7月31日に投開票を迎える東京都知事選で、有利な戦いを展開しているとされる小池百合子氏。しかし、その小池氏に重大な「政治とカネ」にまつわる疑惑が次々と浮上している。
政治資金収支報告書によれば、小池氏が代表を務める「自民党東京都第10選挙区支部」は、2009年から2014年までの5年間に、「M-SMILE」という会社に、「調査費」名目で計335万7000円を支出している。この「M-SMILE」という会社の実態は不明で、2012年から「モノヅクリ」という名称に変更されたのだという。
この「M-SMILE」と「モノヅクリ」の社長を務めていた森口つかさ氏は、実は小池氏の元秘書で、明日、7月31日に投開票が行われる都議補選に出馬しているのである。
森口氏が小池事務所に入所したのは、2008年9月のこと。本来であれば、議員のために世論調査を行うのは秘書としての業務の一環であり、その対価は給与として支払い済みのはずである。つまり、「M-SMILE」に「調査費」名目で支払われた計335万7000円は、「裏金」に回った可能性が極めて高いのだ。
7月25日、岩上安身は市民団体「政治資金オンブズマン」共同代表で神戸学院大学教授の上脇博之氏に直撃インタビューを敢行。小池氏の抱えるイデオロギーや「政治とカネ」に関する一連の疑惑に関して話しを聞いた。
本記事では、インタビューの後編として、小池氏の「政治とカネ」疑惑を扱った部分を掲載する。
政治資金パーティーの「不記載」疑惑が浮上!
▲岩上安身と上脇博之氏
岩上「では、ここから小池氏の政治とカネの問題に移りたいと思います」
上脇「小池氏は、2012年3月12日と6月25日に政治資金パーティー『Y’sフォーラム』を開催しています。しかし、2012年の政治資金収支報告書の収入欄に、2つのパーティーの記載がないのです。
支出欄に、965,356円が『会議費』として、パーティの会場代にほぼ合致する金額が記載されています。パーティーとなるとパーティー券を売っているはずで、2つのパーティーの収入分が裏金になった可能性があるのです
小池氏の場合は不記載、または虚偽記載に問われかねない。小池氏は、書いていないことを認めた。舛添さんだったらツッコミどころ満載。収入分については言い訳をし、数字の辻褄合わせをしている。小池氏側は、過失だと言いたいんです。
訂正自体が虚偽記載の可能性もあり、説明責任を果たすべきです。おカネについては、舛添さんよりひどいと言えるでしょう」
上脇「小池氏代表の自民党東京都第10選挙区支部が、支援者が所有するビルの一室を、相場価格の半額程度で賃貸していることも明らかになりました。
家賃相場との差額は寄附として政治資金収支報告書に記載する必要がありますが、支部の収支報告書には記載はありません。事務所家賃として5年間、月約16万円です。相場では家賃45万円前後で、その差額は約1700万円にもなります」
「調査費」の支出先は幽霊会社!? 「M-SMILE」の実態とは
岩上「さらに小池氏の自民党東京都第10選挙区支部が、2009~14年までに、調査費として335万7000円を、会社『M-SMILE』支出していた。しかし、そのM-SMILEは実在していないといいます」