2023年11月17日(金)午後6時より、東京都八王子市の船森公園にて、第444回目の原発反対八王子行動が開催された。
最初に登壇した参加者からは、かつて大逆事件の際に、真っ先に「この事件はおかしい」と集会が行われた早稲田教会で、女性問題、特に従軍慰安婦問題を研究、資料にしたwamについての紹介があった。
「食い入れるように写真とか何十人か顔が貼ってあるのを見た。これだけ従軍慰安婦のことがちゃんとわかっている、事実を民間がきちんと掘り起こしているにも関わらず、政府は『いや、そんな事実はなかったと』言わんばかりでまったく認めないという、その姿勢に対して憤りを感じながら、でも、ぜひ私たちがこういうこと・こういうところがあるんだということを、みんなで知った上で戦っていかなきゃいけないなと思いながら見てきた」
- 第13回 特別展「アジア解放の美名のもとに – インドネシア・日本軍占領下での性暴力、アクティブ・ミュージアム 女たちの戦争と平和資料館(wam)、東京都新宿区 日本軍「慰安婦」問題 すべての疑問に答えます(烏兎の庭 – jardin dans le coeur)
続いて登壇した参加者は、新宿御苑ほか公園敷地内に、東京都が福島原発事故の汚染土を埋めようとしている計画と先月開催された「水俣・福岡展」について語った。
「11日に作家の平井玄さんの講演をしていただいた。新宿御苑に花壇の下に、中間貯蔵施設に除染土を溜めているフレコンバッグをわざわざ出して、新宿御苑と所沢と、それから筑波学園都市、この3カ所の公園に汚染土を持ってくる実証事業があるが、それについてのお話だった。
結局、原発事故の影響にしても、公園に持ち込んでも別にどうってことはないし、『原発事故ってのも大したことはないよね』っていう風に思わせるように、全国民に慣らしていくっていうのが目的じゃないかっていうのが、この平井さんの分析だった(中略)。
例えばこうやって雨が降る、それから台風が来る、なんていう時に、あのフレコンバッグを堤防に置いていた。あれが破れた。
あのニュースで思ったのは、そういうふうに土をかぶせておいても、地震が来たり台風が来たりすれば、それが滲み出てくる・どんどん破れて出てくるというのは、目にしているので、そういう汚染土に私たちが晒されるということになる。
被曝すると、特に公園とかは子どもたちが行くところ。だから本当に私たちの立場、子どもたちに被曝させないということをしっかり言っていかないと負けてしまうと思った。
それから、水俣フォーラム、水俣展を福岡でやっていた。大牟田に帰っていてこの展示会に11回も通った親戚の者に言わせると、本当に『水俣病とこの福島は非常に似ている』とのこと。
ちょっと紹介したい。水俣病の潜在的な被害者・患者は20万人いる、申請者が1万5000人、しかし認定者は2200人。2200人しか認定されていない。この前も大阪で、もう本当にお年の方たちが、水俣病の認定を求めて裁判された。そして裁判官はもう認めろって言ったのに、なんと熊本県も政府もみんな控訴した。だから判決が確定しなかった。
もうどれくらい経っているか? 戦後すぐだ。本当にすごいこと。だから今甲状腺癌になった人たちが350人いて、その中で7人の方、子どもの時に被害に遭った人たちが原告となって、甲状腺癌の政府とチッソの責任を求めて裁判しているのに、それに対してもういつまでかかるかわからない。そしてこの水俣病の認定もものすごい時間がかかった。
本当に呆れるが、似ているのがチッソの技術部長が言っていること。有害物質薄めて海に流せば、あの時は水銀だった。それを薄めて海に流せば無毒化、毒は薄まって、毒じゃなくなるって、このチッソの人が言っている、技術部長が。なんかどっかで聞いたことはないだろうか?
この『薄めて流す、海に流す』。本当に似てると思う。福島の汚染水。本当にこの水俣のことを思うと福島の事故、これに何にも学んでいないと思う。
その被害に遭った方たちに政府が言う『心を寄せて』という言葉は、まったく心がこもってない、嘘だ。だけど本当に私たちは心を寄せていかなくてはいけないと思う。同じ人間としてそういうふうに強く強く思う」
- 原発事故の汚染土流出 環境省は自治体に対策呼びかけず(2019.10.16、東京新聞)
- アイキャッチ:水俣・福岡展7日開幕 500枚の患者遺影など展示(2023.10.7、西日本新聞)より