日刊IWJガイドで連日お伝えしているとおり、オーストラリア軍を自衛隊が武器等防護の対象とする方向で調整を進めていることを岸信夫防衛大臣が2020年10月19日の日豪防衛相会談後に発表した。
- はじめに~自衛隊によるオーストラリア軍に対する武器等防護問題についてIWJは外務省と防衛省へ直撃電話!! 有識者へもメールで直撃質問!
- https://iwj.co.jp/info/whatsnew/guide/47651#idx-1(非会員版)
- https://iwj.co.jp/wj/member.old/nikkan-20201022#idx-1(会員版)
武器の使用も可能となる自衛隊法95条の2を根拠とした今回の取り決めは、同盟国ではないオーストラリア軍を対象とすることに関して様々な問題点がある。
そこでIWJではこの問題に詳しい有識者の先生方に意見をお伺いした。
有識者の方にお送りしたメールの文面は次のとおりである。
「10月19日に日豪防衛相会談が行われ、日本側がオーストラリア軍に対する武器等防護について調整を開始すると合意したと発表がありました。
IWJも参加、取材をいたしました10月20日の防衛大臣会見で岸信夫防衛大臣は、『日本と豪州はともに米国の同盟国であります。普遍的価値や戦略的利益を共有する、特別な戦略的パートナー』であると述べました。
続けて、岸大臣は『自衛隊法95条の2にもとづく、豪州軍の武器等の警護は、自衛隊と豪州軍が相互運用性を高め、平素から連携する基礎となるもので、我が国の平和と安全および日豪防衛協力にとって重要な意義があるものと考えております。
防衛省・自衛隊としては、自由に開かれたインド太平洋の維持強化に向けて、豪州との防衛協力をさらに進化させてまいりたいと考えております』と述べています。
コメントいただきたい第1点目は、①このオーストラリアと戦略的パートナーを組むことについてどのように評価されるか、ということです。
2点目として、②この『パートナー関係』は国会を通さずに発表されたものですが、法的にはどのように考えることができますでしょうか。
また、10月6日に日米豪印外相会合が行われました。この会合に出席したポンペオ米国務長は日本経済新聞のインタビューで『4カ国の協力を制度化すれば、本物の安全保障の枠組みづくりに入ることができる』と述べました。さらに、『中国共産党の挑戦に対抗する安全保障網』を築いていくという考えを示しました。
次にお聞きしたいのが、③この『4か国同盟』または『日米豪印戦略対話』が、日本などに対米隷従を強いる枠組みとなっていないか、あるいはいたずらに中国と敵対する東アジア版NATOへと展開する可能性についてです。また、その他の問題点についてお考えがあればぜひお聞かせ願いたいと存じます。
さらに、④この同盟国に韓国が入っていないことについて、なぜなのか。韓国は独自路線を歩むとお考えか。この点についてもコメントをいただければ幸いです。
東京新聞編集委員・五味洋治氏から頂いたコメントは以下のとおりである。