子ども被災者支援法で、第一回住民の健康管理のあり方に関する専門家会議 2013.11.11

記事公開日:2013.11.15取材地: テキスト動画
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(IWJ・ぎぎまき)

 2013年11月11日、東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関する専門家会議の第一回が開かれた。この会議は10月末、環境省が定めた「原発事故子ども・被災者支援法」の基本方針の中で、具体的な施策の1つとして設置を決めたもので、福島県および近隣県の健康管理の現状と課題を把握し、医療に関する施策のあり方を医学的な見地から検討することを目的としている。

■井上信治環境副大臣囲み取材

 今回の会議では、国がこれまでに把握している住民の被ばく等の健康調査の結果を一挙に説明したが、さまざまな組織によるばらばらな測定結果について、今後いかに統一したデータとして扱っていくのかが中心の議題となった。

 今後、環境省は1、2ヶ月に一度この会議を開催し、来年度初旬をめどに、健康管理政策の進め方についての方針を取りまとめる予定だ。

 会議は原則撮影不可。撮影が許可された、井上信治環境副大臣のぶら下がり会見の質疑応答の内容は以下の通り。

NHK記者「福島とその周辺を含めた健康管理のあり方ということで議論が始まったが、この会議で何を目指していくのか」

副大臣「非常に大事な会議だと思っている。国民の健康に関する心配は非常に高いものがあり、色々なことが言われている中、良く議論をしていただき、正確な情報や考え方をしっかり発信していくことが大事だ。それに基づいて政府として、どのような対策を取ることができるのか、これをしっかりと打ち出して行きたい」

NHK記者「この会議で決めていかなければいけない、一番の関心事、課題は何か」

副大臣「『子ども・被災者支援法』があるので、13条で言われている3つの課題。線量把握、健康影響への評価、それを踏まえた医療政策のあり方をきちんと出していかなければならない」

朝日新聞記者「医療的な保障について、大まかな方針をこの会議で出すのか」

副大臣「難しい課題だと思っているが、議論を踏まえた上でどうすればいいか、県民健康調査のデータなども踏まえて、医学的、専門的な見地から方針を出していただきたい」

日本テレビ記者「初期被曝について。これまで、信頼性のあるデータという形では出ていない、不十分だという指摘についてはどう受け止めたか」

副大臣「色々なデータが出ているが、一元的な把握が必要であり、それをきちんと公開していくべきだという貴重な意見もいただいた。そういう意見を踏まえてきちんと対応していかなければいけないと思っている」

日本テレビ記者「行動記録の裏打ちが重要だという指摘があったが、実際に福島県が実施した行動記録というものが、24年度の放医研の委託事業では使われていない。環境省から改めて協力を求めることはあるのか」

副大臣「そういった詳細な点も含めて、しっかりと議論していただきたい」

アワプラ平野「委員から被曝手帳の配布についても幾つか意見が上がったが、特に福島県だけではなく県を越えて考慮すべきだという意見があったが、大臣はどう思うか」

副大臣「今日は一回目ということで、これから良く議論していただきたい。私も今日出席して、多くの課題があるなと感じた。意見も多く、課題も多いので、丁寧に、かつなるべく早く、この会議を進めていきたい」

フリー西中氏「10月11日に、『子ども・被災者支援法』の基本方針が決まったが、一定の線量をどうするか、どう基準を設けるか、福島の33市町村に限定したことや、住民への公聴会も開かないといった中で、原子力規制委員会の田中委員長が住民からのヒアリングは必要がない、と発言したとの報道も出ていた。法に基づいて、住民に対するヒアリングを行うべきだと思うが、それについてはどのようにお考えか」

副大臣「子どもたちの健康について、大変な心配があるということは理解している。ただ、子ども被災者支援法の全体の話になると、復興庁の所管。そこまでのコメントをする立場にはない」

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