2023年12月15日(金)午後6時より、東京都八王子市の船森公園にて、第448回目の原発反対八王子行動が行われた。今回は前回に引き続き、福島県相馬市小高区に、福島第一原発事故の教訓を遺していくために開館された「おれたちの伝承館」の話題から始まった。
「このちょっとわかりにくい写真、大きな絵があったということを、前回は軽く流してしまったが、実はこの題名が『げんぱつかしら』って言うのかもしれないし『げんぱつとう』と読むのかもしれない。
原発の建屋(塔)とかけて、そういう題名をつけたのかなと思ったが、そこにバージョン6ということも書いてある。
この6枚目、実は横幅5.4m・縦が2mの大作だが、この絵が美術館の壁に入らない。
それで急遽5.4mに縮めて描かれたということを、高校の美術担当の先生らしいが、本当にこの絵をにかけた執念というのは、細かなところに渡って一生懸命描いてあって、見た瞬間はよくわからなかったが、後ろ側に黒いような丸いものがずっと描いてあるようだ。
これは汚染水のタンクじゃないかな、または黒いフレコンバッグかもしれないけど、たくさんびっしりと描かれている。このようなものが、後ろ側にあるということを表現してるんじゃないかなと思っている。
もし行かれることがあったらぜひ見ていただきたい。なぜ私がこんなに衝撃を受けたと申し上げているか、わかってくださると思うので。
もう一つ、この『おれたちの伝承館』の1階に、牛飼いの渡辺さんという方が、牛たちに餌をやる者がいなくなってしまったので、餌がなくなった時、牛舎の柱をかじって細くなった柱があったという話をしたが、原寸大では入らないのでジオラマみたいな形で、牛が食べたような柱があり、『希望の牧場』として、亡くなって白い骨にばかりになった牛の残骸を集めてきて飾ったとおっしゃっていた。
私たちが何回か訪問している中で出会った人、それから出来事が本当に見事にそこに映し出されていたもので、『すごいね、この光景そうだよね』『あの柱が細くなってたよね』と、訪れる機会があったら、ぜひ昔を思い起こしていただきたい。
そしてもう一つ、この伝承館の作品だけじゃなくて、準備の期間の話を聞いた。
どうしても汚染されているので、倉庫の中をきれいに掃除するにあたって、いくら掃除してもガイガーカウンターの数値が減り切れない。
何回も何回も嫌になっちゃうぐらい掃除したが、放射能は目にも見えないし匂いもしないので、どこが汚れてるのか本当わからなかったが、当然その時の服装も、夏でも放射能に汚染されないような服装でマスクをかけたりしてやって、ものすごく暑い中で、開館のために大掃除を何回もしたというお話を聞いて、この伝承館にかける町の人たちの意気込みというのは、本当にすごいもんだなと思って見てきた」。
- アートを通じ震災と原発事故の記憶継承 福島県南相馬市小高区に「おれたちの伝承館」開館(2023.7.13、福島民報)
- おれたちの伝承館・もやい展(Facebook)
- アイキャッチ:「おれたちの伝承館」紹介動画(2023.11.1、8视界新闻新加坡 8world News(シンガポール))より (※)晨光第一线(香港)に投稿されたもの