2021年10月1日、東京・千代田区の衆議院第二議員会館で、立憲民主党の枝野幸男・代表が定例の記者会見を行った。
枝野代表は会見冒頭、「政権取ってこれをやる」のバージョン7として、「気候危機に歯止めをかける、自然エネルギー立国の実現」を発表した。
その内容は、「原発に依存しないカーボンニュートラル」、「エネルギー活用効率の最大化」、「多種多様な第1次産業を支える経営安定策の充実」の3項目である。
会見でIWJ記者が「自民党岸田新総裁の『新しい資本主義』について、NYタイムズが『野党が最初に打ち出した政策を採用する自民党のおなじみのテンプレート』と評している」ことを指摘して、「そもそもパクられていると思うか」と、質した。
これに対して、枝野代表は「全然パクれていない」、「言葉遣いをちょっと似たような言葉を使ってるだけ」だと反論した。
以下、IWJ記者と枝野代表の質疑応答を全文紹介する。
IWJ「自民党岸田新総裁の『新しい資本主義』について、NYタイムズが『野党が最初に打ち出した政策を採用する自民党のおなじみのテンプレート』と評しています。
NYタイムスは岸田新総裁について好意的に評していないことは言うまでもありません。
平たくいうと『野党の政策を自民党がパクる』、というのは海外から見てもおなじみの光景だ、ということですけれども、これをお聞きになってどこが真似られている言葉だと思われますか。
そもそもパクられているとそのように思われますでしょうか?
おそらくは、コロナ対策と弱者への再分配政策のところを特に指していると思われますけれども、また、似たような政策をやるといっていても、実際には自民党ではやらない抜け道をつくる、などでごまかすが、我々はきちんとやる、という自負がございますでしょうか。
その違いを具体的にお聞かせください。
ちょっとさっきの質問とかぶりますが、副総裁に麻生現副総裁を再任させるという報道も入ってきておりますけれども、これでは、前安倍・菅政権と全く変わりがありません。
野党が勝って政権交代したら、岸田政権と何がどう違うようになるのか具体的にお示しいただけたらと思います」
枝野代表「すみません、後者についてはまさに何がどう違うのかを毎回こうやって順次発表させていただいているので、それはこの間発表してきた通り、全然違うじゃないですか、としか言いようがないし、今日申し上げただけでも全然違うじゃないですかと言うことですよね。
で、どの切り口で違うのかといったらジェンダーの観点から違うことについて説明を求めている方もいるし、原子力に注目をする方もいるし、経済運営について注目の方もいるので、従来申し上げてきていること、それぞれ全部違いますね、ということです。
前段についてはですね、全然パクれてないでしょう。言葉遣いをちょっと似たような言葉を使っているだけです。
一番根本はアベノミクスを否定できない、ということで、経済運営は何も変わりません。やはり、これは間違いだった、少なくとも効果を呼ばなかった、という前提に立って、初めて何を変えるのかということははっきりするので。
アベノミクスを前提にしながらですね、何をやっても基本は変わらないということです。
もう一言だけ申し上げると、私たちは『分配なくして成長なし』です。『成長の果実を分配する』ではありません。
あくまでも分配がないから成長していない、ということを明確に認められるのかどうか。
さらに申し上げれば、富裕層や超大企業に対する増税を明確にお示しになれるのかどうか。
このあたりが、これから(岸田新総裁が)所信表明でどう(説明されるのか)。おそらくあいまいにおっしゃると。そのあいまいさというものを明確にさせていきたいと思っています」