「原子力ムラの陰謀、工作は本当にあるのか?」今西憲之氏、平智之氏ほか 〜チバレイ・ウガヤの言論ギグ! 第一回 2014.4.20

記事公開日:2014.4.20取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・阿部玲/奥松)

 「原子力ムラの人間も、自民党議員も、一人ひとりに話を聞くと納得できる部分もある。しかし、集団になるとダメ。前言がひっくり返る」──。

 2014年4月20日、東京都新宿区のロフトプラスワンで、千葉麗子氏、烏賀陽弘道氏をホストに「チバレイ・ウガヤの言論ギグ!第一回目 『フクシマ原発事故をもう忘れたの?』」が行われた。ゲストに、週刊朝日誌上で原子力ムラ内部の取材を行ってきたジャーナリストの今西憲之氏と、「禁原発」を主張する前衆議院議員で、震災時の与党、民主党に所属していた平智之氏、さらに、神奈川県平塚市議会議員の江口友子氏を迎えて、原発事故を巡るメディアや政治の裏側について語った。

記事目次

■ハイライト

  • 出演 千葉麗子氏(実業家、ヨガ・インストラクター)/烏賀陽弘道(うがや・ひろみち)氏(フリージャーナリスト)
    ゲスト 今西憲之氏(フリージャーナリスト)/平智之氏(前衆議院議員)/江口友子氏(神奈川県平塚市議会議員)

 壇上の出演者も飲食をしながら、時にはくだけた口調で政治を語るという、ロフトプラスワンならではの緩やかな雰囲気の中、イベントは進行した。千葉氏と烏賀陽氏はツイッターで知り合い、誕生日も干支も血液型もすべて一緒という不思議な縁から親交を深め、今回の企画に至ったという。千葉氏は「烏賀陽氏は、京都大学を卒業して朝日新聞の記者という、安定した環境から独立した。自分も、20歳の頃は芸能界でアイドルとして安定した生活を送っていたが、縛られるのが嫌で独立し、起業した。そういう部分も似ている」と述べた。

反原発の現在、内と外

 烏賀陽氏が千葉氏に「官邸前抗議などの反原発集会でのコーラー(シュプレヒコールの先導役)としてのイメージが強いが、最近は官邸前に行っていないのか?」と質問。千葉氏は「声がよく通るから、と依頼され、去年の春ぐらいまでは行っていた。20万人を集めた最盛期に比べると、参加者には政党関係者が多くなってきて、それに気づいた一般の人たちが、だんだん来なくなってしまった」と最近の事情を語った。

 さらに、「デモや抗議活動自体は、決して否定していない」と念を押しながら、「福島出身者である自分にとっては、被曝や原発、命に関わる問題。そこで音楽に合わせて踊ったり、自己表現の場にされてしまうというのは、自分にとっては合わなかった。細かいことで分裂してしまったり、ということもあるが、右(派)とか左とか、自分はそういうことは考えていない」と、言葉を選びながら丁寧に説明した。

 原発問題に関する出版物が減っていることについて、烏賀陽氏は「出版社も、原発のことは怖がって扱ってくれない。自分が企画を持っていっても、2〜3社は断られる。記者の側も、使ってもらえないから取材しなくなる。こういったドミノ現象が起きている」と解説。そのような状況の中で、『原子力ムラの陰謀』(朝日新聞出版)という衝撃的なタイトルの本を出版した、今西氏がゲストとして紹介された。

個々人は「いい人」でも集団になるとダメ

 「原子力推進側の工作、(選挙時の)集票など、今までもいろんなことが噂されてきたが、立証する資料が出て来なかった。今回、新たに記録がみつかったことにより、今まで書けなかったことが、この本の中に書いてある。原子力ムラといっても、一人ひとりに話を聞くと『なるほどな』と納得する部分もある。しかし、集団になるとダメ。集団になったら、性悪説で見ないといけない」と今西氏は語る。

 千葉氏が「先日、『反原発へのいやがらせの歴史展』というのをやったが、その中で、自分の車に落書きをされたことを報告した」と切り出し、烏賀陽氏が「車には『原発推進』と書いてあった」と補足した。これについて今西氏は、「そういったことも、誰がやっているのか、最後のブツ(証拠)が出て来ない」と話した。

 その上で、『原子力ムラの陰謀』のための取材活動について、「今回は、動燃(動力炉・核燃料開発事業団=現在の日本原子力研究開発機構)の西村さんという方が、原子力推進工作の記録をPCに残していた。彼は飛び降り自殺と断定されたが、8階の高さから落ちたにしては、言い方は適切ではないが、遺体がきれいだった。動燃の幹部と言えば、政界工作の実務部隊。文書管理を担当していた彼は、字なんか滅多に間違うはずがないのに、遺書では小学6年生のような間違いをしている。筆跡も違う、内容も違うなど、不審な点がたくさんある」と話し、原子力ムラに潜む暗部を示唆した。

ネット工作員は実在するのか?

 烏賀陽氏が「ツイッターで、『金で雇われて妨害工作をやる奴のことを、アストロターフィングというの知ってる?』とつぶやいたら、そういう連中がピタリといなくなった。ネット上で特定の人の悪口を書けば月5万円やる、と言われれば、やりたい人はいる。そういう人を100人集めても、経費は500万円だ」と話す。

 千葉氏が「西日本に向かう新幹線のグリーン車では、原子力ムラの広報誌のようなものが無料で配布される。メディアは(中立を保って)しっかりしてくれないと」と発言すると、今西氏は「そういうものに期待しても無理。3.11のあと、『頑張れ』『絆』と言っているタレントが、テレビのバラエティ番組に多く登場したが、実は、タレントもスタッフも放射能が怖いので、大阪のスタジオで収録していた。『放射能』『原発』という言葉は禁句だった」と明かした。

 烏賀陽氏は「自分は、メディアを改革しようとか、姿勢を正してほしいとか思っていない。それは無理。インターネットなど、情報の迂回路を作らないと」と提案。今西氏は「新聞、テレビ、ラジオ。この3つしかなかった時代は、国民をコントロールするのは簡単だった」と、振り返った。

儲からない原発を見切り始めたアメリカ

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「「原子力ムラの陰謀、工作は本当にあるのか?」今西憲之氏、平智之氏ほか 〜チバレイ・ウガヤの言論ギグ! 第一回」への1件のフィードバック

  1. あのねあのね より:

     千葉麗子さん他数名とライブハウスのロフトグループ、中でもネイキッドロフトを中傷するコメントが突如として超有名ブログに投稿されたことがあった。そのコメントでは鈴木邦男さんや有田芳生さんのことも激しく攻撃していたのですが、その理由は外国特派員協会で鈴木さんや有田さんが出席してのヘイトスピーチ非難の記者会見が有るからということが判った。数日ずれてヘイトスピーチ非難のイベントもネイキッドロフトで行われた。ネイキッドロフトでのイベントやヘイトスピーチデモのカウンターに参加した千葉さんのことも相当気に食わないようでした。
     コメント内容から推測される利害関係からヘイトスピーチを非難する側への攻撃コメントを書いた人物は、ヘイトスピーチ団体の側の人間であることが明らかだった。しかし後になってなんと、中傷コメントを投稿したのは実はコメントが掲載された超有名ブログを運営する側の団体の一員で、高校時代から31歳迄引きこもりで通信高校経て通信大学の学生であることが判明した。正体を隠してはいたが、実は内部の人間だったのだ。
     内部に入り込んだこの人間は、後にブログの主催者に咎められて団体の方も辞めるに至ったようだが、ヘイトスピーチ団体の側の人間がそれに批判的な団体に正体を隠して侵入してしまうという事実があった事は広く知られなければならない。そういうおかしな動きをする連中なのであって、ただの変な主張をする“市民団体”というレベルの人間ではないということです。
     余談ですが、この侵入した人間の仲間は、外国に本部を置く自民党、特に安倍晋三とも関係が深い宗教団体の“貴公子”と呼ばれているようで、こちらは有力政治家の政治塾に塾生として侵入していたが正体を見破られて除名されている。
     

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