2021年7月15日、元東京都知事候補で弁護士の宇都宮健児氏は、東京都の小池百合子知事、菅義偉首相、丸川珠代・東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣、そして橋本聖子・2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長宛に「東京五輪・パラリンピック開催中止を求める45万超のオンライン署名と要望書」を提出した。また、IOCとIPCについては署名と要望書をメールで送りIPC本部には郵送でも送るとした。なお、IOC会長のトーマス・バッハ氏に対しては来日中であり、ホテルオークラ宛てに郵送した。
東京都庁の会見で宇都宮氏は、「東京都では4度目の緊急事態宣言が出され、沖縄では緊急事態宣言が継続され、神奈川、千葉、埼玉、大阪では蔓延防止等重点措置が延長されている」、また、「こういう状況の中で首都圏では無観客、北海道、福島でも無観客で開催される」という状況を踏まえて、「『復興五輪』とか『新型コロナに人類が打ち勝った証としての五輪』という大義が失われている」と指摘した。
さらに宇都宮氏は「このまま開催すれば、ただ、新型コロナのさらなる感染拡大の危険性だけが増すことになる」、「このような状況下で東京五輪・パラリンピックを開催することは『人間の尊厳の保持に重きを置く平和な社会の推進』を目指すというオリンピックの根本原則(オリンピック憲章)にも反することは明らか」、「今こそ私たちは、人々の命と暮らしを守るために勇気をもって東京五輪・パラリンピックの開催中止を決断する時だ」と述べた。
また、宇都宮氏は、IWJの単独インタビューで、署名・要望書を渡した反応について答えて「それは本当はメディアの方で追及してもらいたい」としながら、「5月14日に(小池都知事に)要望書を提出したが(同日IWJ既報)、これは(週刊)フライデー(講談社)が情報公開請求をしたら、要望書そのものはほとんど検討されないままに終わっているということがあった。それは大変問題だと思う」と述べ、署名は「当時35万人くらい集まっていたが、そのような署名を反映した要望書を、紙屑みたいに無視するというのは大変怪しからんとコメントした」と怒りをあらわにした。