東京都の小池百合子知事が主宰する政治塾「希望の塾」を運営する政治団体「都民ファーストの会」が、2017年1月23日、地域政党として活動を開始、今夏の都議選に向けて、3都議を含む4人が一次公認されたことを発表した。
公認されたのは、都議会会派の「かがやけTokyo」に所属する音喜多(おときた)駿氏(北区)、両角(もろずみ)穣氏(八王子市)、上田令子氏(江戸川区)の現職3都議と、都知事選で小池知事を支援し、自民党を除名された豊島区議である本橋弘隆氏。都議会において小池都知事の政策に共鳴する勢力となる。
1月27日に東京都新宿区の東京都庁にて行われた都知事定例記者会見では、これに関連して、記者から「議会の最大の役割はチェック機能。小池知事色の濃い地域政党では、その機能を果たすことができるのかという不安が残る。議会でマジョリティを占めると、数の論理でというふうな意見も出てくるのでは」と質問があった。
これに対して小池都知事は、「それは是非これまでの知事に質問していただきたかった」と応え、「都民にとって一番の都政が行われることが最大。既成政党、会派がどのような変化を遂げていくのかは、それこそ都民の皆さんが選ぶ結果だ」との考えを示した。
他方、「都民ファーストの会」の代表には、どのような人物がふさわしいと思うかとの記者の質問には、小池都知事は「私の立ち位置は今後考えていきたい」と答えるにとどめた。
▲小池百合子・東京都知事
- タイトル 小池百合子 東京都知事 定例会見
- 日時 2017年1月27日(金)14:00〜
- 場所 東京都庁(東京都新宿区)
IWJ代表の岩上安身は、2016年7月25日、市民団体「政治資金オンブズマン」共同代表で神戸学院大学教授の上脇博之氏に直撃インタビューを敢行。小池都知事(インタビュー時は都知事候補)の抱えるイデオロギーや「政治とカネ」に関する一連のテーマに関して話しを聞いている。こちらも是非併せてご視聴いただきたい。
なお、この後1月31日、築地市場(東京・中央区)の水産仲卸業者で作る「東京魚市場卸協同組合」(東卸)(組合員数554、1月1日現在)で任期満了に伴う理事長選が行われ、理事29人の投票の結果、現職で豊洲市場移転推進派の伊藤淳一氏(63)を破り、移転慎重派の早山(はやま)豊氏(66)が得票数22を得て新理事長に選出されたというニュースが入ってきた。
現職の伊藤氏は、築地市場の再整備は困難で豊洲移転しか選択肢がないと主張していたが、14日、豊洲市場の安全性を確認する9回目の地下水モニタリングで、環境基準を超える有害物質を72地点で検出されたことを受け(ベンゼンは基準値の最大79倍、ヒ素は同3.8倍など)、移転慎重派が優勢になっていた。
マグロ仲卸の2代目で、マグロ卸業者の組合「大物業会」の会長を務めている早山氏。報道陣を前にした新理事選出のあいさつでは、市場移転の考えについては言及しなかったが、トップが慎重派になったことで、移転問題にも大きな影響が出てくる可能性が見えてきた。小池氏の今後の動向が注目される。
築地市場の移転問題に関しては、2月10日(金)15:30より、宇都宮健弁護士、中澤誠氏(築地卸業者、東京中央市場労働組合執行委員長)、水谷和子氏(一級建築士)と岩上さんのインタビューが行われる。ぜひご覧いただきたい。
★岩上安身による宇都宮健弁護士、中澤誠氏(築地市場仲卸業者、東京中央市場労働組合執行委員長)、水谷和子氏(一級建築士)インタビュー
[日時]2017年2月10日(金)15:30~こちらから→[YouTube Live]
▲写真は2016年7月23日のインタビューより、中澤誠氏(左)と水谷和子氏(右)