

 いうまでもなく、日本を含む世界全体に対し、単独覇権国として支配的な影響力を及ぼしてきた米国が衰退し、中国が米国の国力を上回る勢いの新興国として台頭してきており、その中国とロシアは結束を強めています。米国対中露が激突する時、地理的に両者の間にはさまっている、ということを忘れてはなりません! 戦争において地理的位置は、絶対的な条件となります。我々は、米国対中国、あるいは米国対中露の戦いに、日本が巻きこまれないでやりすごすのは、非常に困難です。

 地球上の覇権国の力関係が、劇的に変わろうとしつつあります。この米中のせめぎあいに、米国の「従属国」に甘んじてきた日本は、モロに巻き込まれつつあります。

 米国につき従っていきさえすれば、安全で繁栄も約束される、というのは、第二次大戦後の米国がゆるぎない軍事力も経済力も圧倒的に強大で、余裕があり、そしてまだしもモラルが残っていた時代の話です。現在の米国は、昔日の米国ではないのです。

 このシビアな米中逆転の現実を直視した「アリソン・レポート」は、米国内部の為政者・外交安全保障関係のエリートに向けて書かれたものです。米国の危機感がひしひしと伝わってきます。この「アリソン・レポート」を、IWJでは断続的に紹介しています。

 財政赤字と国民の格差の拡大については、そっくりそのまま日本で同じことが起こっています。日本が米国のマネをしてこなかった(できなかった)のは、軍事力の行使だけでしたが、今後の行方次第では、米国からの「命令」で対中戦争に参戦することとなり、そのタガも外れてしまうことでしょう。

 私がIWJというインターネット報道メディアを立ち上げた(会社登記)のは、正式には2010年12月のことですが、準備期間に約1年間かけました。その際、IWJという社名だけを決めて、「移行期通信」というメルマガを支持者の方々にお送りしていました。

 社名になぜIndependent(独立)という言葉を入れると決めていたのか。独立メディアである、という意味はもちろんのことですが、日本の独立に少しでも資するように、という願いを込めたからです。それが私の志であり、一貫した「初期衝動」です。

 日本よ、独立せよ。

 米国への過度の依存から離れ、米国に都合よくふりまわされ、利用されずに、世界の国々、とりわけ周囲・隣国との友好に尽くし、独立国としてサバイバルせよ、という思いです。

 その思いを込めてスタートしたIWJですが、私の願いはかなわず、危機感の方が、次々的中してしまっています。日本は国力を落としながら、さらに一段と米国への依存を深め、集団的自衛権まで突破してしまい、米軍と軍事的に一体化して、どんどんと危うい方向に向かいつつあります。

 敗戦から冷戦の終わりまで、日本は当たり前のように米国に、外交・安全保障を依存してきました。たしかに、「軽武装・経済優先」という、当時、自民党の主流派だった宏池会のような考えでも、実際、日本は豊かになっていきました。

 しかし、冷戦に「勝利」した米国は、傲りたかぶり、世界を一極支配する単独覇権システムを強引に構築しようとし、かえって世界の反発を買って多極化を招いてしまいました。

 にもかかわらず日本は、米国を不動のヘゲモン(覇権国)としてあがめたてまつり、依存をさらに深めており、米中対立の「最前線」に立たされつつあります。

 その戦争準備と遂行のために、国会から立法権を奪って、内閣独裁を実現し、法律の代わりに、内閣が独断で超法規的な「政令」を繰り出せる緊急事態条項を含めた改憲をしようと躍起になっているのです。

 米国の利益のために、日本が「身代わり」「鉄砲玉」になるというような戦争を遂行し、国民にムチャクチャな無理強いを押しつけることなど、緊急事態条項による独裁体制がなければできないからです。

 中国と相討ちとなる中距離ミサイルを日本列島中に「敵基地攻撃論」とからめて配備し、あげく、全土が中国のミサイルの餌食になる。そうやって中国のミサイル戦力を多少、消耗させ、米国軍と米国本土への被害を軽減する役割をになうなどという「愚行」を挙国一致でやらせることは緊急事態条項による独裁体制抜きではできないからです。

 「戦争となれば、南西諸島や九州は当然、戦域になる」と、自衛隊トップだった河野克俊元統合幕僚長は、2021年9月2日に、南日本新聞の取材に答えて明言しています。

※「台湾有事なら沖縄・鹿児島も戦域に。これは軍事的常識」 河野前統幕長 対中抑止へ「正面切って議論を」(南日本新聞、2021年9月2日)
https://373news.com/_news/storyid/143030/

 住民の避難などの対策を立て始めると、戦争反対の声が高まるため、国民に何も知らせず、現時点でも、何の避難対策も打っていません。これでは国民はだましうちにあうようなものです! 国民のための政府ではなく、米軍の傀儡として動くだけの政府であることは明白です。

 こうした現実は、既存の大手新聞、テレビなどの御用マスメディアに頼っていては、まったく見えてきません。意図的に、国民の目を現状からそらせるような情報操作ばかり行われているからです! IWJは、国民をないがしろにして戦争準備を進める政府にこれでいいのか! と声を上げ続けてきています!

 こうしたことがIWJに可能なのは、特定のスポンサーをもたないことで、何者にも縛られず、忖度せずに真実をお伝えしてゆく、独立メディアだからです!

 特定の政党や、特定の政治団体などから、隠れ資金を受け取ったことなど、IWJは1度もありません! 市民の皆さまに直接、真実をお届けすることができるのは、市民の皆さまから直接の、会費、ご寄付・カンパによるお支えがあってこそです!

 非会員の方はまず、一般会員になっていただき、さらに一般会員の皆さまには、サポート会員になっていただけるよう、ぜひご検討いただきたいと存じます!

 その会費と、ご寄付・カンパによって支えられてはじめて、IWJは、市民の皆さまのために役立つ、真の独立市民メディアとしてその活動を継続し、その使命を果たすことが可能となります。

 マスメディアが報じない事実と真実を報道し、売国的な権力への批判を続け、主権者である日本国民が声をあげ続けることができるようにすることが、今、絶対に必要なことであり、それが我々IWJの使命であると自負しています。

 本年、2022年は、本当に日本の分水嶺の年となります!

 決して負けられないこの戦いに、私は、IWJのスタッフを率いて全力で立ち向かいたいと腹をくくっています! 皆さまにはぜひ、ご支援いただきたくIWJの存続のために、会員登録と緊急のご寄付・カンパによるご支援をどうぞよろしくお願いしたく存じます。

 下記のURLから会員登録いただけます。ぜひ、会員登録していただいてご購読・ご視聴お願いいたします。

https://iwj.co.jp/ec/entry/kiyaku.php

※ご寄付・カンパを取り扱っております金融機関名です。どうぞ、ご支援のほどよろしくお願いします。

みずほ銀行
支店名 広尾支店
店番号 057
預金種目 普通
口座番号 2043789
口座名 株式会社インデイペンデント ウエブ ジヤーナル

城南信用金庫
支店名 新橋支店
店番号 022
預金種目 普通
口座番号 472535
口座名 株式会社インディペンデント.ウェブ.ジャーナル

ゆうちょ銀行
店名 〇〇八(ゼロゼロハチ)
店番 008
預金種目 普通
口座番号 3080612
口座名 株式会社インディペンデント・ウェブ・ジャーナル カンリブ

 どうか、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!

岩上安身拝

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◆中継番組表◆

**2022.3.3 Thu.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ_YouTube Live】13:00~「日本におけるウクライナからの避難民受け入れについての政府への7つの提言と署名活動についての記者会見 ―登壇:渡部カンコロンゴ清花氏(NPO法人 WELgee代表理事)、オレクシイ・キリルチュク氏(ウクライナ出身)、温又柔氏(作家)ほか」
視聴URL: https://www.youtube.com/user/IWJMovie/featured

 「日本からウクライナを想う市民の会」主催の記者会見を中継します。これまでIWJが報じてきたウクライナ関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/ukraine
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【IWJ_YouTube Live】18:00~「岩上安身による元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビュー」
視聴URL(冒頭以降は会員限定): https://iwj.co.jp/wj/open/archives/420867

 岩上安身による元外務省国際情報局長 孫崎享氏インタビューを中継します。これまでIWJが報じてきた孫崎享氏関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/magosakiukeru

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◆中継番組表◆

**2022.3.4 Fri.**

あくまで予定ですので、変更、中止、追加などがある場合があります。また電波状況によっては、安定した中継ができない場合もございますので、ご了承ください。

【IWJ・エリアCh5・東京】18:00~「原発反対八王子行動(スタンディング)」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_areach5

 「キンパチデモ実行委員会」主催の原発反対八王子行動を中継します。これまでIWJが報じてきたキンパチデモ実行委員会関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/kinpachi-demo-executive-committee
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【IWJ・Ch5】18:30~「ウクライナを侵略するな!ロシアは即時撤退を! #総がかりユースアクション 緊急行動 @ロシア大使館前」
視聴URL: https://twitcasting.tv/iwj_ch5

 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会青年PT」主催の、総がかりユースアクション緊急行動を中継します。これまでIWJが報じてきたロシア関連の記事は以下のURLから御覧いただけます。
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/tag/russia

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◆昨日アップした記事はこちらです◆

【第542-545号】岩上安身のIWJ特報! 現役の矢野康治財務事務次官が与野党「バラマキ」批判! 「このままでは国家財政破綻」と訴えた「矢野論文」の真価とは!? 「不都合な真実直視」を言うなら、なぜ累進課税強化を言わない!? 岩上安身による宇都宮健児弁護士、エコノミスト・田代秀敏氏インタビュー 「矢野康治財務事務次官による積極財政批判論文」検証編
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501890

安倍元首相の「核シェアリングについて日本でも議論すべき」との発言について「政府としては『非核三原則』を堅持していく考えには変わりはない。認められない」と林外務大臣!!~3.1林芳正 外務大臣 定例会見
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502991

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■<IWJ検証レポート>「オバマ政権のウクライナ政治への関与は息を飲むほどだった」! 2014年のユーロ・マイダン革命は欧米が作った! 現在のウクライナ侵攻は米国にも重大な責任がある! 米国のシンクタンクCATO研究所が発表した「米国のウクライナ偽善」レポート!

 2月22日にロシアのウクライナ侵攻が始まって以来、世界の批判と非難、弾劾と制裁はロシアとプーチン大統領に集中しています。

 ロシアの侵攻や戦争を批判すると同時に、大切なことは、なぜ、ロシアがウクライナへ侵攻したのかという、その背景を知ることです。

 それがなければ、ロシア批判は感情的なものにとどまり、攻撃と反撃、制裁と対抗措置の悪循環がエスカレートするばかりです。それは問題の本質的な解決を遠ざけます。

 IWJは、プーチン大統領が、今回のウクライナ侵攻の起源に、2014年に欧米によって行われたウクライナのクーデター(ユーロ・マイダン革命)があるとする主張を検証しました。

 ロシア外務省は、米国務省の主張に反論する形で、このクーデター(ユーロ・マイダン革命)について、次のように主張しています。

 「米国務省の主張

 プーチン政権の偽りの声明は、ロシアの侵略を被害者であるウクライナのせいにしています。ロシアは2014年にウクライナに侵攻し、クリミアを占領し、ドンバスの武装勢力を支配し、現在はウクライナとの国境に10万人以上の軍隊を集結させています。その一方で、プーチン大統領は自分の要求が通らなければ『報復的な軍事技術的』措置を取ると脅しています。

 ロシア外務省の主張

 ウクライナ情勢を不安定化した責任は米国とNATOにあります。米国とNATOが2014年2月のクーデターを支援した結果、正当に選出された大統領が倒され、民族主義者が権力を握る結果となったのです。クリミアとドンバスの住民は、身の危険を感じて、ステパン・バンデラ*とロマン・シュヘーヴィチ*の信奉者たちの政府の下では生活しないという選択をしました。

 その結果、クリミアはロシアに再統合され、ドネツク・ルガンスク地方は独立を宣言し、キエフはドンバスに対して内戦を仕掛け、それが現在も続いています」

訳注*)ステパン・バンデラ(1909-1959)は、ウクライナの政治家でウクライナ民族解放運動の指導者。ポーランド政府が西ウクライナで行った同化政策とウクライナ人の弾圧に対抗してテロリズムによる抵抗を訴えた。

 1935年にポーランドの警察により逮捕され、終身刑となった。1936年から1939年にかけてワルシャワの刑務所「聖十字架」に収容されていたが、第二次世界大戦がきっかけでポーランド第二共和国が滅亡すると、ナチス・ドイツ軍によって解放された。ウクライナ民族主義者組織(OUN)の幹部に戻り、1941年4月に第2ウクライナ民族主義者組織大会においてOUNの総裁に選ばれ、独ソ戦争の直前にナチス・ドイツを支持したため、ソ連から「ファイシスト」とされた。

訳注*)ロマン・シュヘーヴィチ(1907-1950)は、ウクライナの民族主義者で軍事指導者」、ウクライナ民族主義者組織(OUN)の軍事組織、ウクライナ蜂起軍(UPA)の司令官であった。ソ連からは「ナチス協力者」「戦争犯罪者」とされている。

※米ロ情報戦の勃発! 戦争はすでに始まっている! 緊迫化するウクライナ情勢! IWJは米ロ情報戦の最前線を伝える米国務省の「事実対フィクション:ウクライナに関するロシアの情報操作」に対するロシアの反論9項目を全文仮訳!(日刊IWJガイド2022年1月26日号)
https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/50128#idx-5

 実は、ナチス・ドイツがユダヤ人絶滅に出る以前、まだユダヤ人たちを国外追放している段階がありました。そのとき、シオニストはユダヤ人の追放を歓迎し、故郷から離れるのを嫌がるユダヤ人達をパレスチナの入植地に送り込んだのです。

 ナチスとシオニストが協力関係にあったことを、2014年、岩上安身は東京大学名誉教授・板垣雄三氏にインタビューでお話しいただいています。

 現在のイスラエルは、世界中に離散(ディアスポラ)したユダヤ人が聖地エルサレムに回帰して国家を建設するという「シオニズム」の思想にもとづいて成立したものです。一般的には、ナチスによる「ホロコースト」やロシアにおける「ポグロム」といったユダヤ人に対する大虐殺が行われたため、シオニズム運動が盛り上がりを見せたと理解されています。

 しかし板垣教授は、「シオニズム運動はナチスと共犯関係にあった」と指摘しました。欧州に散在していたユダヤ人を集めてパレスチナへ送り込み、ユダヤ人国家を作ろうという思想・運動である。シオニズムがまず先に存在し、ナチスによるユダヤ人の追放を利用してパレスチナへ入植させ、さらに戦後はナチスによるホロコーストを世界中に宣伝することで、ユダヤ人によるパレスチナへの入植を正当化しようとしたのです。

板垣教授「ナチズムなしには、今のイスラエルという国はあり得ません。シオニズムの運動は、ナチスと協力関係にあったと言えます。放っておいて、ユダヤ人がパレスチナに移っていくわけではないので、シオニズムは差別や迫害の力を利用したのです」

 つまり、板垣教授は「シオニストはナチスによるユダヤ人追放を利用し、その後ナチスが収容所でユダヤ人を絶滅させようとすると、戦後にパレスチナ入植の正当化のためにホロコーストを利用した」と指摘しているのです。ぜひ御覧下さい。

※世界の「いま」は欧米中心主義の断末魔/繋がりあう尖閣・マレーシア・ガザ・ウクライナ ~岩上安身によるインタビュー 第443回 ゲスト 東京大学名誉教授・板垣雄三氏 2014.8.1
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/159297

 また、IWJは2014年にユーロ・マイダンの問題について報じていますので、下記URLから、関連コンテンツを御覧ください。

※【饗宴アフター企画第4弾!】「ヨーロッパの成立と反ユダヤ主義は同時に進む」~「国家の解体・滅びの歴史」に通じる共通点に迫る!~ 岩上安身によるインタビュー 第498回 ゲスト 東京大学名誉教授・板垣雄三氏(2014年12月22日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/215319

※イスラム国による邦人殺害予告事件、その背景に日本とイスラエルとのかつてない異常接近~岩上安身によるインタビュー 第509回 ゲスト 東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー (2015年1月24日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/227261

※【第185~188号】岩上安身のIWJ特報!『世界のいま』は欧米中心主義の断末魔 東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー 第一部(2015.年1月25日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/227890

※【第193~199号】岩上安身のIWJ特報!欧米中心主義を超えて ウクライナ、ガザ、マレーシア…世界の「つながり」を解きほぐす 東京大学名誉教授・板垣雄三氏インタビュー 第2弾(2015年3月3日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/236547

 また、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)は10くらいありますが、そのうち1つを除いて残り全部はトップがユダヤ人でした。政治的野心を持たない限り、悪どく儲けようとも自由にさせるというのがプーチンの方針でしたが、政治的な野心を見せたため、プーチン大統領はほとんどのユダヤ人オリガルヒのトップを潰してしまっことを、岩上安身は大阪大学助教・赤尾光春氏へのインタビューで、お話しいただきました。赤尾氏は、ステパン・バンデラについても詳しく解説しています。この機会にぜひ御覧ください。

※動乱のウクライナ ~岩上安身によるインタビュー 第413回 ゲスト 大阪大学助教・赤尾光春氏 第3夜(後編) 2014.3.23
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/134763

 IWJは、調査をしていく中で、ワシントンに本部のあるCATO研究所(1977年設立)という新自由主義系シンクタンクの注目すべき記事を見つけました。

 それは2017年8月6日付の「米国のウクライナ偽善」という驚くべき記事です。

 この記事には、米国のユーロ・マイダン革命への具体的な関与が詳しく記述されているのです。

 この記事は、同研究所のテッド・ガレン・カーペンター・シニア・フェローが執筆したものです。

※America’s Ukraine Hypocrisy(CATO institute、2017年8月6日)
https://www.cato.org/commentary/americas-ukraine-hypocrisy

 この記事の副題は、「オバマ政権のウクライナ政治への関与は息を飲むほどだった」というのです。

 CATO研究所は、「個人の自由を最大限に尊重するとの観点から、最低賃金の廃止、麻薬取締りの停止、女性や少数民族に対する積極的差別是正措置の否定、在外米軍基地の閉鎖と他国の戦争への不介入などを掲げる」とWikipediaは説明しています。

 思想的には個人の自由を最大限に拡張しようとするリバタニアリズムの系統に属し、政策的には、首を傾げるものも多くありますが、「在外米軍基地の閉鎖と他国の戦争への不介入」という点では、民主党・共和党に関わらず批判的な意見を表明しています。当然、米国の帝国主義的側面や軍産複合体のあり方には厳しい視線を向けています。

 まず、CATO研究所は、ユーロ・マイダン革命(「マイダン」はウクライナ語で「広場」の意味)をオバマ政権と西側メディアがどう描き出してきたか、次のように述べています。

 「オバマ政権も米メディアの多くも、ユーロ・マイダン革命を腐敗した残忍な政府に対する自然発生的な民衆の蜂起として描いている」

 具体的にワシントン・ポストの例を挙げ、「2014年2月24日のワシントン・ポストの社説は、マイダンのデモ隊とヤヌコヴィッチ打倒に成功したキャンペーンを賞賛している」と述べています。

 我々も、西側の一員なので、おおよそ、マイダン革命のイメージはこういうものではないでしょうか。

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■バイデン・ファミリーはウクライナ利権に深く関与していた! ジョー・バイデン大統領の次男ハンター・バイデン氏が、2014年のユーロ・マイダン革命直後にウクライナの天然ガス会社ブリスマの役員に就任! ハンター氏の就任とプリスマの新規のロビー活動開始時期が一致!

 ウクライナの歴史と2014年に起きた「マイダン革命」と西側メディアと米国の役割については、2016年にオリバー・ストーン監督が制作した「ウクライナ・オン・ファイアー」というドキュメンタリー映画あります。

※ウクライナ・オン・ファイアー(Youtube、2022年3月2日閲覧)
https://youtu.be/IC4nynI3uKQ

 この中で、ストーン監督は、プーチン大統領にインタビューを行っています(動画20分くらいから)。

 プーチン大統領は、ウクライナ独立の直後の様子を次のように語っています。

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■<IWJ取材報告>「提訴するのは容易ではなかった!政府や福島県は福島原発事故による健康被害はないと決めつけ、メディアによってその認識が日本社会に浸透しているからだ!」~3.2「311子ども甲状腺がん裁判」弁護団記者会見

 2022年3月2日、東京都千代田区の日本外国特派員協会で、同協会主催の「311子ども甲状腺がん裁判」弁護団による記者会見が行われました。

 「311子ども甲状腺がん裁判」は、2022年1月27日、福島第一原子力発電所の事故によって放射線被曝をし、甲状腺がんにかかったとする若者6人が、東京電力に対して計6億1600万円の賠償を求めた民事訴訟です。

原発事故の放射線被ばくによる損害について、原発作業員以外の住民が東京電力を訴える集団民事訴訟はこれが初となります。

※「311子ども甲状腺がん裁判」提訴集会~入廷行進とその後の記者会見(IWJ、2022年1月27日)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501607

会見で、弁護士の井戸謙一・311子ども甲状腺がん裁判弁護団長は「原告らが提訴するのは容易ではなかった。なぜなら日本政府や福島県は福島原発事故による住民の健康被害はないと決めつけ、メディアによってその認識が日本社会に浸透しているからだ」と述べました。

続けて「被ばくによって甲状腺がんになったと主張すれば、福島の復興を妨害する風評加害者として周りからバッシングされる」と原告らが置かれている特殊な事情について訴えました。

また、井戸弁護士は「原告らが提訴を決断した動機は賠償だけではない。彼らは福島原発事故後、同じ様に甲状腺がんに罹患した300人近い若者たちに声を上げる勇気を持ってほしい」と述べました。

井戸弁護士は話を継いで「そして法律によって福島原発事故による被害者全員に対し広島・長崎の原爆被害者と同じように、生涯にわたって医療や生活を援助する制度を作ってほしいという願いを持って決断した」と語りました。

 詳細は、以下のURLから御覧ください。

※「提訴するのは容易ではなかった!政府や福島県は福島原発事故による健康被害はないと決めつけ、メディアによってその認識が日本社会に浸透しているからだ!」~3.2「311子ども甲状腺がん裁判」弁護団記者会見(2022年月3月2日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/503012

■2月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、1月27日収録「岩上安身によるインタビュー 第1066回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏」から、「ウクライナ・クライシス」の本質に迫っていく部分を抜粋しました! テキストに詳細な注釈をつけて発行! ぜひ、まぐまぐからご登録ください!! バックナンバーの単独購入も可能です! サポート会員になればバックナンバーすべて読むことができます!

 IWJではメルマガサイト「まぐまぐ」で、「岩上安身によるインタビュー」をテキスト化し、詳細な注釈をつけて、「岩上安身のIWJ特報!」として毎月発行しています。

 2月発行の「岩上安身のIWJ特報!」は、1月27日に収録した「『この国(日本)には考える場所がない』東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ危機』が同時に迫る!~岩上安身によるインタビュー 第1066回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏」から、「ウクライナ・クライシス」の本質に迫っていく部分を抜粋してお届けします。

※「この国(日本)には考える場所がない」東の「台湾有事」危機と西の「ウクライナ危機」が同時に迫る!~岩上安身によるインタビュー 第1066回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏 2022.1.27
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501593

 岩上安身は、英国のMI6で学び、ロシア、イラク、イラン、ウズベキスタンなどに駐留した経験をお持ちの孫崎氏に、今回のウクライナ危機の背景、ロシアを挑発するようなアメリカの狙い、NATO加盟国の対応、中国とロシアの接近、バイデン大統領の息子や米政府高官とウクライナの密接な関係など、複雑に絡んだ糸をほぐすように確認していきました。

 今日に至る経緯として、ウクライナでは2014年、首都キエフにおいて「ユーロ・マイダン」という反政府デモが起こり、親露政権が倒れ、親欧米政権が成立しました。その中で、ネオナチ的な民族主義集団による暴行が放置され、ロシア系住民が虐殺された「オデッサの虐殺」も起きていますが、西側のほとんどの大手メディアはこうした一連の惨劇を伝えていません。

※【岩上安身の「ニュースのトリセツ」】オデッサの「惨劇」、緊迫続くウクライナ東部 米国はウクライナを「戦場」にするのか(IWJウィークリー48号より)(2015年5月3日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/138337

※ウクライナ極右と反ユダヤ主義 ~岩上安身によるインタビュー 第411回 ゲスト 大阪大学助教・赤尾光春氏 第1夜(前編)(2014年3月23日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/130775

※「諸悪の根源はユダヤ人!?」 氾濫する歪んだユダヤ人イメージ ~岩上安身によるインタビュー 第412回 ゲスト 大阪大学助教・赤尾光春氏 第2夜(中編)(2014年3月23日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/134351

※動乱のウクライナ ~岩上安身によるインタビュー 第413回 ゲスト 大阪大学助教・赤尾光春氏 第3夜(後編)(2014年3月23日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/134763

 そして、親欧米政権成立後はロシア語禁止など、ロシア語話者への抑圧が始まりました。孫崎氏は、ウクライナにおけるウクライナ語話者とロシア語話者の比率を州ごとに比較し、住民の9割がロシア語話者であるクリミア(2014年住民投票で「独立」)と、同じくロシア語話者が7割を占めるドネツク州、ルガンスク州をどうするかが重要なポイントだと指摘しました。

 孫崎氏は、インタビュー内でバイデン大統領の支持率が40%台まで下がっていることを指摘し、『(プーチンは)何かをしなければならなくなるはずだ』と言うけれど、何かしなければならないのは自分(バイデン)の方なんですよ」と喝破しました。バイデン政権の支持率が、インフレのために急落し不支持率の方が上回っていることを指摘しました。

 そして、北京五輪の閉幕を待っていたかのように、クレムリン(ロシア大統領府)は2月21日午後10時40分、ロシアのプーチン大統領がウクライナ東部の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認したと発表。現地ではロシア系住民とウクライナの民族主義グループの間で武力衝突が起きており、ロシアは国境に軍を派兵。そして2月24日午前6時、ついにロシアがウクライナに軍事侵攻を開始しました。

 バイデン大統領は2月23日、ロシアへの制裁を開始しましたが、その中には米国が絶対に稼働を阻止したかった天然ガスのパイプライン「ノルドストリーム2」事業者への制裁も含まれています。これを止められたらロシアがどう出るかということも、このインタビューの中で語られているので、ぜひ、ご確認ください。

 各号の大まかな内容がわかるよう、以下に目次を掲載します。ぜひ、ご一読ください。

(第546号の目次)
・ウクライナ東部には「ロシア語話者」が7割以上! 公職にも就けず迫害された彼らは地域の「自治独立」を求めている!
・第二次世界大戦でナチに侵略されたウクライナ。取り戻したのはソ連の赤軍!「ウクライナの国土はロシア人の血で獲得したもの」
・国際社会が大騒ぎで糾弾した「クリミア併合」は住民投票の結果。ロシアが軍事力で奪い取った訳ではない!
・ウクライナの民族主義者によるロシア系住民への襲撃「オデッサの虐殺」をスルーした欧米メディア!

(第547号の目次)
・自衛隊と米軍の一体化が急速に進む中、安倍総理はウクライナに大盤振る舞い、プーチン大統領には「ウラジーミル」と媚びる奇天烈外交を展開!
・2022年1月、世界は「第三次世界大戦に接近」!? ウクライナ危機を煽るバイデン政権は米国本土が戦場にならなければOK!?
・ソ連崩壊以降、NATOにとってロシアは敵ではなかった。しかし、「ロシアを敵にしたい人たち」がいて、彼らは旧ソ連圏に入り込む!
・米国発の「ロシアが攻めてくる!」に踊る世界。冷静なドイツは罵られ、ウクライナ通貨は暴落という「風評被害」も!

(第548号の目次)
・西のウクライナ危機、東の台湾有事。米国が「危機」を煽るほど接近していくロシアと中国!
・中露が「打算的な結婚」をしたら手に負えない! 米政府に「火遊び」はするなと遠回しに警告する米国家情報長官
・ウクライナ危機と台湾有事は同じ構図! 米国が仕掛ける「オフショア・バランシング」戦略ではないのか?
・米ロのプロパガンダ合戦!? アメリカの得意技「偽旗作戦」をロシアはやろうとしている!?

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 また、孫崎氏に行ったインタビューの続編は、以下のURLから御覧いただけます。

※「米国の方が現状変更」!「東の『台湾有事』危機と西の『ウクライナ有事』危機が同時に迫る!(続編)」~岩上安身によるインタビュー 第1067回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏(2022年1月31日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/501693

※ウクライナ東部独立は悪? 東の「台湾有事」危機と西の「ウクライナ有事」危機が同時に迫る!(第3回)~岩上安身によるインタビュー 第1068回 ゲスト 元外務省国際情報局長 孫崎享氏(2022年2月18日、IWJ)
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/502334

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 それでは、本日も1日、よろしくお願いします。

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IWJ編集部(岩上安身、六反田千恵、尾内達也、浜本信貴、渡会裕、富樫航)

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