コロナ感染症の脅威が、身近に迫ってきた。今日は、歯科医の予約を入れていた。奥歯も前歯もガタガタになってきてしまい、奥歯の欠けているところにインプラントを入れる決断をしたのだ。怖い、お金がかかりすぎる、その後のケアが大変などの理由で後回しにしてきたのだが、そうもいかなくなった。
ところが、そのインプラントの歯科の先生から電話があり、今日の診察ができなくなった、という。患者さんの中に高い発熱を示し、重症化した方がおり、コロナ肺炎が疑われるので、万が一のことがあってはいけないので、今日からしばらく休業するのだという。
「その重症患者の方は、コロナ肺炎と確定診断されたのか?」と聞くと、「されていない」という。「検査をしてもらえない。国が止めているらしい。ひどい話です。私もその患者や病院側だけでなく、保健所とも連絡して相談したんです。症状からしてコロナ肺炎の疑いが強い。なのに検査をさせない」
インプラントの歯科医は、理由はどうあれろくに検査をさせない国のやり方に憤慨していた。その上でこう続けた。「しかし、確定診断できていなくても、その患者さんは、コロナの疑いがある。私どものところに通院もされていた。私や看護師らには全然症状はありませんが、接触はしていたわけです」
「万が一、この患者さんが本当にコロナ肺炎だった場合、私たちもすでに感染していて、これから来院される患者さんに感染させてしまう可能性がある。それは絶対にできないので、しばらく休んで様子をみます。再開できるような目処が立ったら、またご連絡します」。電話を切ったあとからゾッとした。
もしも、この重症化した患者さんが、本当にコロナ肺炎に感染していたら。。歯科医が言ったように、歯科医も感染していた可能性は高いだろう。歯科医という職業柄、患者の飛沫や血を浴びたり、呼気を吸い込んだりしていた可能性は高いのだから。もし、感染していて、彼が自主休業していなかったら。。
僕は、今日、予定通りに初診を受けにこのクリニックへ行き、レントゲンを取り、2メートル以内の距離で、この歯科医から懇切丁寧なインフォームドコンセントを受けて、「濃厚接触」し、もしかしたら感染者になっていたかもしれない。そう思うと、間一髪過ぎてゾッとする。
国は、行政検査の縛りを外し、民間の力を最大限借りて、国民が全員、速やかにこのコロナ検査を受けられるようにすべきだ。一度陰性が出ても、そのあと陽性になる人が続出している。感染の機会は日常のいたるところに転がっているのだから、国民が複数回受検できるようにするのは当然だ。
国は大規模な予算措置を講ずべきだ。もちろん、コストはかかる。しかし、感染の有無をす早く確認し、感染者を隔離し、という作業を大規模に全国で繰り返し行わない限り、このコロナウィルスのパンデミックは鎮められないし、他国への流出も防げないし、日本経済と社会への大打撃は避けられない。