IWJ第10期の最終日が7月31日。期末最終日のうちにやらなければならない諸々のことをダッシュですませて、日付が変わったら第11期のスタートの日、2020年8月1日。明日の朝発行の日刊ガイドに手を入れて、巻頭に新しい期のスタートに際してのご挨拶として、書くべきことを書いて、帰宅。午前4時。
IWJを正式に設立したのは2010年12月。その約一年前からスタートは切っていました。岩上事務所のサイトWEB IWAKAMIを出発点に、チームとしてネットメディアを作ろうと、取りかかったのは2010年の早い段階。移行期に約一年。この間、移行期通信というメルマガも出していました。
IWJを正式スタートさせた2010年。僕もこの時期は40代から50代への移行期で、IWJの創業からの10年間は僕の50代全てと重なっています。IWJでの日々の仕事の一コマ一コマが、全部、大切な自分の人生と重なっています。かけがえのない10年であり、日々でした。
40代から50代に入った時は、これからが勝負の時、男の仕事人生のピークだなと思ったものでした。実際、50代の10年を駆け抜けるように生きてきたわけですが、その先に、ひとつだけ予想していなかったことに直面しました。それが自分が60歳を迎えるという事態でした。まさか、この俺が還暦⁉︎ 受け入れがたい現実でした。
自分が60歳になったことに驚き、とまどい、受け入れられずに、1年近く経つところまできてしまいました。60歳は、人生に一回しか訪れない。60歳という歳をゆっくり噛みしめるように味わうこともなく、60歳になること、60歳であることについて、思索を巡らす間もなく、IWJ第10期とともに僕の60歳の1年は過ぎ行こうとしています。
今月の18日には、61歳という中途半端な歳になってしまいますので、それまでの17日間、60歳について深く考えるか、単にしみじみ感慨を深めるか、何か記念になることでもするか、考えます。でも、それよりも大事なのは、IWJの第11期が8月1日未明から始まった、ということ。これは待ったなしです。
考えることは、10年前のIWJ立ち上げの時と同じではありません。あの時は、10年以内に自分が死んだり、働けなくなる可能性を1ミリも考えませんでした。今は考えます。死なないでも、仕事が思うようにできなくなる日が来るかもしれないとの考えがよぎります。それはいつなのか。5年後までは大丈夫か。もう少し頑張って10年後までいけるのか。久しぶりに雨が上がった8月1日の朝焼けの空に問いかけても、答えは返ってきません。(翌日知りましたが、東京は7月31日までが梅雨で、8月1日は梅雨明けでした。道理で天気がよかったわけです)
5年か、10年かで、ひとつ大きく違ってくることがあります。IWJのサイトの根本的なリニューアルです。今のサイトはもっと小さな貧乏所帯で、走りながら、あばら屋に増築や改築を重ねていったような作りで、ユーザーからも、いろいろご注文があるのだけれど、部分的な修繕では応じきれない問題を多々抱えています。
IWJをスタートした頃は、ちょうどiPhoneが出始めで、スマホ自体が珍しく、PCが大前提でした。この10年、そんな状況も大きく様変わりしました。今やスマホが主流であり、根本的にPCユーザーを前提として構築された今のIWJのサイトは、部分的にな手直しを何度重ねても、根本的にスマホ・ユーザーにフレンドリーにはなっていません。
部分改革を重ねてゆくにも限界があります。私があと5年でガタがきてリタイアすることがはっきりしているならば、そして引き継ぐ者もいないならば、新規投資は必要なく、このあばら家を増改築してきた、それなりには愛着も思い出もしみ込んでいるサイトで頑張り、皆様には、ご不便をおかけしますが、残り5年、おつきあいいただくようお願いするという結論になると思います。
しかし、もし10年、自分の命が続き、現役を張れるのだとしたら、できれば、まっさらな場所に新たな設計図で新たな言語で新築のサイトを建てて、そこへすべてのデータを持って引っ越したい、と考えてしまいます。アクセスするユーザーの使い勝手も格段に良くなるだろうと思います。しかし、見積もりを出してもらったら、軽く1000万円を超えると言われてガクン。
もし、僕が今、10年前の年齢、50歳だったら、これから先10年後もIWJを続けていることを疑わないので、迷わず借り入れしてサイトの新築に向けて走り出していると思います。しかし、60歳の今、これから10年、60代いっぱいを全力で働けるのかどうか。
5年でポシャるような自分ならば、1000万円の投資はしないし、できない。だが、これから60代の10年間、闊達に動き、働き続けた上で、爛々として70歳を迎えられるならば、何の心配もなくサイト新築に向けて投資します。できるか、できないか。これは賭けです。
ちょっと考えます。IWJを応援してくださっている皆さんも、よろしければお考えをアドバイスしてください。やるか、やらないか、決めるならば第11期に入った今です。新築せずに5年後、「あれ、俺、意外に元気だなあ、70歳まで全然現役でやれるなあ、5年前のあの時にやればよかったなぁ」と悔やんだとしても、その時では遅過ぎます。
IWJの10年が終わり、次は11年目が始まる、ということではなく、これからの10年を次のゴールに設定できるかどうか。考えるべきはそこ。あと10年いけちゃう、と思えたならば、サイトを一から新築しちゃうし、1000回に到達したばかりのインタビューも、倍の2000回を目指しちゃうし。ここが悩みどころです。
ひとまずは皆様、第11期のIWJにお力添えいただきつつ、これからの10年、ともに元気に健康に過ごせるよう、いろいろと考えてみましょう。