【IWJ号外】ウクライナの大物政治家が証言! ブリンケン国務長官がキエフでゼレンスキーに対し、『バイデンの汚職関連の解決ができないなら、我々が解決する(証人を消すの意味)』と脅迫!(第1回) 2024.1.17

記事公開日:2024.1.17 テキスト
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(文・IWJ編集部)

 IWJ代表の岩上安身です。

 ウクライナの政治家、アンドリ・デルカッチ(Andriy Derkach)氏は、日本でほとんど知られていませんが、ウクライナの著名な政治家です。1967年、ドニプロペトロウシク市生まれの旧ソ連軍人で、ウクライナの政治家です。

 1989年にクルイロフ元帥名称ロケット軍ハリコフ高等軍事指揮・技術学校を卒業し、戦略ロケット軍ペルヴォマイスク師団で勤務した経験を持ちます。1993年には、ロシア保安省アカデミーを卒業し、ウクライナ保安庁(SBU)ドニプロペトロウシク州局に勤務しました。

 1998年に、スームィ州からウクライナ最高会議「ヴェルフナ・ラーダ」の代議員に選出され、国家予算問題委員会の委員を歴任しました。1998年から2020年までの22年間、「ヴェルフナ・ラーダ」代議員を務めたベテランの政治家です。

 議会では、会派間議員団体「ロシアと共に欧州へ」(32人)などを率いました。

 アンドリ・デルカッチ氏が世界の注目を集めたのは、2020年に、バイデン副大統領(当時)とウクライナのポロシェンコ大統領(当時)が2015年から2016年にかけて交わした会話の録音を2020年に公表しときからです。

 この会話で2人は、バイデンファミリーのウクライナ汚職を追及していたヴィクトル・ショーキン検事総長(当時)の解任について話し合っていたのです。

 アンドリ・デルカッチ氏による会話録音公開が、いかに、米国とウクライナに打撃を与えたかは、その後の両国の行動を見るとわかります。

 ワシントンは2022年にデルカッチ氏をロシアのエージェントと決めつけ、2020年のアメリカ大統領選挙に介入した疑いで起訴したのです。

 ウクライナは2023年、デルカッチ氏を国家反逆罪で告発し、モスクワのために働いているとも主張しました。ゼレンスキー大統領は、2023年1月にデルカッチ氏のウクライナ国籍を剥奪さえしたのです。

 とりわけ、米国のアントニー・ブリンケン国務長官の過激な反応が注目されます。

 1月11日付『RT』は「デルカッチ氏は、2022年1月にキエフで行われた会議で、ブリンケン氏はゼレンスキー氏に『デルカッチ問題を緊急に解決せよ』と命じ、解決しない場合は『パートナーとともに自分たちで解決する』と警告したと主張した」と報じています。

 これは恐ろしい発言です。政治家が他国の政治家に向かって口にする言葉ではありません。一番適切な例えを探すと、上位のマフィアが、下位のマフィアに向かって脅しながら命令をくだすセリフです。

 「早く露見してしまった犯罪と暴露者を始末しろ。始末できない場合は、俺達が、仲間とともに始末することになる」。

 ハンサムで、インテリで、紳士然としたブリンケン国務長官が、裏では、これだけの凄みのきいた暴力的な命令を、あのゼレンスキーを相手にしていたことに、驚きを覚えざるを得ません。そして、これこそが、米国の政治家の真実の姿なのです。

 なお、急ぎ付け加えれば、ロシアのプーチンはそれに比べて紳士である、などというつもりは微塵もありません。プーチンが強面であることは誰もが知っていることでしょう。米国の政治家は有権者の集会に向けての笑顔の裏側で、このようなマフィアやヤクザ顔負けの強面を隠している、ということなのです。

 現在、アンドリ・デルカッチ氏は、命の危険を感じて、2022年からベラルーシの首都ミンスクに避難しています。

 重要な点は、デルカッチ氏による会話録音の暴露が、2022年2月24日のロシアによるウクライナ侵攻よりも、以前に行われていた、という点です。そして、ブリンケン国務長官の強硬な脅しが、ロシアの侵攻直前だったという点です。

 つまり、この「デルカッチ問題」というのは、ウクライナを、米国の「代理戦争機械」として使い、「自由と民主主義の代表者」という仮面をウクライナに被せて、「狂気の独裁者・プーチン」に率いられる「悪の権威主義国家」というレッテルを貼られたロシアと戦わせる必要があった、それだけ、米国にとっては、非常に、不都合な真実だったことを示しているのです。

 ショーキン検事総長(当時)を、結局、オバマ大統領政権時代に副大統領だったバイデン氏が、米国からのウクライナ支援金を撤回するぞとゼレンスキー大統領を脅迫し、バイデンファミリーのウクライナ汚職を追及していたヴィクトル・ショーキン検事総長(当時)を2016年に解任に追い込んだのです。

 その顛末を、IWJは、ショーキン氏の2019年の宣誓供述書を入手して、調査報道としてお伝えしています。

 ショーキン前検事総長は、現在、米国内で始まっている米下院のバイデン大統領の弾劾調査のキーパーソンです。バイデン大統領が、米国史上初めて、現役大統領として弾劾罷免されるかどうかの鍵を握っているのです。

 ぜひ、あわせて御覧ください。

  • はじめに~バイデン大統領がウクライナを脅迫していた! 次男のハンター・バイデン氏が取締役を務めるウクライナの天然ガス会社ブリズマの汚職事件! 自ら捜査を指揮していたウクライナの検事総長、ヴィクトル・ショーキン氏を辞めさせなければ10億ドルの支援を撤回するとウクライナ政府を脅迫! 今後、米下院の弾劾調査の大きな焦点に! IWJは、ショーキン氏の2019年の宣誓供述書を入手し、仮翻訳!(日刊IWJガイド、2023年8月8日)
    会員版 https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20230808#idx-1
    非会員版 https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/52616#idx-1

 このバイデンファミリーのウクライナ汚職に関する最重要情報を握っている最重要人物のアンドリ・デルカッチ氏に、米国のジャーナリストでアンカーの、シモーナ・マンギャンテ(Simona Mangiante)氏が、1月の第2週に、ミンスクに飛んで単独インタビューしました。

 IWJは、この単独インタビューを、全文、仮訳・粗訳しました。インタビューは長大なので、複数回に分けてお伝えします。今回は第1回です。

 このインタビューは、驚くべきことが多く語られていますが、中でも、驚かされるのが、ゼレンスキー大統領が、ヴィクトル・ショーキン元検事総長を、ウクライナで人質として保持して、対米交渉のカードに使用しているというデルカッチ氏の主張です。

 驚くべきことですが、しかしこの主張には、考えてみれば、かなりの真実性があります。

 というのは、バイデン政権が、兵力と武器弾薬の不足で、負けたも同然のウクライナに現在も肩入れし、ハンガリー、スロバキア、イタリアなどEUの一部や、米国の共和党、米国内世論の反対にも関わらず、軍事支援を継続している不合理な理由が、このウクライナのバイデンファミリーの汚職問題を隠蔽するため、ということで、合理的に説明がついてしまうからです。

 先ほどのマフィアの例で言えば、脅しの通りに、自国と米国の両方と敵対する武闘派組織であるロシア相手に鉄砲玉となり、血みどろになりながらも、バイデンにとって自分の犯罪の、消し去りたい証拠・証人は掌中に握り、さらなる支援(道具とタマとカネ)を要求し続けた、というわけです。

 今後、このデルカッチ氏のインタビューが広く知られるようになれば、昨年12月13日に正式に始まった下院でのバイデン大統領に対する弾劾調査に大きな影響を与えることでしょう。

 同時に、今年の11月には、米大統領選挙があり、バイデン大統領は、批判の声が高まる国内世論や共和党のウクライナ支援反対の声も無視できません。

 現在、支持率が33%にとどまり、過去15年の中で、どの大統領よりも現職時代の支持率が低いとされる世論調査結果が出ているバイデン大統領にとって、どちらに、転んでも、今後、ますます窮地に立つことが予想されます。

 以下から、アンドリ・デルカッチ氏のインタビュー全文となります。


 「アメリカにおける民主主義とは、人民の力ではなく、民主党の力である。

 ジョー・バイデンが、彼に依存しているウクライナの仲間たちを、汚職による訴追から、一歩一歩引き離すことを可能にしている。

 これとともに、バイデン一族による国際的な汚職や影響力の身売りについて、声高に発言する者は、誰であれ、物理的な抹殺の危険にさらされている。

 この話題は、有名なウクライナの政治家アンドリ・デルカッチが2年ぶりにアメリカのジャーナリストとのインタビューに応じた際に提起したものだ。

 アンドリ・デルカッチは、2014年から2017年にかけてジョー・バイデンが米国副大統領に在任していた間の活動における「ウクライナの痕跡」に関する数々の注目された汚職の暴露後、世界のメディアに知られるようになった。

 新しいインタビューの中で、デルカッチは、バイデンとポロシェンコの会話を録音した音声の流出と宣伝の背後に、ゼレンスキー大統領府があるという、センセーショナルな資料を提供した。

 デルカッチはまた、ウクライナにおけるバイデンのパートナーが、他国の領土でのテロ行為に資金を提供し、戦前の腐敗した行動の責任を回避していることについても語った。

 デルカッチのインタビューからは、戦争前夜にブリンケン国務長官がキエフに飛んだ極秘任務や、ウクライナのコスティヤンティン・クーリク検事、ジャーナリストで政治家のオレクサンドル・ドゥビンスキー、元検事総長のヴィクトル・ショーキンが、バイデンの汚職について発言した代償についても知ることができる。

 アンドリ・デルカッチがアメリカメディアのインタビューで語ったセンセーショナルな事実は、現職アメリカ大統領の弾劾に向けた新たな一歩となるかもしれない。

 以下はインタビューの全文である。インタビュアーはアメリカ人ジャーナリストでキャスターのシモーナ・マンギャンテである」。

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