高市早苗自民党政調会長の「『憲法の私権規定条項に制限を加えたい』旨の発言をどう考えるか?」とのIWJ記者の質問に「憲法についての理解が乏しいと言わざるを得ない」と枝野代表~10.7立憲民主党 枝野幸男代表定例会見 2021.10.7

記事公開日:2021.10.7取材地: テキスト動画
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(取材、文・浜本信貴)

 2021年10月7日(木)、午後3時より、東京都千代田区の衆議院本館にて、立憲民主党 枝野幸男代表の定例会見が開催された。

 冒頭、枝野代表より、「#政権取ってこれをやる」の第6弾となる「自民党では実現しなかった『若者の未来を創る政策プラン』」についての説明があった。

 枝野代表によると「若い世代のみなさんが直接的に関連する政策を束ねた」ものであり、主なものとして以下の7項目が掲げられている。

1.国公立大学の授業料を半額にまで引き下げ

2.私立大学生や専門学校生に対する給付型奨学金を大幅拡充

3.ひとり暮らしの学生への家賃補助制度を創設

4.ポスドクや大学院生の処遇を改善

5.ヤングケアラーの早期発見と支援体制の構築

6.同一価値労働同一賃金の法制化

7.派遣法の見直しなどで、原則として、希望すれば正規雇用で働ける社会を実現

 続いて、日本年金機構の年金振り込み通知書97万通が誤記載され、誤送付された問題について言及があった。

 枝野代表は「間違った宛名で、間違ったところに送付されたという件が明らかになりました。年金に対する信頼は、消えた年金の問題によって大きく傷つけられました」と述べ、以下のように批判した。

 「安倍総理は、『1人残らず解決する』と仰っていたその話もうやむやであります。さらに、年金に対する信頼、あるいは年金に関する様々な通知等に対する信頼が覆される事態となりました。政府として、岸田総理自ら、強い危機感を持って、この問題にあたっていただかなければならないというふうに思っています」。

 枝野代表の冒頭発言を受け、各社記者と枝野代表との質疑応答となった。IWJ記者は2つの質問を行った。

 1つ目の質疑は以下のとおり。

 「米プリンストン大の真鍋淑郎(まなべしゅくろう)氏がノーベル物理学賞を受賞しました。多くのメディアが日本人の受賞と報じていますが、真鍋さんは、米国籍です。本来は、日本生まれの米国人と報じるべきです。この国籍離脱の自由等について質問いたします。

 現在、自由民主党の政調会長である高市早苗氏は、9月26日ネットでの総裁選討論会で『居住移転の自由、職業選択の自由、外国への移住、国籍離脱の自由』を定めた憲法22条にも制限を加えたいと発言しています。これは、真鍋さんのような方に『国籍の離脱を許さない』と言っているようなものです。

 憲法22条と、財産権を定めた憲法29条は、経済的自由権を保障する重要な条項です。その経済的自由権を制限するに等しいこの高市氏の発言について、大手メディアは大きくとりあげず、ほとんど見過ごされています。

 また、高市氏は22条だけでなく、『人権保障の基本原則』を定めた憲法12条、『表現の自由の根拠条文』である21条の改憲にも言及しています。

 人権、表現の自由、経済的自由といった私権を尊重する憲法の各条項に制限を加えたいと発言していることは大変、大きな問題であると思われます。

 これら3つの条項の安易な改憲の発言について、枝野代表および、野党共闘はどうお考えでしょうか。

 また、このような改憲発言を公言している高市氏を政調会長に起用した岸田総理総裁の判断をどうお考えになるかお聞かせください」

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■全編動画

  • 日時 2021年10月7日(木)15:00~
  • 場所 衆議院本館(2F)第4控室(東京都千代田区)
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