コロナ禍で原発事故時の避難施設不足! 政府は「余裕をもって用意している」「足りなければ他県へ応援も」と言うが、現場はスペース不足! 他県への要請に妨害も!!~12.20原発の避難計画の実効性を問う院内集会&政府交渉 2021.12.20

記事公開日:2021.12.30取材地: テキスト動画
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(取材、文・渡会裕)

 2021年12月20、東京都千代田区の参議院議員会館で、全国各地の原発事故時の避難対象地域に居住する住民らが、原発避難計画の実行性について政府担当者と交渉を行った。

 国が策定した原発事故時の避難計画をめぐり、コロナ渦で感染症対策を余儀なくされたことで、避難所のスペースが当初の倍以上必要だということになり、政府は計画の見直しを迫られている。

 これについて国は関連自治体に避難所の拡充を指示したが、茨城県では県内に確保できないとして。県議会が「避難所の拡充を含めて県内市町村や他県との協議を開始した」と表明するなど混乱が生じている。

 内閣府の羽田野誉・原子力防災担当参事官補佐は「余裕をもって数は用意している」「十分でなければ他県への応援も」と述べた。

 これに対して「女川原発の避難計画を考える会」の日野正美氏は、宮城県美里町(遠田郡)の例をあげ「美里町は独自に山形県の最上町(上郡)と避難計画の提携を結んでるそうだが、それに対して宮城県は県内でやっているからそういうこと(提携)をやるな、と横やりを入れているそうだ」と指摘し、「そういうことがやられるとすれば他県での応援は不可能ではないか」と迫った。

 日野氏は「事実関係は持ち帰って確認するが、他県への避難ということもきちんと地域で考えていくべきだと思う」と述べた。

 また、「原子力規制を監視する市民の会」の阪上武氏は「感染症対策を考えれば足りないと自治体は言っている」「計画を立て直さなくてはいけないというのが今の事態じゃないか」と指摘した。

■全編動画

  • 日時 2021年12月20日(月)13:00~17:00
  • 場所 参議院議員会館講堂(東京都千代田区)
  • 詳細 国際環境 NGO FoE Japan サイト告知
  • 共催 原子力防災を考える会@茨城、エナガの会(千葉県東葛地域)、
  •   さようなら柏崎 刈羽原発プロジェクト、避難計画を案ずる関西連絡会、
  •   玄海原発プルサーマルと 全基をみんなで止める裁判の会、川内原発30キロ圏住民ネットワーク、
  •   国際環境 NGO FoE Japan、原子力規制を監視する市民の会

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