2023年4月17日、正午より、東京都千代田区の衆議院第一議員会館にて、「4.17院内集会 今こそ、生活保護をあたりまえの権利に!~『いのちのとりで裁判』の成果と課題~」が開催された。
冒頭、「いのちのとりで裁判全国アクション」運営委員の竹下義樹弁護士が以下のように冒頭あいさつをした。
竹下氏「全国で生活保護の不当な基準引き下げと闘っている皆さん、こんにちは。私たちは、この2月から3月にかけて地裁判決が連続することから、4月に東京に集まって我々の早期解決を目指す集会をやろうと思って準備しました。(中略)
私たちの闘いは、一人、一人。原告の一人、一人の命を、一人一人の人間としての尊厳を守る闘いをやってきました。そして、その闘いは、憲法25条に基づく『生存権』の実質化を求める全国の声であります。
そういう意味では、今日の集会は、大阪高裁の敗訴判決に我々が何らくじけることなく、さらに新しい闘いを続けて、次の高裁では勝訴判決を勝ち取るという決意になる。そういう集会を、これから進めていきたいと思っています。ぜひ、皆さんの強い熱意が一つになることを期待し、挨拶とします」
続けて、「いのちのとりで裁判全国アクション」事務局長の小久保哲郎弁護士が「裁判の現状、到達点と課題」として、基調報告を行った。
小久保氏「この間、相次いで生活保護基準が引き下げられました。2013年のこの史上最大の生活保護基準の引き下げ(最大10%、平均6%)に対して、全国29都道府県で1000人を超える原告が30の裁判を闘っている。これが私たちの『いのちのとりで裁判』です。(中略)
本件引き下げの際立った特徴は、670億円の削減額の全てが専門家による検討を全く経ないで導き出されたということです」
小久保氏は、これまで全国各地で闘われた裁判の判決を紹介しつつ、そこでの問題点・課題などについて解説を行った。詳細については全編動画をご確認いただきたい。
集会には、大阪、熊本、東京、横浜、埼玉など全国各地で裁判を闘う原告の方々も参加し、これからに向けた決意・抱負を表明した。また、「いのちのとりで裁判」の闘いに賛同し、応援する国会議員、そして、「いのちのとりで裁判全国アクション」共同代表として、「つくろい東京ファンド」代表理事の稲葉剛氏や作家の雨宮処凛氏らも発言をおこなった。
最後に、「いのちのとりで裁判全国アクション」共同代表の尾藤廣喜弁護士から「行動提起」があり、裁判の現状、全国アクションの本来の目的・要求、そして、その目的・要求を実現するためのアクションプランが提起された。
尾藤氏は「行動提起」を、朝日訴訟(※)を闘った朝日茂さんと朝日健二さんのことば「権利は闘うものの手にある」を引用し、次のように締めくくった。
※朝日訴訟(あさひそしょう)とは、1957年(昭和32年)に、国立岡山療養所に入所していた朝日茂(あさひ しげる、1913年7月18日 – 1964年2月14日:以下「原告」)が厚生大臣を相手取り、日本国憲法第25条に規定する「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」(生存権)と生活保護法の内容について争った行政訴訟である。原告の姓からこう呼ばれる。(Wikipediaより)
尾藤氏「朝日さんは本当にすばらしい人で、一人で1000歩も1万歩も歩かれました。しかし、私たちは今、一人の朝日さんじゃないんです。1000人の原告がいるんです。審査請求には、1万人以上の原告が立ち上がったんです。ですから、『一人の1000歩よりも1000人の一歩を、そして1000人の二歩を』という気持ちで、『権利は闘うものの手にある』という言葉を大事にして、最後まで戦いましょう」。
詳細はぜひ全編動画をご視聴ください。