2024年2月9日、午後7時より、東京都千代田区の国会議事堂前にて、公正な社会や政治を目指して行動する市民グループ「WE WANT OUR FUTURE」の主催により、「#さようなら自民党政治 岸田政権の退陣を求める国会前行動」が開催された。
冒頭、「WE WANT OUR FUTURE」の集会開催の主旨などについて、次のようなアナウンスがあった。
司会「私たちは、昨年末にも、国会正門前や首相官邸前にて、岸田政権の退陣を求めて抗議集会を行いました。
さて、先月、通常国会が開会されました。能登半島地震への復興支援、自民党派閥による裏金問題、防衛費の増大、旧統一教会問題など、国家のあり方が問われる問題、物価高やインボイス制度など、私たちの暮らしを脅かす問題が山積しています。
すでに多くの世論調査でも示されているとおり、私たちの声はすでに岸田政権、自民党政治に『NO』を突きつけています。今日は『岸田政権退陣を求める自民党政治さようなら』という私たち一人一人の声をさらに大きくするための緊急行動です。この緊急行動は皆さん一人一人が参加者で皆さんが主催者でもあります」。
経営者、ミュージシャン、保育士、デザイナー、市民活動家、政治学者、大学生、ジャーナリストなど、様々な参加者が舞台に上がり、スピーチをし、日本の政治、そして社会への想いを訴え、わかちあった。
ニューヨーク生まれ、東京育ちのミュージシャン、デザイナー、そして、ビンテージショップ「DEPT」のオーナー兼バイヤーでもあるeri氏は、コールの前に、参加者に向けて、日本の政治、社会について、自らの想いを次のように訴えた。
eri氏「こんばんは! 今日も寒いですね。今日も一緒に皆さんと集まれて、とても嬉しいです。この間、国会がまた開いて、国会質疑を聞いているんですけど、本当に、やりとり聞いてると腹が立つ。
本当に腹が立つ。堂々とあんなに嘘ついて、堂々とあんなにごまかして、あれが私たちの代表ですか? もう信じられない。もう、毎日、怒って、涙も出てきます。
忘れちゃいけないのが、主権者は私たちです。私たちのことを考えて、私たちのために働くのが政治家ですよね。本当はこれって、めちゃくちゃ当たり前のことですよね。
そんな難しいこと、というか、普通のことを言ってるだけなのに、そんな普通のことすら、そして、私たちの言っていることすら、耳を傾けない政治家、要らないですよね? 今すぐ退陣してほしい。でも、それはどうやら叶わないみたい。
明日には多分解散してくれない、から、私たちは今ここにいるんです。毎日このモヤモヤするこの気持ち、溜め込むと具合悪くなっちゃうんで、こうやって集まって、みんなで声を出して、発散していきましょう。
でも、『声出すのはなぁ』とか、配信を見ている人も、大丈夫です。心の中で叫んでください。で、声を出せる人は一緒にやっていきましょう。
えーと、『こんな政治は嫌だ』とか『要らない』っていうコールをします。で、『嫌だ』って否定しているんですが、これを裏返せば、『私たちはこんな政治が欲しい』というコールであるということです。私たちの希望のコールです」。
この日の集会には、グランドルール(※)があった。みんなが安心して、この抗議行動の場を共有するためのルールである。それは、集会が始まる前に、以下のようにアナウンスされた。
(※)集会や会議の進行上の基本的な原則や規則のこと。英語ではgrand ruleという言葉はなく、ground ruleと言われる。日本語では、グランドルール(外務省など)あるいはグラウンドルールとも言われる。
司会「まず、差別を禁止します。ジェンダー、セクシュアリティ、人種、話す言葉、出身地、障害の有無、年齢、雇用状況などによる差別発言、差別的な取り扱いを禁止します。
ジェンダーや国籍などで相手のことを決め付けたり、見た目で判断するのはやめましょう。しんどくなったら無理せずに休んでください。寒くなっていますので、無理に参加しないことも大切です。
何か困ったことがありましたら、声を掛け合いましょう。腕章をつけたスタッフに声を掛けていただけたらと思います。また、通行人の歩道と点字ブロックの確保にもご協力をよろしくお願いします。今回は最後にオープンマイクも用意しています。あなたが『どんな社会で生きていきたいか』、皆さんの思いを、ぜひこの場で共有してください」。
「今だけ、金だけ、自分だけ」という現在の社会的、そして政治的な風潮に対して、根本的な異議を申し立て、「未来」を、「生活」を、「他者」を標榜する姿勢に、とても新鮮な印象を受けた。
参加者のスピーチの内容など、集会の詳細については、全編動画にてご確認ください。