【10/27までフルオープン!】高市総務相に計925万円の闇金疑惑!? 「米国連邦議会立法調査官」の給料は松下政経塾から出ていた!~岩上安身によるインタビュー 第653回 ゲスト 上脇博之氏 2016.5.18

記事公開日:2016.6.1取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・関根)


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 「100万円単位で収支報告書が合わないのは、大変なこと。普通だったら大騒ぎになり、収支を合わせるはずだ。単純なミスとは言い難い」──神戸学院大学法学部教授の上脇博之(かみわき・ひろし)氏は、芋づる式に発覚する自民党議員たちの収支報告書の不記載には「何かカラクリがある」と指摘した。

 自民党議員の不正を告発し続ける上脇氏に、高市早苗総務大臣の計925万円の闇金(やみがね)疑惑について、2016年5月18日、岩上安身が聞いた。さらに、「米国連邦議会立法調査官」という高市氏の経歴についての疑問や、奈良県第3選挙区選出の奥野信亮(しんすけ)自民党衆議院議員の政治資金疑惑にも迫った。

 夏の参議院選挙が刻一刻と迫る中、その選挙を管轄する総務省を仕切る高市総務大臣自身に、政治資金規正法違反の疑惑が生じている。

 自民党奈良県支部連は2012年、高市氏が代表を務める第2選挙区支部宛に交付金440万円を、翌2013年には435万円を支出している。また、奈良県薬剤師連盟と奈良県選挙区第1支部は5万円ずつ、計10万円を支出。だが、第2選挙区支部の収支報告書には、それらの記載は一切ない。

 さらに、奈良県トラック運送事業政治連盟が、高市氏の政治団体「新時代政策研究会」にパーティー券購入代金40万円を支出しているが、それも同会の収支報告書には記載がない。これらの875万円+50万円=925万円が闇金になっているのではないかとして、上脇氏が共同代表を務める「政治資金オンブズマン」と「落選運動を支援する会」が、5月10日、奈良地検に刑事告発を行った。

 インタビューが行われた後の5月25日、奈良地検は告発のあった不記載金のうち、自民党奈良県支部連からの寄付金875万円について、告発を受理した。

 刑事告発について、高市大臣は5月31日の定例記者会見で、IWJの質問に答え、「単純なミス」「『自民党奈良県連』には、振り込みをしたときには、その旨を書面で通知してほしい、とお話しました」と述べるにとどまり、自身の責任について明言を避けた。

 18日のインタビューで上脇氏は、「高市氏はテレビ局への電波停止を言う前に、自身が大臣や議員として、ふさわしいのだろうか。政治資金についての言い訳が矛盾するような人は、一度けじめをつけていただきたい」と苦言を呈した。

 告発が受理された後の高市大臣の弁明を聞いても、言い訳は「矛盾」を深めるばかりだ。

 さらに上脇氏は、計327万5400円が闇金になっていると言われる、奈良県第3区選出の奥野衆議院議員の不正、東京オリンピックの裏金疑惑(この部分はIWJ会員限定)についても忌憚のない意見を述べた。

<会員向け動画 特別公開中>

■本編

■会員特典映像

  • 日時 2016年5月18日(水) 14:00~
  • 場所 神戸学院大学(兵庫県神戸市)

選挙とメディアが管轄の高市早苗総務大臣に計925万円の疑惑。自民党の奥野議員、江島議員、岸議員にも同様の手口が芋づる式に発覚! 確信犯の闇金作りか!?

▲神戸学院大学・上脇博之教授

▲神戸学院大学・上脇博之教授

岩上安身(以下、岩上)「これより、神戸学院大学法学部教授の上脇博之氏に、高市早苗総務大臣の計925万円の闇金疑惑を告発したことについて、お話をうかがいます。よろしくお願いします。

 マスメディアは、舛添東京都知事の政治資金問題を、連日、蜂の巣を突いたように報じています。また、金銭授受疑惑の甘利明議員は、睡眠障害で今も国会を欠席中ですが、衆参同日選に備えて支持者への根回しを行っているとも伝え聞きます。

 5月10日、上脇氏が共同代表を務める政治資金オンブズマンと、落選運動を支援する会は、奈良地検に高市総務大臣を刑事告発しました。しかし、それがほとんど報道されていません。パナマ文書や東京五輪の招致疑惑も同様です。メディアの異常は際立っています」

上脇博之氏(以下、上脇・敬称略)「メディアは他社が消極的な問題にも、もっと取り組むべきです」

岩上「つまり、メディアが報じるところに真実があるのではなく、報じないところに大きな真実がある。それをネットメディアがフォローし、IWJをはじめ、弁護士などが注意喚起を促しています。2ヵ月後には参議院選挙ですが、高市総務相の管轄は選挙とメディアです。日本は本当に危機的なところにきています」

上脇「高市氏が代表の、自民党奈良県第2選挙区支部の政治資金収支報告書には、同奈良県連の寄付金の記載がない。また、奥野信亮(しんすけ)自民党議員にも、同様の事案が見つかりました。私たちは、奥野議員も政治資金規制法違反容疑で告発した。山口県でも、江島潔衆院議員と岸信夫衆院議員に同じものが見つかった。同様の『単純ミス』が複数見つかるのは、自民党議員たちに共通した金銭感覚があるということです」

岩上「悪く言えば手口が似ているのですね。代々受け継がれてきたやり方で、罪の意識が薄いのかもしれない。『政治資金オンブズマン』は5月10日、高市氏を奈良地検に告発しましたね。同議員は当選7回。神戸大学経営学部卒で松下政経塾出身です。米国連邦議会のCongressional fellowという経歴に関しては、IWJは高市氏に取材しました。それは、あとで触れます。

 高市氏は、近畿大学経済学部教授や自民党広報部本部長、通産省副大臣、内閣特命担当大臣(小泉・福田・麻生内閣)、情報調査局長、政調会長など、大変な要職を歴任しています。総務相として選挙やメディアに大きな影響力を持つ高市氏の、政治資金報告書に計875万円(+50万円。後述)の不記載があったのですね」

上脇「自民党の奈良県支部連は、2012年、高市氏が代表の、第2選挙区支部に交付金440万円を支出した。これは合法です。しかし、第2選挙区支部の収支報告書には記載がない。2013年の435万円もない。つまり、払った記録はあるが、受け取っていないことになり、何に支出したかが不明です。表に出せない使い方で、闇金とは書けないので、入金自体を記載しなかったのではないでしょうか」

会計責任者・木下氏のつじつまの合わない釈明! 「記載の必要がないと思い込んでいた」「総務省の収支報告書作成ソフトが使いにくいから」

▲高市早苗総務相(高市早苗議員HPより)

▲高市早苗総務相(高市早苗議員HPより)

岩上「舛添都知事の問題を見ると、政治家は、公私混同で乱費してしまうことがあるとわかります。高市氏には、さらに50万円の不記載もあったといいます」

上脇「奈良県薬剤師連盟と奈良県選挙区第1支部が、第2支部に5万円ずつ。また、奈良県トラック運送事業政治連盟が、高市氏の政治団体『新時代政策研究会』にパーティー券の代金40万円を支出したが、同会の収支報告書には記載がありません。875万円+50万円=925万円が闇金になっています」

岩上「自民党奈良県第2選挙区支部と新時代政策研究会の会計責任者、木下氏に取材をしたところ、『事務担当者が、交付金は記載の必要がないと思っていた』『繰越金が合わないことは各年5月末時点でわかっていた。告発されて、その理由が初めてわかった』『総務省の収支報告書のソフトが使いにくい』と答えました。自民党県連のお金は餅代みたいなもので、黙って使えると思い込んでいたのでしょうか」

上脇氏「そうかもしれないが、違法です。思い込んでいたと言うが、記載してある年度もあるので不可解です。今まで『記載するお金』と『記載しなくていいお金』を使い分けていたのではないかと憶測します。

 高市氏は口座を2つ持っているらしいのです。それらを使い分けているのではないでしょうか。支払い側が間違えて、記載しない方の(裏)口座に支払ってしまった可能性も考えられますね。

 収支報告書が合わないのは大変なこと。普通だったら大騒ぎになり、高市氏に相談して収支を合わせるはずです。単純なミスとは言い難い。会計責任者は会計帳簿をつけています。担当者が記載する必要がないと思い込んでいたのなら、『ソフトが使いにくいのでミスした』という言い訳は矛盾します」

岩上「これだけで、高市総務相の法的責任は果たせたのでしょうか」

<ここから特別公開中>

「故意ではない。反省している。高市総務相も監督責任を反省している」と木下氏。しかし、高市氏自身のチェックミスは明らか。責任を負わなければいけない

岩上「木下氏は『10万円の寄付は、その他の寄付31万円の中に計上している。政治資金規制法第12条1項では、年間5万円以上の寄付は、寄付者の名前を記載しなければならないとあり、それ以下の金額は総額のみの記載でよく、合法だ』と答えていますが」

上脇「しかし、他の5万円の個人寄付は書いています。したがって、これらの5万円は隠している、として告発したのです。さらに、5万円の個人寄付の一部を書かなかったり、それ以上の寄付を記載していない可能性なども考えてしまいます」

岩上「私はIWJを立ち上げて、寄付について初めて知りましたが、税理士から『正確に収入と支出を記載すること。社長は現金をもらってはいけない』と言われました。税務署は1000円でも突っ込んでくる。(政治家が)こんなルーズでいいのでしょうか?」

上脇「政治資金は非課税。適正な処理をしないと信頼に関わります。会計責任者の弁明には矛盾がありますね」

岩上「そして、トラック運送事業政治連盟が購入したパーティー券40万円。IWJの取材に木下氏は、『パーティー券は第2支部と新時代政策研究会の共同開催パーティーのもので、第2支部の収支報告書に記載した。これまでのお付き合いで、先方が当然、第2支部を支払先に記載してくれると思っていたが、ちょっとした行き違いで(支出先を)政策研究会にされてしまった』と回答しました」

上脇氏「パーティーの共同開催はあり得ますが、政党と政治団体(新時代政策研究会)は違い、収支は別々にしなければ疑われます。共同開催ならパーティー券にその記載があるはずです。にもかかわらず、トラック政治連盟側は片方だけを支出先に書いた。共同開催であるという説明なしで券を売ったのでしょうか。

 しかし、政治資金パーティーならば、その旨を事前に断らなければ、政治資金規正法違反です。個人のパーティーならいいが、党には払いたくない人もいる。今回、支払った側は、共同開催との理解はなく、政策研究会を支払先として記載したのではないか。パーティーなら事前案内があり、振込先も明記している。間違えるはずがない。ゆえに、今までも同じことをやっていたのだろうと憶測します」

岩上「会計責任者の木下氏は、『故意ではない。自分もミスは反省している。高市総務相も監督責任を反省している。告発されるまで、こういうミスには気づかなかった』と言います」

上脇「この説明だと、高市氏も目を通して監督ミスは認めているのに、『高市総務相のミス』とは言っていません。高市大臣本人の責任にならないよう、弁明しています。ふつう、『収支報告書に目を通す』と言えば、会計帳簿のチェックも含まれます。だとしたら、高市氏自身のチェックミスは明らかで、責任を負わなければいけません」

憲法、放送、表現の自由をわかっていない高市氏。総務大臣にもっともふさわしくない人が、総務大臣になってしまった悲劇

岩上「高市総務相は電波停止に言及(2016年2月8日衆院予算員会)、大きな波紋を起こしています。『テロへの参加を繰り返し放送した場合、放送停止にする』と。しかし、こんな番組はあり得ません。脅し以外、考えられない。総務大臣のこの見識には猛省を促したい」

上脇「驚くべきことですが、アメリカで働いていたにもかかわらず、放送、表現の自由がわかっていない。総務大臣にもっともふさわしくない人が、総務大臣になってしまいました。

 放送法4条は議論の的になったが、私からすると、高市総務相は第1条の目的条項をまったく理解していません。なんのために、この法律があるのか。

 第1条に『放送による表現の自由を確保する』とある。放送、表現の自由は、国家権力が介入してはいけないと憲法で保障している。だから、政治的介入のないように、というのが放送法なのです。『政治的公平性の確保』を政治家が判断してはいけない。判断したら、憲法も放送法も意味がなくなります」

岩上「籾井NHK会長が、『政府が右と言ったら、右ではない放送をするわけにはいかない』と発言している。放送法違反の最たるものですね。籾井会長も、誰かが告発しなければ。どんどん人事に手を出して、独裁化している。止めなければいけません。NHK会長も国会で選ばれる。総務大臣もふさわしくない。ならば、国会を変えるしかありません」

上脇「こういう人がNHK会長になるのは、安倍政権を反映しています。私たちは、籾井会長が辞めるまで受信料を払わない、という団体を弁護士と作っています。やはり、選挙で政治を変えないとダメですね。安保関連法の賛成議員に特化して、私たちは落選運動を支援する会としても活動しています。自由で民主主義的な社会にするためには、選挙は重要です」

「日本人初の米国連邦議会立法調査官として金融・ビジネス立法を担当」と謳った1993年初立候補時の高市氏の選挙公報。しかし、その給料は松下政経塾から出ていた!

岩上「高市総務相には経歴の印象操作の疑いもあります。米国連邦議会のCongressional fellowだったそうですが、それを昔、『立法調査官』と訳していました。IWJ記者の取材に答えるため、高市氏は記者の電話に自ら直接電話をかけてきました。電話で高市氏は、『1988年当時、米国下院議員だったパトリシア・シュローダー氏の、議員立法やスピーチのための調査をしていた』と述べました。

 『モーゲージレートとその国の住宅政策を調べろ。肉や野菜の輸出に関しての価格競争力を全部比較しろ』などとシュローダー氏から指示を受け、高市氏が調査をした、と説明していました。お給料は、派遣元の松下政経塾から出ていたそうです。

 しかし、『調査官』という和訳は役人をイメージさせます。これは印象操作ではないでしょうか。澤藤統一郎弁護士、鳥越俊太郎氏などは、そう指摘しています。問題は、給料が松下政経塾から出ていたことです」

上脇「連邦議会調査官、と聞いたら公務員で国から給料をもらっている人かと思ってしまう。実は、松下政経塾から給料が出ていたとなると、内容に齟齬が生じる」

岩上「パトリック・シュローダー議員の政策秘書ならわかるが、松下政経塾の派遣だとすると、学生インターン・研修生ではないでしょうか」

上脇「わからないところが多い。契約派遣か交換留学なのか、どんな関係かは不明です。ただ、『調査官』はおかしい」

岩上「高市氏は、実家に置いてある当時の論文もいずれ見せると言うので、入手したら紹介します。現在はHP上で、『立法調査官、という肩書きは1993年から一切使用しておりません。したがって、公的な職での経歴として使用されたことはありません』と表明しています。高市大臣の補佐官も、IWJに『1993年の立候補時にも立法調査官という表現は用いなかった』と断言しました。

 ところが、高市氏が衆院選に初立候補した際(1993年)の選挙ビラや選挙公報には、『日本人として初めての米国連邦議会立法調査官として、金融・ビジネス立法を担当』と明記されているのです。明らかに虚偽記載です。選挙を管轄する大臣が、これでいいのでしょうか」

上脇「経歴詐称。公職選挙法違反に問われる。違法かどうかはともかく、政治的、道議的に信用を失墜させ、有権者を欺いたことになります。逆に、なぜ隠すのか問いたくなる。おそらく、ウソを言ってしまった自覚があるのではないのでしょうか。

 高市氏は大臣としてよりも、そもそも議員としてふさわしいのでしょうか。公職選挙法違反も、時効ならかまわないのか。政治と金、経歴まで偽る人は、一度けじめをつけていただきたいですね」

計327万5400円が闇金になっている奈良県第3区選出の奥野衆議院議員。「故意ではない不注意」がありすぎる自民党議員たちに、国政を任せておいていいのか!

▲奥野信亮議員(奥野信亮議員HPより)

▲奥野信亮議員(奥野信亮議員HPより)

岩上「次に、奥野衆議院議員の件に移ります。元日産取締役で、奈良県第3区選出。当選4回です」

上脇「高市氏のお金を流れをたどっていくと、奥野氏が代表の奈良県支部連の収支報告書に行き着きます。そこには、高市氏が代表の第2選挙区支部からの、2014年の会費122万円の記載がない。自民党議員たちは、こんなにだらしないのでしょうか。しかし、高市氏に2つの口座があるとするなら、これは意図的ではないか。普通、100万円を超えるお金の収支を間違えることは考えられません。何か、カラクリがあるのかと疑念がわきます」

岩上「奈良県歯科医師連盟の2014年分収支報告書には、奥野氏が代表の第3選挙区支部へ、5万円の寄付が記載されている。だが、第3選挙区支部収支報告書には受領の記載がない」

上脇「この5万円の寄付を、支部連は記載している。書かないといけないという意識があるのに、第2、第3選挙区支部は記載していない。さらに、奥野議員の第3選挙区支部の報告書には、2011年88万円、2012年81万円、2013年31万円、支部連からの寄付の受領がある。だが、支部連の報告書には、これらの寄付の記載がありません。

 これは、5万円を超えている。記載したくなかったのではないか。合計200万円の所在が不明で、闇金になっているのではないか。最初、高市総務相からお金の流れを調べると、芋づる式に同じような不記載が数々と発覚したのです」

岩上「こんなにずさんなことが、複数回あるということは、故意ではないか。もし、不注意だとしたら、そんな人たちに国政を預けてもいいのでしょうか」

上脇「よく、政治家の説明責任だと騒ぎますが、説明を聞きっぱなしで終わらせようとしますね。彼らは口を揃えて、『告発でわかった。記載ミス。不注意だった』と過失を主張して逃げますが、その弁明は『口座のお金すべて(の収支)を書いていない』ことの裏付けにもなってしまう。さらに、時期が選挙の直前ならば、買収資金に使ったのではないかと勘ぐりたくなります。

 政治的には説明責任があることは間違いありません。政治家は、洗いざらい公表して、説明責任を果たせばいいのです。それで国民が納得できれば、刑事責任は問われなくなるので、双方のメリットになります。説明をちゃんとしてくれれば、私たちも納得します。しかし、こんなことをやっていると、違法かどうかより先に、信用を失います」

岩上「まず、高市総務相も奥野議員も、記者会見を開く、もしくはインタビューなどを受けて、国民に知らしめるべきです。奥野議員は、告発状によれば計327万5400円が闇金になっている。高市氏の経歴もダメです。

 これら一連のことは、ネットでは驚くほどの反響がありましたが、マスメディアではほとんど報道されません。そういうことにも、高市総務相の発言が影響している。安倍総理に従う、などと言うNHKの籾井会長も辞めていただきたい」

もし、不正招致があれば東京オリンピック返上か!?  あくまでも「電通」の名を隠すマスメディア

岩上「今、東京五輪も招致疑惑で大変です。そもそも、『汚染水はコントロールされている』と言って五輪を招致した安倍総理に責任はないのでしょうか」

上脇「ほかに、五輪がらみでよく名前が出るのが森喜朗元総理です。もう政治家ではないのに、政治資金団体を動かしているんです」

岩上「IOCは、不正のあった場所ではオリンピックを開催できないと言っています。すでに、東京の代替地はロンドンという話も出ている。検察も動いているらしいが、長い刑事裁判で決着させる前に、東京開催が中止になる可能性もあります。安倍内閣は、その責任をとれるのか」

上脇「国民が注目すべきは税金の使われ方です。オリンピックという、ルールにもっとも厳密な企画(スポーツの大会)に不正があったと言われているのです。最近、バドミントン五輪代表の賭博問題があり、政治家からも非難が吹き出した。それならば、五輪の誘致疑惑も見過ごせないはずです」

岩上「都民は監査請求をすることもできます。JOCが非常に怪しいペーパーカンパニーに送金し、他国の検察は動いているのに、なぜ、東京地検特捜部は動かないのか。電通やJOC、歴代の都知事、政治家たちを調べて五輪招致を巡る疑惑を解明しなければ、わが国は主権国家とは言えません。

 日本は自らの手で腐敗を質せないダメな国だと、全世界にさらすことになります。オリンピック返上は不名誉だが、それ以上に、自浄能力がないことは取り返しがつかない不名誉ではないでしょうか」

上脇「自浄能力のない日本は、全体的に腐り切った国だと思われるでしょう。せめて国会や都議会で、法的な問題とは別に、政治的な議論をするべきです」

岩上「民進党は、この問題をヒアリングするなど、熱心に追及しています。一般メディアも黙殺することはしないが、電通の名前だけは伏せています。しかし、口火を切ったイギリスのガーディアン紙は電通の名を隠しません。IWJはガーディアンの記事を仮訳して公開しています。

 民進党の玉木雄一郎議員は、『政府は第三者委員会を作って調査をするべきだ』と質したが、政府はその必要はないと応じています。フランスの検察の調査結果を待つ、と言う安倍総理は独立国家のリーダーとは思えません」

上脇「やらんでいいことは一生懸命やり、やるべきことを、なかなかしない。最低限の責任は果たしてほしいです」

岩上「オリンピックに期待する国民はたくさんいます。もし、公人が絡む誘致スキャンダルで中止になれば、国民の落胆はすさまじいでしょう。現政権の責任問題になる。その前に衆参ダブル選挙をやり、国民の信任を得るつもりなのでしょうか。風雲急を告げています」

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