2015年7月21日17時45分頃から、東京電力で定例記者会見が開かれた。正確な水位管理の必要性などから、敷地内を測量し直した結果、福島第一原発1号機T/B建屋は3号機T/B建屋より20mm多く沈下しているなど、震災による沈下量が不均一であることが判明した。
2015年7月21日17時45分頃から、東京電力で定例記者会見が開かれた。正確な水位管理の必要性などから、敷地内を測量し直した結果、福島第一原発1号機T/B建屋は3号機T/B建屋より20mm多く沈下しているなど、震災による沈下量が不均一であることが判明した。
記事目次
■全編動画
サブドレンピットの運用を目前に控え、井戸の水位、地下水水位、建屋地下階滞留水の水位などをより正確に管理する必要があることから、東京電力は、浪江町・双葉町にある国土地理院の水準点を起点に構内の主要ポイントを改めて測量した。その結果、1号機T/B(タービン)建屋は震災前に比べ730mm沈下、3号機T/B建屋は710mm沈下しているなど、沈下量が均一でないことが改めて判明した。
2011年3月11日の震災により、福島第一原発の敷地は約700mm均一に沈下したものとして、東京電力は各施設の高さや地下階滞留水の水位、井戸の地下水位を測定、管理していた。今回の測量結果により、実際の高さにあった数値で正確に水位管理を行うことができるという。
また、今回の測量結果を踏まえ、水位の表記をこれまでのOP(小名浜平均海面高さ)からTP(東京湾平均海面高さ)に変更すると東電は発表した。水準点はTPで測量、管理されているため、そこから始めた測量結果は全てTPで値がでてくる。これまで福島第一原発がOPで標高を管理していたため、TPをOPに換算して表記していた。この換算が不要になり、計算ミスが入り込む余地がなくなると東電は説明している。
測量結果は、地下水バイパス/地下水バイパス観測井/集中ラド建屋/集中ラド周りサブドレン/地下水ドレン/地下水ドレン観測井/ウェルポイント/ウェル揚水ピット/海水配管トレンチ、といった正確な水位管理が必要な設備に対して反映される。
建設時には1から4号機T/B建屋の基準高さ、OPは同一だった。震災により建屋ごとにばらばらに沈下した。ただし、その差は数cmであることから、東京電力はT/B建屋ほどの大きさの建物ならば、建設時の誤差範囲だ、建屋間の配管や貫通穴には影響ないと説明している。