安倍晋三元総理銃撃事件からまもなく2ヶ月半あまり。事件を受け、山上容疑者をモデルにした衝撃の映画が世に放たれた。
手掛けたのは、時代は違えども、『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『キャタピラー』などで知られる故・若松孝二氏が率いる「若松プロダクション」に所属した経歴を持つ2人の監督、井上淳一氏(57)と、足立正生氏(83)。
脚本を担当した井上淳一氏は、若松プロで脚本や監督を務めてきたが、近年ではドキュメンタリー映画『誰がために憲法はある』(2019年)が記憶に新しい。
足立正生氏は、若松プロで数々のピンク映画を手掛けてきたが、1970年代には、元パレスチナ解放人民戦線に参加。その後は日本赤軍に合流し、レバノンで逮捕、3年実刑判決を受けるなど、「革命家」としても有名だ。
安倍元総理の暗殺事件後、すぐに井上氏が足立氏に連絡。「なぜ、山上容疑者が事件を起こすに至ったか」を映画で表したいと伝え、共同企画で映画化することになったという。撮影は、8月21日にクランクイン、8日間という猛スピードで行なわれた。
今回の上映作品は、「国葬の日に合わせて上映したい」と、「ラッシュ映像」といわれる特別版(約50分)で緊急上映されている。年末には完成版が公開予定だという。
作品情報と上映情報は、以下で確認できる。
- 日本が誇る稀代のシュールレアリスト・足立正生監督の最新作『REVOLUTION+1』、描くは安倍晋三元首相暗殺犯の山上徹也容疑者! 劇場公開に先駆け、ロフト系列ライブハウス他、全国ミニシアターでイベント上映決定!(Rooftop、2022年9月15日)
9月26日(月)のロフトプラスワン(新宿)を皮切りに、翌日の27日(火)国葬当日には渋谷ロフト9で上映。その後は全国のミニシアターで上映が決定しているが、すでにネット上では問題作だとして、上映中止に追い込まれるなどの事態にも及んでいる。
なぜ、この国葬の直前に映画化を急いだのか。賛否両論の反応が起きているなか、IWJ記者は26日、製作陣とゲストによる新宿のロフトプラスワンでのトークイベントを取材した。
チケットの発売後、即完売だったという会場には、150名もの来場者が駆け付けた。
上映後のトークライブでは、井上氏、足立氏のほか、東京都立大学教授の社会学者・宮台真司氏、ミュージシャンのダースレイダー氏らが登壇。冒頭、宮台氏がこの作品ができ上がった背景について、考察を語った。