「今まで投票に行ってない人を掘り起こせば、改憲勢力にとっては分母が変わる」――。
2016年7月7日夜10時過ぎ、東京都渋谷区の代官山UNICEでIWJが開催した「参院選直前緊急集合!七夕クロストークカフェ」に、参院選東京選挙区で立候補している三宅洋平氏が駆けつけた。
▲ 三宅洋平氏
安倍政権による安保法制の廃止と、改憲勢力が虎視眈々と狙う参議院議席3分の2以上獲得の阻止――。市民らの強い要望を受け、全国32の一人区で民進、共産、社民、生活などの野党統一候補が実現した。
改選数6の東京選挙区は、与野党無所属の候補者31人が乱立している。それでも、三宅氏の立候補は野党候補の票を削ると、批判がある。
「僕も票割れって叩かれましたけれども、違う。票増しにきたんだ」。三宅氏は力を込めた。
3日後に迫った参院選の投開票。IWJ代表の岩上安身は、改憲勢力が3分の2の議席を取るかどうかについて、「ほとんど互角の勝負ではないか。しかし、万万が一、3分の2取られたら、次は国民投票の勝負。これを視野に入れないわけにはいかない。ここをどう考える?」と問いかけた。
三宅候補は、「まだ国民投票があるから大丈夫、という意識が非常に危うい。国民投票には公選法がないんで、もうお金がある側は、ジャンスカ、キャンペーンしますよね」と危機感を募らせる。
SEALDsメンバー、中野晃一上智大学教授らとともに、市民シンクタンク「ReDEMOS(リデモス)」を立ち上げた水上貴央弁護士も、「公選法の規定が準用されていないので、電通とか使って、がんがんテレビCMとかしまくっても、特に違法ではない。やり放題」と解説する。国民投票に勝負が持ち越された時、有権者が正しい情報を得て判断が下せるか、非常に危うい。
もし参院選で改憲勢力が3分の2議席を獲得し、国会で改憲が発議されると、60日以後180日以内に国民投票が実施される。
すでに衆議院で3分の2の議席を獲得している自公政権は、10日投開票の参院選で3分の2議席を獲得するか、民進党の中の改憲派議員らに働きかけ、参議院議員の3分の2に改憲の発議に賛成させることに成功すれば、国民投票となる。
水上弁護士は、日本会議が10年かけて、国民と政治家の中に改憲勢力を育ててきたと指摘。「それを我々は3カ月でやらなきゃいけない。ただし、我々には、彼らにない最大の武器がある。それは、我々には大義がある。我々には大義があるので、3カ月で巻き返せるはずです」と呼びかけた。
三宅候補も「国民投票というテーマも、次なる政権を、ほんとうに市民が取っていくんだっていう動きに直結させて語っていったほうがいい」「何十年間の日本会議の運動量、創価学会が公明党を押し上げてきた運動量に、自分たち自身が勝っていくしかない。ネガキャンではなく、ポジキャンをとにかく打っていくしかない」と応じた。
以下に、三宅氏の登壇中の模様を全文掲載する。
- 日時 2016年7月7日(木) 20:00~
- 場所 代官山UNICE(東京都渋谷区)
<三宅洋平氏登壇中のクロストークカフェ・全文文字起こし>
岩上「どうもありがとう。はい。三宅洋平さん、到着しました。ありがとうございます。今、選挙フェス終わって、それですぐ駆けつけてくれたという」
三宅洋平氏(以下、敬称略)「そうですね。こっちを間に合わせようと思って、先に、選挙フェスの後の撮影会をやめて、東京ドームへ行ってきて」
岩上「あ、東京ドームへ行ってきて。そっちでチラシ配りやって」
三宅「チラシ配りと握手会をやって今、駆けつけました。お待たせいたしました」
岩上「ありがとうございます。お座りください。今日、3人で、それぞれスピーチしてたところです。あと3日後ですよ。選挙ね。そして、3分の2を超えそうなんじゃないかと。3分の2、改憲派に取られそうなんじゃないかという観測がメディアによって流されている。それはもう、ほとんど互角の勝負だと思います。そういうような状況のなか、まず、この3日間で、僕ら、なんとしてもこれを阻む。
阻むために何をするか。これが一点。それと同時に、これを取られるってことがどれほど大変なことか。その戦争の可能性とか、そういうことも全部含めて、孫崎さんに、非常に大きなグローバルな話や、日米関係の話もしてもらっていました。
で、仮に取られてしまったら、その先には、国民投票があるんですよ。この選挙終わったら、それで終わりだと思ってる人も多いんですね。SEALDsの皆さんも、この選挙が終わったら解散だっていうことを一応アナウンスされてる。
若い人の気持ちとしては、もうくたくただと思うんですよ。だから、ここでもう、一区切りつけたいと思ってる気持ちはよーく分かるんだけど、3分の2取られたら、次は国民投票なんです。ここは、SEALDsの若い人たちに休んでもらっててもいい。おっさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃん、子・孫のために、一働きしないと、やっぱりそう思うんですね」
三宅「その通りだと思います」
岩上「あと3日、それからその後、万が一取られてしまったら、どうするのかということ。ここらを、まず三宅洋平としてどう考えているか。
僕との電話での話では、今回立ったけど、今回立ったのは、これっきりで終わる気ないからと。当選か、落選か、関係なく、20年でも30年でも戦うと。今回の選挙で、ぎりぎり3分の2は防ぐことができたって、これだけ改憲勢力がふくれあがっている現実は変わらないから、これと20年でも30年でも、仲間を集めて戦い続けますよって、彼は言ってくれたんですね。その話を聞きたいんです」
▲IWJ代表 岩上安身
「マスコミの情勢分析がいかに誘導的で当てにならないかを実感してます」
三宅「はい。実際、マスコミの情勢分析っていうのが、どのぐらい誘導的で当てにならないものかっていうのは、今回、選挙に出ていて、実感してます。基本的に日経リサーチ社なんかがやってるのは、固定電話に昼、電話してますから、そもそも、今日日、昼間、家にいて、固定電話があるっていう人は、特に若年層と呼ばれている20代から49歳にはいませんよね、ほとんど。ご商売されている方ぐらいですよね。
そうすると、相当、やっぱり偏った情勢分析から、自公有利というのが、もう初日から出続けてると。これに対して、今まではかなり、やっぱりマスコミがそう言ってるんだったら、これは三宅氏、不利なんじゃないかとか、僕のみならず、護憲勢力も、これ勝てないんじゃないかっていう厭戦ムードが出るんですけど、今回は、やっぱり、特に自分が出た3年前よりも、さらにネット選挙っていうのがクオリティが上がっていて、なんかみんなが逆に、これはおかしいぞっていうことに気づき始めてます」
岩上「おかしいという意味は?
おかしいというのは、マスメディアの言ってることと、現実が乖離しているという意味ですか?」
三宅氏「そうですね。もう一つは、現実っていうのもあるんですけど、ネットの世界での世論と、マスメディアの世論というのがとても乖離している。その乖離っていうのが、世代的な乖離ではなくて、要するに、マスメディアが非常に恣意的であるということに、つまり、もうなんか、非常に、企てが雑になってきてるので、バレバレになってきてるんですよ。だから、僕は今回は、三宅洋平、完璧にネグレクトされてますけど、これをネタにしてます」
岩上「孫崎さんは、朝日新聞が三宅さんのことを書かないことに、激怒してブログを書いてました」
三宅「ありがとうございます」
「街頭演説の聴衆の皆さんのうち、新聞を購読してる人は15%いない」
三宅「いい角度から、援護射撃してくれるんで、ありがたい限りです。
結局は、だから、今、マスメディア自体も、安倍政権と同じぐらい、風前の灯火、最後にちょっと頑張ってますけど、もう時代が変わろうとしていて、各地で、多い時は1万人以上の街頭演説の聴衆の皆さんが集まってくれてるんで、ちょっとこの中で、新聞を購読してる人っていますか?ってやると、15%いないんですよ」
岩上「ここで聞いてみましょうか?」
三宅「はい」
岩上「新聞をおうちで取っていらっしゃる人?」
三宅「ここは多いと思いますよ。政治に関心ある方多いと思うんで」
岩上「ありがとうございます。じゃあ、家でテレビ、もう見てない人?」
三宅「多いですよね」
岩上「多いですよね」
三宅「だから、瀕死の状態だと思いますよ。マスメディアは」
岩上「瀕死状態だと思いますね。ほんとう。広告も、だいたいもう抜けちゃってますからね」
「消費者マインドから当事者マインドに、僕ら全員がなっていく。僕ら自身がメディアになる」
三宅「そうですよね。だから、そうすると、みんなが、僕らをネグレクトすればするほどに、彼らの恣意性が如実に表現されていくんで、これは逆に、僕らとしては、逆手に取って、力に変えていくと。
じゃあ、誰がメディアなんだ?っていう時に、IWJか?と。違う。IWJはみんなをつないでいるだけで、やはり消費者マインドから当事者マインドに、僕ら全員がなっていって、メディアは僕ら自身でしょ、ということを訴えかけると、すごく皆さん、おお~ってなって。
これまでは、一票入れますって言ってくれてた人たちが、10票集めました。20票集めましたって言ってくるんですね。だから、そういう意味じゃ、新しい政治層が、選挙のやり方、力学を覚え始めて、自分だけ黙って投票しても、世の中は変わらない。もう、創価学会が公明党を押し上げるように」
岩上「フレンド票のやり方を覚えちゃったっていうんですね?」
「天皇を元首にとか、個人の尊厳を削りますとか。日本の歴史上、こんなに国民に危機感と人権意識に目覚めさせた総理大臣はいない」
三宅「そういうことですね。はい。ここで、僕が呼びかけているのは、十中八九、友達に選挙の電話をしたら、うざがられますと。これ、街宣で言ってるんですよ。ただし、くじけないで欲しいと。十中一を取ったら、10%は、東京都で有権者の数で言ったら、100万人ですよと。100万人、今まで投票に行ってない人を掘り起こせば、これは改憲勢力にとっては分母が変わるんで、非常に脅威ですから、彼らはとにかく、前回の国政選挙で言えば、4,922万人が投票に行ってないわけです。自民党に入れた人は、1,765万人ですから。もうとにかくこの人たちに選挙に来られるのが、脅威なんですよね。
そこを掘り起こすネタとしては、例えば、天皇を元首に、とか。個人の尊厳を削りますとか言ってる改憲というのは、よくぞ言ってくれたって感じですね。これほどみんなが、危機感を覚えて、もう今回はいかなきゃまずいぞと思わせるネタはないんで、そういう意味では、日本の歴史上、こんなに国民に人権意識を目覚めさせた総理大臣はいないということで、安倍首相には、将来、国民栄誉賞でもぽいっと上げといたらいいと思います。人権教育、素晴らしいってことで。そういう動きは感じます。
それは、街宣に来られる、あるいはこういった現場に来られるみなさん、もちろん政治意識高いですから、じゃあ、本当に一般はどうなんだっていうのを、実は僕、ちょっと今興奮しているのは、東京ドームの前に行って感じたんですよ。まず、山本太郎と僕が並んでいるだけで、うわ~っと、混乱になるぐらい人が寄せてきて、まず、『太郎くん、頑張ってるね』と。じゃあ、もう太郎くんが客寄せパンダで、そこから、僕はみんな通過するのかなと思いきや、『もう入れました』っていう人とか、『フェイスブックで見ました』とか」
岩上「期日前投票ですね」
三宅「そうなんですよ。『今、このネットでものすごい話題でしょ、あんた』とか言って。知ってるんですよ、僕を。
そういう意味では、2日目の高円寺での演説が今、50万回再生されてますけど、すごいこれは、実勢調査として、野球を見に行ってた阪神巨人ファンが、どのぐらい政治に関心あるかなと思ったら、今回は、『やっぱ安倍政権は』とか『改憲、まずいっすよ』とか、みんな口々に言ってきたんですよ」
「阪神巨人の壁を越えた『改憲反対、安倍反対』。このダイナミズムが今回の参議院選挙の中心」
三宅「だから、そういう意味で、改憲反対、安倍反対っていうのは、阪神巨人の壁すら越えてるんですよ。そこを一本化しちゃってますからね。だから、そのダイナミズムが今回の参議院選挙の中心になっているということを、特にまだ決めてない人、それから今まで投票に行ってない人。たぶん、まだ半分以上いるんですね。
この人たちにとって、選挙ってたぶん、明日ぐらいから認識するんですよ」
岩上「なるほど」
三宅「あ、そうだ。日曜日選挙じゃんねと。どうしよう。誰に入れよう。誰がいるんだっけ?という人が半分以上いるんで、目覚めている皆さんが、実はもうここまででちょっと疲れてるんですよね。選挙に。ここで飽きちゃいけないんですよ。この、明日からの2日間ぐらいを、今日入れて、よく3日戦争って言いますけど、それは本当で。明日からの2日間、どのぐらい皆さんが周りの皆さんに、投票行為を促すかっていうのが、キモになると思います」
岩上「実際、回ってみると、東京広いでしょ。今まで、渋谷とか、若者の街中心だったのを、僕も、いや、東京の東半球回んなきゃっていうことをちょっとアドバイスさせてもらって。北千住とか、小岩とか、行ってくれてるじゃないですか。それから、三多摩にも行ってくれている。もう手応え全然、やっぱり違うと思うんです。そこにしかいない人っていますからね。
東京にずっと暮らしながら、渋谷にまったく行かない人もいますから、そういう人に届けるの、大変なことだと思いますし、東京で勝つのも大変なことだと思うけど、同時に、三宅洋平、山本太郎という、これだけの訴求力のある人たちは、ネットを通じて、ものすごく見られるんだから、田舎という田舎の人たちに、その選挙区で投票してくれ、そして、野党共闘やってるんだから、他の候補者に投票してくれ。
そういう全国的な呼びかけもしている、一人ここで勝っても、3分の2取られちゃったら、負けですから。『3分の2阻止しようぜ』ということの呼びかけですね。ここ、すごくしてもらってますけれども、その手応えっていうのはどうですか?」
東京選挙区の運動でも、ネットの拡散力で全国に波及「掘り起こされた無投票層は『宝の山』だ」
三宅「やっぱりネットの拡散、全国なんで、みなさん、新しい政治意識層ってまだ選挙のルールが分かってない人も多いんですよ。驚くぐらい。だから、私は三宅さんに投票出来るんですか?って、群馬の人が言ってきたりするんですよ。
これは、まあ格好のチャンスで、いやいや、群馬にはこういう人いますよと。堀越啓仁いますよと。これ、中曽根の孫と頑張ってますから、戦ってますから、ぜひ、勝たせてやってほしいし、事務所に行って手伝ってくれ、みたいなことは、もう都度都度言い続けて、今、街頭に来ている人も、けっこう静岡とか、色んなところから来てるんですよね」
岩上「全国から集まってますからね」
三宅「そうなんです。全国から集まってます。でも、いても立ってもいられないから、鹿児島から来ましたっていう人は、すぐ返してます。なにやってんだって言って」
岩上「地元でやれと」
三宅「地元の選挙区でやれって言って。だから、波及はしてると思います」
岩上「しかも、鹿児島、知事選もあるぞと」
三宅「そうなんですよね」
岩上「ダブルですからね」
三宅「はい。だから、そこの波及は、やっぱり一つネットの力っていうのは大きいし、やっぱり東京が少し、青息吐息になってた野党共闘が、僕も票割れって叩かれましたけれども、違う、票増しに来たんだと。
例えば、社民党を応援されている方なんかでも、最近、こういうことを言い始めた人がいるんですけど。三宅洋平は、票割れじゃないと。三宅洋平が掘り起こした無党票層は、我々にとって宝の山だってことを言い始めてるんですね。だから、その意識で、全国の護憲勢力が最後2日、東京がやっぱり渦を巻けば、息を吹き返すと、僕はまだ思ってるので、その発信は続けたいし、僕自身、沖縄選挙区なんで。投票は。やっぱり、伊波洋一をきっちり通さなきゃいけないし。そうなんですよね」
岩上「それは期日前投票してきたんですか?」
三宅「今、慌てて書類を取り寄せて、なんとか滑り込みで間に合いそうです」
岩上「滑り込みで」
三宅「危なかったです」
国民投票には公選法がない!?カネの力にまかせて、電通を使って、がんがんテレビCMを流しまくっても違法じゃない!?
岩上「そして、その上で、勝つか負けるかぎりぎりのところであるんでしょうけど。万万が一を、予想したくはない。勝負なんだから、勝つって信じてやるんですけど、それでも、万が一、(3分の2を)取られたら、あるいは、おお、ぎりぎりで3分の2阻止したと思ったら、中間派にいる奴が、転んで、あるいは、民進党あたりにいる日本会議所属議員みたいな奴が乾坤一擲、どーんと積まれて向こうへ転ぶみたいなことになったら、(3分の2を)取られちゃうだろうと。
さっき2カ月ぐらいの間に工作されるだろうなってことを水上さんが言ってたんですよ。そこを含めて、国民投票の勝負ということを、これ、視野に入れないわけにはいかない。
ここは現実的にどういうふうに見てますか?どういうふうにしよう。どういうふうに考える?あるいは、みんなどうするべきだっていうふうに言いたいか?」
三宅「すごく素人の方の意見としては、まだ国民投票があるから大丈夫だと。なんで、今回の参議院選挙をラストチャンス、ラストチャンスと三宅さんは言うんですか?と言われるんですよね。なんか、まだ国民投票があるという意識が非常に危ういなという話はしてます。
つまり、国民投票で過半数取れるぐらいなら、今回の選挙で自民党に勝ってるじゃないですか。そこが分からないんですよね。まずその力学を繰り返し説明して、そこからどのぐらい巻き返していかないと、国民投票でも、圧倒的に負けてしまうかっていうことを、危機感を煽っていくしかないと思います。
危険なのは、国民投票、公選法がないんで、もうお金がある側は、ジャンスカ、キャンペーンしますよね」
岩上「え?公選法がないの?」
三宅「はい。選挙じゃないんで」
水上「公選法の規定が準用されてないので、電通とか使って、がんがんテレビCMとかしまくっても、特に違法ではない。やり放題」
岩上「買収とかどうなるんですか?」
水上「公選法の規定はないので」
岩上「ええっ?」
三宅「これが国民投票のマジック、トリックなんですよね」
岩上「めちゃくちゃじゃないですか。それ」
三宅「めちゃくちゃ不利ですよ」
岩上「それ、どうやって戦う?」
三宅「いやあ、もうどうしましょうね。それまず、1回ちょっと本当に、終わったらすぐにみんなで集まって発信していくしかないし」
▲ReDEMOS理事・弁護士 水上貴央氏
「我々には、大義という大きな武器がある。日本会議の10年を3カ月で巻き返せるはずだ!」
岩上「リデモス(ReDEMOS) としては、どういう戦い方が市民連合なんかも含めて、呼びかけられると思ってます?」
水上「まず、大きく重要なのは、戦略とコンテンツとヒーローの三つが必要。ヒーローはここにいますね」
三宅「一人じゃ足りないっす」
水上「リデモス(ReDEMOS) はコンテンツ作ります。みんなが分かりやすく。今回、私もずいぶんバズらせていただきましたけれども。バズったコンテンツみたいなやつを、今回の、そもそも国民投票って本当に民主的なの?っていう話とか、あるいは、今回の改憲、どんだけヤバいのって話とか、分かりやすいコンテンツをもちろん作ります。
で、ヒーローはいます。その上で、皆さん自身が、どういうネットワークを作っていくかというところ。つまり、皆さん自身が発信するっていう話になるんですけど。これは実はたぶん、この3日間、みなさんが参議院選挙で頑張るっていうことが土台になってるんだと思うんですよ。つまり、この3日間皆さんが頑張ると、二つのことが生じるんです。
一つは、仲間ができます。頑張った結果として。もう一つは皆さんのなかで、一線を超えるんですよ。一番最初が一番大変。例えば、友達に電話かけるのも、一人目に電話をかけるのが一番大変なんですよ。ね。で、かけちゃうと、静止摩擦係数と運動摩擦係数は、運動摩擦係数のほうが小っちゃい。物理学でも。
っていうのと一緒で、動き出しちゃうと動いちゃう。そうすると、国民投票って選挙と違うので、ワンイシューでしょ。共産党がいいとか、公明党がいいとか、三宅洋平がいいとか、言う必要がないわけ。とにかく、もう憲法じゃないものに変えられるのだけは阻止するというワンイシューで戦えるから、ネットワークの使い方としては、使いやすくなるんですよ。
ただ、そのためにはネットワークがまったくないと駄目なんです。なので、今回の選挙とか、難しいはずですよ。だって、色んな候補がいるから。特に、東京なんて、複数人区だから。難しいと思うけど、そこでこの3日間頑張れた人は、今度の改憲の(国民投票の)とき、絶対頑張れますよ。
このネットワークがどうしてもないと、ヒーローがいるだけじゃ駄目なんです。三宅さんも死ぬほど頑張ってくれると思いますけど、三宅さんだけを殺しても仕方がないわけですよね。
コンテンツはもちろんこっちで作りますから、コンテンツを武器に、三宅さんという一種のアイコンをこっちが活用する。みんなが活用する。アイコンですからね。アイコンを我々が活用するんだと。くまモンと一緒だと。くまモン三宅って。そういうつもりで我々が動き始めると、一気に巻き返せます。
日本会議は10年かけてやったわけですけど、我々はそれを3カ月でやんなきゃいけない。ただし、我々には、彼らにない最大の武器がある。それは、我々には大義がある。
我々には大義があるので、3カ月で巻き返せるはずです。という話をしたいと思います」
「アーティストも政治を語り始めた」
岩上「ありがとうございます。選挙フェスは、選挙が終われば終わるんだけど、でも、人生でもしかしたら、一生に1回かもしれない国民投票。どうやって戦ったらいい。
公選法の縛りもない。もうなんでもありだと思うんだったら、僕も街頭かけずりまわっても、なんでもいいし、どういうふうに、何ができるんだろうって僕も考えるんですね。三宅さんは、国民投票フェス、みたいなことをやるの?毎日、そういうことをやろうとお考えですか?」
三宅「毎日フェスやるのはさすがにたぶん、やるほうも来るほうも疲れちゃうと思うんですけど。例えば、でも週に」
岩上「でも、これ全国ですよ」
三宅「全国でやっていくっていうのは、考えてますし、あとは、今回の選挙でも実感しているんですけれども、実は各界で言ったら、大手の通信社とかから仕事を受けてる現場のデザイナーや、グラフィックデザイナーや動画作る人、撮影してる人、こういう才能が、僕レベルの選挙でもものすごい集結し始めてるんです。だから、やっぱりアートとか文化の力っていうのが、この改憲ヤバし、というところで、さらにものすごい力を発揮してくると思います。
アーティストもだんだん政治を語り始めました。もはや、今、これに乗り遅れるほうがまずいっていう空気が出てます。それから、スポーツ界も、そろそろ口を開き出すと思ってます。こういった形で、文化っていう側面が、根強くこの動きを政治とコミットしていくことで、フェスのみならず、色んな形での発信を続けていくことが出来ると思ってます」
「国民投票というテーマも、次なる政権を市民が取っていくんだっていう動きに直結させて、語っていこう」
三宅「それから、PODEMOSがやったことなんかを参考にすると、要するに、総得票では野党は勝ってるじゃないですか。だから、例えばですけど、PODEMOSがやったのは、とある日に突然インターネットで無料の党員募集をしたところ、第一党と第二党を2週間で超える党員数が集まっちゃったんですよ。インターネット上で。
でもこれって、数の力ですよね。例えば、僕が選挙が終わった直後に、そうだな、たとえ話ですけど、じゃあ、新党作ります。もうこのまま選挙の勢い止めませんって言って、次の日に、すぐ新党作って、インターネットでバナー作って党員募集して、2週間で例えば、240万人とか、全国で集まりかねない勢いが今あるんですよ。そしたら、これ、比例に出たら、もう2議席ですよっていう数ですよね。例えば。
そういう動きを、もう即座に次に始めていく。改憲っていうことを止める勢力は何人いるのかっていうことをインターネットだけでも、相当の人数を計測できるはずなんです。例えば、それが1,200万人とか、1,500万人になったときには、はい、じゃあ自民党とほぼ並んできたので、このまま政権取りに行きましょうって勢いもつくれるはずなんですよ。その数字をベースにして、政権を語っていったときに、野党共闘っていうのも、もっとスムーズになるし、本当に俺たちは政権を取る力があるんだという実感が出た時に、色んな、今起きている思想的な、あるいは政策的な軋轢も、もっとうまく乗り越えていくムードが作れると思うので、実はこの国民投票というテーマも、次なる政権を、ほんとうに市民が取っていくんだっていう動きに、もう直結させて語っていったほうがいいと思ってます」
会場との質疑~開票作業の不正対策
岩上「はい。せっかくの機会ですから。もう本当は時間ないんです。10時半になっちゃいました。10時半になっちゃいましたが、みなさんからの三宅さんに聞きたいということ、受け付けたいと思います。ありますか?ない?すぐないんだったら、孫崎さん、あるいは水上さん。いる?はい。じゃあ、そちら」
客席「ボールペンで書くとか油性ペンで書くとか。そのもとを見ると、なんかそれ自体に僕は根拠を感じないんですね。もしも、この機械にこういうふうにやったらそうなるだろうっていう。ちょっとあの意味。投票用紙に、鉛筆でやると不正にしやすいっていうこと」
三宅「ようはムサシとかの話ですよね。これは僕も、まずムサシ不正疑惑っていうのは僕が言い出したことではまったくないということを、まず言っておきますね。例えば、選管に確認を取ったんですよ。なんで鉛筆なんですか?答えがないんです。じゃあ、ボールペンとか、マジックで書いてはいけないんですか?と言ったら、それは自由ですというのが答えなんですね。
僕は自分の選挙に前回出た時、もう気合いが入ってたんで、油性マジックで書いたんですよ。もう絶対消されたりとかしたくないと思ったんで、三宅洋平と、自分の名前をはじめて間違えそうになりましたけど。で、実際問題、ただ白紙票と入れ替えるとか、こういう不正はいくらでも起きてきてるわけです。今まで。
これはもう、例えば、市の選管の人間が市の職員が選挙が終わった後、鍵を閉めた投票箱を、鍵を持ってる人が開けて、誰々と300票積んであるものと白紙票300票を入れ替えたっていうのが、例えば、2013年の参議院選挙でも、高松市で起きてます。それで逮捕されてます。だから、選挙に不正は起きてるんですよ。
だから、ムサシ以前の話なんです。そういうアナログな不正を防ぐためにも、僕は、なんで鉛筆で書かせるんだろうと思った時に、それは消せるからじゃないですか。消しゴムですよ。ムサシ使う必要ないですよ。消しゴムで消せますよね。昔はそういうこともあったんじゃないかとも思うし、これはもう、分かんないです。
ただ選挙に参加して思うのは、奴らはなんでもやってくるっていう実感なんですよ。その奴らっていうのはぽわ~んと皆さん思い浮かべてると思います。政党名とか言わないようにしますけど、本当に選挙になると狂ってしまうんですよ。人間は。だから、何でもやるんです。
そういう意味で、僕は選管に確認を取ってマジックでいいって言うんなら、マジックで書いたほうがいいと思います。なぜ、わざわざ鉛筆が用意してあるのかが不思議なんですよ。そのことに関する根拠は選管も説明できてないというのが、つまり信用を担保出来てないことが問題だと思ってます」
会場との質疑~投票したい候補よりも、3分の2阻止を優先すべきか?なぜ三宅候補は身なりを整えて、勝ちに行かないのか?