「明文壊憲」で戦力保持・公務員による拷問が可能な国へ!? ~岩上安身、澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士による「再鼎談」自民党改憲草案の徹底解剖、再び! 2010.10.28

記事公開日:2015.10.28 テキスト
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(文:城石愛麻)

※本記事はIWJ会員向けの無料メルマガ「日刊IWJガイド10月12日号」より抜粋し、加筆修正したものです。

 あれは、「採決」ではない!

 2015年9月19日に大手メディアがいっせいに報じた安保法案の参院「採決」は、議事録にも残されていない、まったくもっての「インチキ」でした。IWJ代表でジャーナリストの岩上安身は、この「採決の強奪」が行われたあとすぐ、当事者の国会議員たちに、インタビューを行いました。

 IWJでは、まだまだ、全国の学者の方々、そして一般の市民の皆様から、この「戦争法案」に対する寄稿・コメント・声明文を募っています。

 本日(2015年10月12日)は、多数いただいたご寄稿の中から、青山さんしゅさんの寄稿を紹介します!


 私は、今ある日本国憲法が人類の到達した究極の憲法であり、守って世界中に広めてゆくべき宝物であると思っています。

 確かに理想的でロマンチックで未完成で人類が持ち続けるのは夢なのかもしれない。アメリカとの安保条約に守られなければ存在できないという人もいますが、私はそうは思いません。

 たとえ不完全でも世に完璧なものなど無く、常に更新してゆけばよい。この憲法を持つ者たちが義務として冷静に用意周到に注意深く、今の1000倍の知恵を使い外交に努力してゆけば守り通してゆけるにちがいない。

 今の危機は先の選挙であそこまで自民党を勝たせて、これほどの全体主義的な政権を許してしまった国民に最大の責任があります。


 改憲を求める意見にいっさい耳を傾けるな、とは思いません。そもそもIWJ代表である岩上さん自身、ずっと自主独立、自主防衛論者であることを表明しています。

 でも、改憲を求める根拠が、「他の国も集団的自衛権をもっているから」とか、「日米同盟機軸だから米国とともに行動するのは当然だ」という議論は、日本としての自主的な思考や判断がなく、あまりに「あなた任せ」ですよね。「米国にくっついていく」というだけ、あとは思考停止、という「一人前の国家」として非常に危なっかしい状態であると思います。

 もうひとつの問題は、「改憲」という言葉を聞くと、私たちは条件反射のように「9条」のことだと思いがちですが、これから先、安部政権が思い描いている「改憲」は、9条だけを変える、つまり、自衛隊を合憲的存在とするだけにとどまらないということです。

 9条の2項の「戦力を保持しない」という条項を変えるべきだ、という議論があるのは、承知しています。そして「自衛隊が違憲的存在のままであるのはおかしいではないか」という議論に共感する人が多いこともよく分かっています。

 しかし、安部政権が掲げているのは、「9条改憲」だけではなく、憲法の前面的な書き換え、あるいは「壊憲」というべき企てなのです。

 現行憲法36条の「公務員による残虐な拷問は、これを絶対に禁じる」という規定が、自民党の「壊憲」案では、「絶対に」が削除されていたりします。岩上さんに言わせると、「ハードルを下げて、後々は拷問もやるという意味だろう」とのこと。ほんとにサイテー。こんなものを書いて、政府として実現を目指します、なんて言えてしまう人がクラスにいたら、間違いなくお友達にはなれません。

 クーデター的な手法で安保法案の「採決」を強奪した自公政権は、今度はあの自民党改憲草案を掲げて、「明文改憲」を狙ってきます。いよいよ憲法を全面的に書き換えてしまい、「国民主権」から国家が主人公(しかも属国の)軍事国家にしてしまいかねません。基本的人権も、ことごとく制約されてしまいます。 

 9ヵ月後に行われる参議院選挙は、あの狂気の自民党改憲草案をこっそりと掲げて、自公+その他の改憲勢力で参議院の3分の2以上を獲得しようと狙ってきます。

 2015年10月7日に自民党本部で行われた記者会見で(記者クラブのみしか参加を許されず、IWJは排除されている)、安部総理は「改憲」への意欲を語っているのですが、その詳細を報じたのは、「改憲(実は壊憲)」への意欲満々な産経だけで、読売・朝日という大新聞2紙は、一行も報じませんでした。まるでこの発言は、しばらくおおごとにしたくない、とう意志が働いているかのようです。このことに、岩上さんを筆頭に、IWJは強い危機感を覚えています。

 IWJでは、2012年末に安倍政権が発足した直後から、岩上さんと澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士による自民党改憲草案に関する鼎談シリーズを計12回にわたり配信してきました。

 この鼎談シリーズを書籍化したのが、『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』です。IWJに入って間もない私も、にわか猛勉強中ですが、知れば知るほど寒気がしています。秋の冷え込みなのか、自民党の改憲草案悪寒を感じているのか、わからなくなるほどです。

 原文を読んだだけでもじわじわと伝わってくる、自民党改憲草案の恐ろしさを、『前夜~日本国憲法と自民党改憲案を読み解く』では、さらに徹底追及しています。私自身も、サイテー! とそっぽを向くばかりではなく、この機会に、ぜひ、きちんと勉強したいと思います!

 さて、そんな『前夜』ですが、大好評につき、IWJでも版元の現代書館でも、品切れとなっておりました。

来年の参院選で、いよいよ自民党が「明文改憲」に踏み切ろうという、差し迫った状況の今、『前夜』が手に入らないなんて状況があってはならない…

 危機感をつのらせた岩上さんが、版元の現代書館に増版を掛け合ったところ、岩上さん、澤藤さん、梓澤さんの再鼎談を行い、それを掲載した『増補版』を出すことになりました!

 その再鼎談は、2015年10月27日におこなわれました。2年ぶりに集まった3人の鼎談は、自民党の明文改憲が現実のものと迫り来る中、いっそうの危機感に基づいた迫力あるものとなっております。ぜひ、こちらもご覧ください!

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