福島第一原発3号機、使用済燃料プール内に落下した交換機の取り出し作業は7月末から8月頭の予定か~東京電力定例記者会見 2015.7.27

記事公開日:2015.7.27取材地: テキスト動画
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 2015年7月27日17時30分から、東京電力で定例記者会見が開かれた。福島第一原発3号機使用済燃料プールに落下した燃料交換機の取り出し作業の開始が大詰めを迎えているが、東電は関係部署と調整中だとし、正式な日程はまだ公表していない。

■全編動画

  • 日時 2015年7月27日(月)17:30~
  • 場所 東京電力本社(東京都千代田区)

1号機建屋カバー解体工事、28日より再開

 1号機建屋カバーの解体工事を再開し、7月28日に屋根パネルの1枚目を取り外すことが発表された。その後、飛散防止剤の散布、風速計設置、ダストサンプリングなどを行い、8月上旬に2枚目の屋根パネルを撤去する予定。

 1号機建屋カバーの解体工事は2015年5月21日に、ダストの飛散を抑制するバルーンがずれていることがわかり、その対策のため、作業を約2か月延期していた。建屋カバーは、屋根パネルを取り外したあと、側面パネルも順次取り外し、2016年度末までかけて解体を終える予定で、その後使用済燃料プールに収容している燃料集合体の取り出しに向けた設備の設置作業を始める予定だ。

 1号機建屋カバーの解体に際して、2013年8月12日、19日にダストが飛散し、構内作業員に身体汚染が発生した。そのため、今回の解体作業に際し、東京電力は飛散防止等の対策を徹底して行っている。さらに、関係13市町村と学識経験者で構成する”福島県廃炉安全監視協議会”は、現地調査を始め建屋カバー解体作業を厳しく監視していく姿勢を見せている。

3号機SFPに落下したFHM取り出し、日程は調整中

 3号機のSFP(使用済燃料プール)に落下したFHM(燃料交換機)の取り出しが、7月下旬から8月上旬にかけて予定されている。取り出し手順の詳細や安全対策などについて、東京電力は、7月15日に開催された福島県主催の「平成27年度第4回 福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」の資料をもとに説明した。

 現場は線量が高く人が立ち入って作業できない。作業は、遠隔操作の無人クレーン2台のクレーンを用い、新たに開発した専用の治具で燃料交換機をつかみ、燃料プールから吊り上げる。その状態でしばらく保持し、吊り上げ状態や燃料交換機そのものの異常を確認。問題がなければ、さらに吊り上げ、3号機原子炉建屋の横の地面に下ろす。その後、飛散防止剤の散布など対策を施しながら切断解体する予定だという。

 東京電力は、充分な安全対策をとっていると主張するが、万が一吊り上げ時に落下させた場合等のリスクが大きいので、燃料交換機の吊り上げ作業時には、1F構内のほかの全作業を一時停止させるという。影響が発電所構外に及ぶ恐れもあり、関係自治体への連絡、調整も必要だ。しかし、まだ関係部署と調整中で正式に決まっていないとし、いまだ日程を公表していない。

 2011年の震災で落下した3号機の燃料交換機は、がれき撤去が進み状況を調査、2013年にはプール内での状態が把握できるようになった。その後2014年8月29日に、燃料交換機の”操作卓”と呼ぶ約400kgの部分を、クレーンで吊り上げて取り出す際、誤ってプール内燃料ラックの上に落下させた。その影響でプールゲートがずれていることも分かっている。

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「福島第一原発3号機、使用済燃料プール内に落下した交換機の取り出し作業は7月末から8月頭の予定か~東京電力定例記者会見」への2件のフィードバック

  1. 命を大切に思う者 より:

    「今月中に撤去する」なんていう発表は、
    すでに1年半前から何度も何度も言われて来て
    実際には撤去されていない。

    http://fukushimadisasternote.1apps.com/tepco_schedule.gif
    この予定表の変遷をみてください(FHMの撤去のところ)。

    東電は、
    瓦礫撤去の予定日が近づくと予定日を1~6ヶ月後ろにずらす、
    という手口を何度も何度も繰り返して
    結局、1年半、撤去せずに済ませて来た、
    口では「今月中に撤去する」と言いながら…

    最初から撤去する気が無いのに
    口だけ「今月中に撤去する」と言って国民を欺くのは、
    今回で終わりにさせないといけない。
    今度こそ、言った通り、本当にやってもらわないと。

    プール内の燃料が全部残ってるか何割か飛散済かは、
    この大型瓦礫を撤去して、さらに、覆い隠してる瓦礫の山を撤去して、
    燃料の有無を目で確認しない限り、絶対に白黒付かないし、
    飛散済だった場合は、発覚が遅れた分、移住が遅れ、
    膨大な数の人(数百万人)が10年経ったあたりから肺癌になって死んで行く
    ことになるのだから、
    一日も早く撤去して下を見せて白黒付けてもらわないといけない。

    測定結果に現れていなくても
    飛散してないに決まってるなんて言えるわけないがない。理由は、
    http://fukushimadisasternote.1apps.com/

    肺癌を今訴える人が居なくても同様(癌の塊が大きくなるまで症状が出ないから)。

    今月もあと2日で終わる。
    今回もまた口だけだったことが証明される(1年半前から何度もやって来たことだ)。

    予定表のソース(経産省サイト内にあるアーカイブ)
    http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/0529/140529_01_031.pdf#page=4
    http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/140627/140627_01_032.pdf#page=3
    http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/141127/141127_01_041.pdf#page=3
    http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/pdf/150226/150226_01_3_5_04.pdf#page=4&zoom=60
    http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/decommissioning/committee/osensuitaisakuteam/2015/pdf/150528_01_3_05_05.pdf#page=2

  2. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    福島第一原発3号機、使用済燃料プール内に落下した交換機の取り出し作業は7月末から8月頭の予定か~東京電力定例記者会見 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/255190 … @iwakamiyasumi
    相変わらず当事者意識の無い会見だが、語られてる内容は重大。危機的状況は今もこれからも。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/626158239273476096

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