医学者・研究者グループが訴える子宮頸がんワクチンの危険性~厚労省ワクチン副反応検討部会の判断に異議 2014.2.26

記事公開日:2014.2.28取材地: テキスト動画
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(IWJ・安斎さや香)

 子宮頸がんワクチンの副反応に警鐘をならす医学者・研究者グループは2月26日、厚生労働省のワクチン副反応検討部会の審議後に記者会見を行った。

 厚生労働省の予防接種・ワクチン分科会 副反応検討部会は同日の26日、積極的勧奨が一時中止されている子宮頸がんワクチンについて、勧奨を再開するか否かの結論を今回は出さず、判断は次回の検討部会に持ち越されることになった。

 しかし、検討部会は、報告されている副反応がワクチンによる影響ではなく、「心身の反応」によるものだとする判断を変えてはいない。検討部会の前には、今回会見に出席した、子宮頸がんワクチンに警鐘を鳴らす研究者らと意見交換会が開かれたが、意見交換会は形式的なものに過ぎず、あらかじめ結論を変える気はなかった厚労省側の態度が見え隠れした。

 危険性を指摘する研究者らの意見に耳を傾けることなく、厚労省および副反応検討部会は、「安全性」「有効性」の根拠がないワクチンを、再びお勧めしようと、着々と準備を進めているようだ。

 会見では、海外から来日した研究者らが、子宮頸がんワクチンに関するこれまでの研究成果を報告したほか、ワクチン接種後に相次いで報告されている副反応について、副反応検討部会がワクチンとの因果関係を認めず、「心身の反応」によるものだとする判断に厳しい意見が飛び交った。

■ハイライト

  • 場所 厚生労働省記者クラブ(東京都千代田区)

接種後4年間で重篤な有害事象が9%

 前東海大学医学部教授の堺春美氏は、サーバリックスを製造するグラクソ・スミスクライン社が4年間追跡調査した最新の臨床試験の結果から、15歳から25歳までの9,319人を対象にワクチンを接種したところ、接種後4年間で重篤な有害事象が9%報告されていることを明らかにした。

 サーバリックスの副反応報告を堺氏が整理したところ、全部で1,708例あったとし、そのうちの1,009例が重篤な有害事象にあたると報告。「大変なパーセントであります」と明言した。

 さらに、その中で一番多い症状が脳障害(中枢神経障害)だったことを堺氏は指摘。脳障害が起こると、「けいれん、意識障害など、いろいろなことが起こる」と懸念を示した。

「日本の出生率は30%減ることを意味する」

 さらに堺氏は、「子宮頸がん征圧をめざす専門家会議」の実行委員長で、自治医科大学附属さいたま医療センター教授の今野良氏による、519人の日本人女性を対象とする2年間の臨床試験結果も参照。サーバリックスを接種した後に妊娠した46例のうち、11%が自然流産、30%は選択的妊娠中絶していた事実を明らかにした。

 自然流産の率は、一般の自然流産率と変わらない数字だとしながらも、選択的妊娠中絶の率については、「ワクチンを受けていなければ、満期正常産になったであろう胎児が、やむを得ず、妊娠中絶によって出されてしまったということであります」と述べ、「もし、このワクチンを続ければ、日本の出生率は30%減ることを意味する」と明言した。

 「なぜ、2つの子宮頸がんワクチンが、これほど問題になるかというと、いずれも特殊なアルミニウムの免疫増強剤(アジュバント)が入っています。ガーダシルはDNAの断片が入ったアルミ、サーバリックスは、サルモネラ菌の内毒素ががっちり入っているアルミ。いずれも極めて強力に人間の自然の異物反応・炎症反応といった、免疫システムを強烈に激烈に刺激してしまうので、大変な強い深刻な副反応を起こしてしまいます。

 副反応は、いつ、どこに起こるか分からない。全身のどこにでも、どんな症状でも出てくる。すぐに出るかも分からないし、半年後にも出るかも分からない、1年、2年、5年先にも出るかも分からない。まるで予測がつきません。まったく新しい薬剤の場合の副反応は、出てきたことをすべて調べる。因果関係があるとかないとかは、後の話です。丹念に全部調べて初めて、そのワクチンの怖さが分かる」

 堺氏は、淡々とした口調で、子宮頸がんワクチンが引き起こす重篤な副反応の危険性について語った。

「全数調査」の必要性

 今後の対応策について、堺氏は、「全数調査をするしかない」と述べ、日本では公費負担となった定期接種化以降、各自治体の問診票があることから、全員の追跡調査を少なくとも2年、3年はすることが重要だと指摘した。

 全数調査をする際のポイントとして、堺氏は、「(ワクチンの副反応が起きたのは)気のせいではないことをはっきり示す指標が必要だ」と述べ、視力の低下などの視力障害が起きたか否かを調べることによって、「脳に障害が起きているということをかたちとして示すことができる」と提言した。

「心身の反応」という結論に抗議

 米ミルフォード医学研究所所長のシン・ハン・リー医学博士は、厚労省のワクチン副反応検討部会が子宮頸がんワクチンの副反応を「心身の反応」によるものだとした判断を厳しく批判した。

 「日本では、少女たちに起こっている脳の炎症や障害も含めて『心身反応』と(厚労省)副反応検討部会が主張しているようですが、私たちが指摘するさまざまな障害が、『思い込み』とか『心身反応』とか『ヒステリー』で起こるということには、何の根拠もないということ、『思い込み』で突然死することはありえないということを、みなさんに本当に理解してほしいと思います」

 堺氏も、子宮頸がんワクチン接種後に起こった副反応は、ワクチンによって引き起こされたものだと改めて強調した。

 「子宮頸がんワクチンが、いかに激烈な(副)反応を接種した子どもたちに起こしているかということを、一般の方たちには知られていない。実際に副反応で困っていながら、まったく別な病気の診断名をつけられて、苦しみ抜いている方が、日本全国にたくさんいらっしゃいます。これが、ワクチンのせいで起こっているということを知っていただきたい。

 今でもまだ、(このワクチンは)定期接種です。これほどの強い副反応が出るということを、知らないで受けるお嬢さん方、子どもに受けさせるお母さん方、孫に受けさせるおばあさまがいらっしゃる。ぜひ、こういうワクチンであるということを、日本の国民の皆さまに伝えたい」

ワクチンの危険性を指摘する意見に耳をかさない厚労省

 堺氏は、厚労省の検討部会の委員らと意見交換した際の感想を、次のように語った。

 「あたまから、私たちの言っていることを肯定しようというような雰囲気をまったく感じておりません。私たちの言うことの意味が、厚生労働省の方々に理解していただけたという雰囲気を、まったく感じておりません」

 この堺氏の証言は、厚労省およびワクチン副反応検討部会の委員らが、子宮頸がんワクチンに警鐘を鳴らす、堺氏らの意見に、まったく耳を傾けるつもりはないということを示唆している。

「脳、あらゆる臓器でさまざまな疾患、重篤な副反応を引き起こす」

 会見では、来日した海外の研究者から、子宮頸がんワクチンに関するこれまでの研究成果が報告された。

 リー氏は、子宮頸がんワクチンの内容物から、「HPVのDNAの断片を検出」し、それが、「強力で特殊なアルミニウムのアジュバントと結合していることを発見した」と報告した。

 リー氏によれば、数年前、依頼にもとづいて、3度目のガーダシル接種後、睡眠中に死亡したニュージーランドのジャスミンレナーダさん(18歳)の死体を解剖して得られた脾臓と、血液の検体を検査したところ、これを発見したという。

 ガーダシルを接種すると、マクロファージが集合して、DNAの断片とアルミニウムのアジュバントが結合した物質が全身の体内に取り込まれ、分解することができなくなることから、脳(中枢神経)や、あらゆる臓器の中でさまざまな疾患、重篤な副反応を引き起こすと、リー氏はそのプロセスを解説した。

接種から7年が経過しても失明の症状が継続

 米ハートフォード病院神経疾患部門で臨床医を務めるミルナ・ハジャー医師は、自身が2007年に診察した16歳の少女の例から、ガーダシル接種後に、脳にどのような影響をもたらしたのかを解説した。

 ハジャー氏によると、この少女は、2度目のガーダシル接種から10日後、最初の接種からは2ヶ月後に完全に失明し、現在23歳になっているが、いまだに目が見えないという。

 少女の頭頂部の右側では、はっきりと炎症が起きていたことがMRIの写真で確認されており、脳の組織が破壊されていたとハジャー氏は証言。脳の中の病変は、「非常に大きなもの」で、その病変の組織を採取し、観察したところ、「脳細胞(ニューロン)に脱髄(※注1)の現象が起こっていることを発見した」と報告した。

(※注1)脳の神経細胞の鞘が脱落する現象。

 「脳の中には、驚くべきことに細胞傷害性のTリンパ球から、マクロファージが多数集合していた」と診断結果を述べたハジャー氏は、「これは通常ありえないことだ」とコメントした。

アルミニウム・アジュバントは「大変な毒性を発揮する」

 仏パリ大学のフランソワ・ジェローム・オーシエ教授は、水酸化アルミニウムのアジュバントを含んでいるワクチン(※注2)を接種した600人以上の少女たちから、自身が発見したMMF(マクロファージ性筋膜炎)が確認されたことを報告。

(※注2)日本で認可されている子宮頸がんワクチン2種(サーバリックス、ガーダシル)にも、水酸化アルミニウムの配合されたアジュバントが含まれている。

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