2023年8月14日午後4時30分より、東京都内某所にて、ジャニーズ性加害問題当事者の会(以後、当事者の会)による「(故ジャニー喜多川氏による性加害問題に関する)再発防止特別チームの調査協力(ヒアリング)後の報告会見」が行われた。
再発防止特別チームは、東京高等検察庁検事長、検事総長等を歴任し、令和4年に検事を退官し、現在、弁護士の林眞琴氏、精神科医の飛鳥井望氏、臨床心理士で心理学博士の齋藤梓氏の3名の専門家で構成され、ジャニーズ事務所から独立した第三者機関として、故ジャニー喜多川氏による性加害問題の調査にあたっている。
- 「外部専門家による再発防止特別チーム」についてのお知らせ(ジャニーズ事務所、2023年7月1日)
- 「外部専門家による再発防止特別チーム」専用窓口開設と今後の予定についてのお知らせ(ジャニーズ事務所、2023年7月18日)
この日の会見には、会見に先立って再発防止チームによるヒアリングを受けた、当事者の会の平本淳也代表、石丸志門副代表、両氏のヒアリング現場に立ち会った杉山和也弁護士、そして、新たに当事者の会のメンバーとなった元ジャニーズジュニアの大島幸広氏の4名が登壇した。
平本氏は、ヒアリングを受けた感想を次のように述べた。
平本氏「結果的には、率直に言うと、とても有意義で、ことのほか、表現はおかしいかもしれませんけれども、ちょっと楽しかった、という…。
どういうことかと言ったら、行く前は、昨日の夜から、今日が怖くて、怖くて、何か、彼らの『特別チーム』の、すごい偉い方々が会見した時の顔が、すごい怖かったので、その映像が頭に残っていたので、行ったら何か怒られるんじゃないか、くらいの怖さがあった。
ところが、すごく優しく丁寧にお迎えしてくださって、丁寧にお話も聞いてくださったり、また、再発防止チームのあり方も含めて、本当にそこを丁寧にご説明していただきました。
内容的には、ジャニーズ時代のお話、その前後にどのように入ったか、どのような活動をしたか、そして、問題要点として、その性被害において、どのようなことが起こったのか。また、それに対する影響、そして、後に残る、今に至る、それも影響ですよね、そういったことをお話ししつつ、また、再発防止に対する意見の交換でありますので、僕の意見も言わさせていただきました。
特別チームの方々も、それをすごく真面目にとらえて、しっかり聞いてくださいましたし、そこを本当に、すごく有意義な意見の交換ができたと自分では思っております。
強調されていたのは、やはりジャニーズ事務所とはまったく別の組織、別の形でやっております。
というのは、僕、ジュリー(代表取締役社長:藤島ジュリー景子)さんだったりに、ことづて的なものを、ちょっとお願いしようかなと思っていたんですが、それはできませんと。まったく別のことなので、それはお断りされてしまいましたが、それだけね、しっかりと『外部』の組織だっていうことを強調され、またそのような働きをしているんだということは、よく認識し、わかった次第です」。
続いて、平本氏の発言を補足するかたちで、石丸副代表も、次のように語った。
石丸氏「一言つけ加えさせていただくならば、非常に『再発防止』という観点には、前向きにとらえられるところはありましたが、(中略)ジャニーズ事務所との直接のやりとりをお願いするというところまでは、お話が至りませんでした。
そういった意味では、『救済』というところの部分については、話が進展しなかったのかな、というふうに考えております」。
再発防止特別チームは、このたびのヒアリングにもとづき、8月末には「提言」を行う見込みとなっている。
また、会見半ば、石丸氏は、会見を視聴している人々に向けて、次のように呼びかけた。
石丸氏「日頃より当会、ならびに、当会のメンバーの活動を、たくさんの方が応援してくださっております。この方々に深くお礼を申し上げます。ありがとうございます。温かいご支援、本当にたくさん頂戴しております。まことにありがとうございます。
励ましのお便りやメッセージを頂戴することも多々ございます。メンバー全員にとって、勇気と希望をもたらす大きな原動力となっております。励みにもなっております。改めまして、深く感謝申し上げます。ありがとうございます。
そして、非常に多くの支援金も頂いております。これは会の健全なる活動に使わせていただいております。このことに関しましても、皆様方のお力添え、深く感謝申し上げます。ありがとうございます。
しかし、その一方で、心無い誹謗中傷、これが少なからずございます。
私たちをどのように思ったり、私たちの会をどのように思ったりするかは、個人の自由だと思います。しかし、会や会のメンバー、そこに対しての悪意のある書き込み、これは、言い方は厳しいですが、非礼、卑劣な嫌がらせ行為であることが多々あります。
会員への罵詈雑言、メンバーへの誹謗中傷などに対して、そういう書き込みをされている方は、今すぐやめていただきたいと思っております。(中略)
匿名だからといって許されることでもありません。もちろん書いて逃げるということもできません。今後、当会メンバーに誹謗中傷があった際は、特定をさせていただき、責任を追及する、ということをせざるを得ません。名誉棄損や侮辱罪を構成する可能性が高く、民事責任も認められています。
当会、ならびにメンバーへの罵詈雑言・誹謗中傷の一切はもちろんですが、心ない行動一つで、傷つき、苦しむ人が、我々以外にもいるということを、忘れないでください。
これは当会に限らないお話です。人の心を蝕む卑劣な人権侵害犯罪行為、これは犯罪行為ともなります。
誰にも許されることではありません。誹謗中傷をされている覚えのある皆様方に、謹んで、今すぐこれをおやめくださいますよう、深くお願い申し上げます。どうかよろしくお願いいたします」。
会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。