【フルテキスト掲載!】消えた1050万円、カレンダー配布、税金還流…島尻安伊子議員の数々の不正疑惑に迫る!岩上安身による神戸学院大・上脇博之教授インタビュー! 2016.3.26

記事公開日:2016.4.9取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・佐々木 隼也)

※日本の政治の真の争点は改憲による緊急事態条項の導入!改憲派による参院議席3分の2を許すな!~関連記事・動画期間限定フルオープン!
※6月9日テキストを追加しました!

 沖縄が揺れている。2016年4月に起きた元米兵で米軍属の男による女性殺害事件に続き、6月4日には米兵による酒酔い運転事故も発生した。沖縄県民のなかで今、在沖米軍への反発感情が最高潮に達している。

 しかし安倍政権は辺野古移設の姿勢を堅持している。その一翼を担っているのが、沖縄・北方担当大臣である島尻安伊子・参議院議員だ。

 7月の参院選で改選を迎える島尻氏は、6月7日の記者会見で「堪忍袋の緒が切れそうだ」と在沖米軍を批判してみせた。しかし島尻氏の怒りのポーズに沖縄県民の大半は「何を今さら」とシラケているのではないか。沖縄県民の堪忍袋はとうの昔に切れている。それは6月5日の沖縄県議選で、米軍普天間基地の辺野古移設反対を掲げる翁長知事を支持する勢力が大勝したことを見ても明らかだろう。

 参院選の沖縄選挙区は、「オール沖縄」候補として辺野古移設反対を掲げる元宜野湾市町の伊波洋一氏と、島尻氏のほぼ一騎打ちとなる。そんな島尻氏に今、沖縄県民の民意という逆風が吹いている。

 しかも島尻氏には、かつて沖縄県民の民意を裏切った「前科」がある。島尻氏は2010年の参院選で「県外移設」を公約に掲げて参院選で当選しながら、その後あっさりその約束を破棄。2015年には、辺野古移設の反対運動について「責任のない市民運動だ」とまで言ってのけたのだ。

 そして今、さらに沖縄県民の島尻氏への不信感を増大させているのが、「政治とカネ」の疑惑である。

 岩上安身が3月27日にインタビューした「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之教授(神戸学院大学)は2015年11月、島尻氏が顔写真入り「カレンダー」を無償で選挙区内に配布し、自民党沖縄県参議院選挙区第二支部の借入金計1050万円を収支報告書に記載しなかったなどとして、公職選挙法違反(寄付行為の禁止)と政治資金規正法違反(不記載)の疑いで、刑事告発に踏み切った。

 「顔写真入りカレンダー」の無償配布、収支報告書から“消えた”1050万円、そして親族経営企業からの「不正な」献金??インタビューでは島尻氏の疑惑の一つひとつを丁寧に紐解き、分析した。

 以下、インタビューの全編動画と全文文字起こしを、公共性を鑑みIWJ会員以外にも特別に全公開する。上脇教授と岩上安身が指摘する島尻氏の「政治的な問題点」と「法的な問題点」の数々をぜひ、確認いただきたい。

■ハイライト

■全編動画

  • タイトル 岩上安身による神戸学院大学・上脇博之教授インタビュー
  • 日時 2016年3月26日(土)13:30〜17:00
  • 場所 神戸学院大学ポートアイランドキャンパス(神戸市中央区)

刑事告発された8人の議員の正体!! その第1号は沖縄・北方担当大臣の島尻安伊子議員!

岩上安身「皆さん、こんにちは。ジャーナリストの岩上安身です。私は神戸に来ておりまして、昨日に続き、神戸学院大学教授、上脇博之先生にお話をうかがいます。上脇先生、よろしくお願い致します」

上脇博之氏(以下、敬称略)「よろしくお願いします」

岩上「インタビューの二日目、今日は8人分プラスアルファ。配信時には一つ一つ区切って、お届けしたいと思います。大変タフなインタビューになりますが、こぼれ落ちたら、3日連日になってしまうかもしれませんが、どうぞ、ご協力よろしくお願いいたします」

上脇「はい。こちらこそ」

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岩上「チャプタータイトルは『刑事告発された8議員の正体!』。8人もいます。第1号が自民党の島尻安伊子沖縄担当大臣になります。この方が島尻安伊子さんですが、『台所から政治を変える!』というふうなスローガンで当選されました。

 沖縄の生まれ育ちではなく、一族親族も沖縄の人間という方ではありません。宮城県の仙台市に生まれ育った、沖縄の言い方をすれば、『ウチナンチュー』ではなく『ヤマトンチュー』です。

 2004年、那覇市議会補欠選挙で初当選。旦那さんが沖縄の方で、結婚して移り住んだそうですが、選挙のプロの間では、旦那さんよりも安伊子さんのほうが弁が立ち、演説がいいから、いい『タマ(候補)』になるという評判だったそうです。

 その後、2007年、2010年に参議院議員補欠選挙で、いずれも沖縄選挙区から出馬して、当選。2010年の参院選、『命がけで米軍・普天間基地の県外移設に取り組む』と訴えて、支持を集めました。

 野党の立場に立って当選したわけですが、当選後に公約は破棄して辺野古新基地建設賛成に転じたんですね。コロッと自民党の側のほうに行ってしまった。そうなると爆走して、2015年4月にはもう自民党県連会長に就任した。ものすごいスピード出世ですね。

 『辺野古移設の反対運動は責任のない市民運動だ』と、自分がやっていた市民運動について今は非難しているため、島尻安伊子ではなく、『島“売り”あいこ』と揶揄されております。

 こんな方なんですけど、先生、ご存知でしたか、この方のプロフィールは?」

上脇「詳しく知っていたわけではありませんが、政治資金を調べているうちに、どういう方か調べれば調べるほど、公約違反ですから、政治資金以前に国会議員失格。法的な問題の前に、政治的に問題のある人だと分かりましたね」

岩上「上脇先生は、政治資金収支報告書をしっかり見て、政治とカネの問題で、法的に問題のある人をチョイスしている。その際、その人のイデオロギー・言行・評判などは、基本的に考慮に入れないというスタンスでしょうか?」

上脇「おっしゃるとおりです。国会議員という、ある意味権力を持っている人たちですから、思想はとりあえず置いて、法的に問題があるかどうか、政治とカネの問題を、収支報告書を見てチェックするということですね。

 その上で、こういう公約違反で政治的に問題のある人なので、私からすると、法的な問題も指摘しやすいですが、政治レベルと法的なレベルは分けておかないといけませんので、そこは冷静な評価をする必要があると思います」

岩上「島尻さんは、演説も上手で、人受けもいい、と初めはたいへん評判がよかった。だから旦那さんに代えて、選挙の『タマ』に担がれたという経緯がある。表面は評判がいいが、収支報告書を見るとダメだという人もいるわけですよね。評判や表面だけで判断すると誤るので、政治資金収支報告書を見る必要がある。

 もちろん人間は間違いもあるし、記載ミスぐらいはあるかもしれない。確定申告とかでも間違えることはある。間違いがあれば修正する。そういうありがちなミスと、悪質なケースとの差は、どこで見分けるんでしょうか」

上脇「いくつかポイントがあります。政治資金収支報告の仕組みにもとづいている、法律に従って手続きを取っていれば、どう考えても起こらないようなミス。最初から故意に罪を犯すという意思のもとにやってるとしか思えないようなもの。

 金額を一桁間違えたとかいう、単純ミスはあると思うんですが、金庫に現金で入っているものと収支がまったく合わなかったら、どこかで間違いに気付くはず。その金額が大きい場合、どう考えても最初から違法な行為をしようとしていると言わざるをえない。そういうのをピックアップしていくんです」

岩上「これから出てくる議員は、過失ではなく、故意の可能性が極めて高い。島尻さんについて上脇先生は、変節したという点はさておいて、その思想信条の前に故意の可能性が高いと判断した。(視聴者の方は)ここをぜひ考慮に入れてお聞きになってください。自民党のサイドに行って憎たらしいからと、告発をしているわけではありません」

上脇「はい」

真面目に仕事をする気があるのか!? 沖縄・北方担当大臣なのに北方領土の一つ「歯舞諸島」を知らず、「はぼ…なんだっけ」と会見で発言した不勉強な島尻安伊子大臣

岩上「ここで伊波洋一さんの顔を出します。宜野湾元市長です。かつ、日米関係、主に安全保障の一大研究家、評論家で、こんな詳しい人は国政を見渡してもいないというほどです。

 これは島尻さんの話の続きなんですけど、島尻さんは、2015年10月、第三次安倍改造内閣で、沖縄・北方担当大臣に就任しました。2016年2月9日、閣議後の記者会見で、北方領土の歯舞諸島を読めず、『ハボ・・・えっとなんだっけ』と発言して、傍らのスタッフに聞くという失態を演じました。

 北方領土は国民にかなり擦り込まれていますから、この4島の名前を読めないっていう人自体が少ないと思います。まして、北方を担当している大臣ですよ」

上脇「この人自身の問題もありますが、なんでこんな人を選んでしまったのか」

岩上「任命権者の責任というものは免れないと。そういう意味では安倍さんには、人を見る目がないというのか」

上脇「ないですね」

岩上「もしくは、人材が払底しているのか、あるいは誰でもいいと思っているのか、分かりませんが、大臣の資格にたいへん疑問符がつきます。

 読めなかったにしても、ふつうは大臣になったら付け焼き刃でも勉強しますよ。辺野古や歯舞が読めなくて、どうして沖縄・北方担当大臣が務まるのか。やる気がないんですね。

 7月の参院選で、沖縄選挙区からの立候補をすでに決めているのは、この島尻さんと元宜野湾市長の伊波さん。伊波さんは、翁長知事を誕生させたオール沖縄。共産党から元自民の方々まで結集している、市民に支えられている候補です。大変興味深い選挙区です

 このオール沖縄のモデルが、どうして他の46都道府県でできないのかという声が挙がり、市民連合その他が突き上げた結果、いま野党共闘が生まれている。オール沖縄に比べると、まだまだ脆弱ではありますが」

顔写真入り「あいこカレンダー」の無償配布?有価物を無償提供するのは違法!

岩上「疑惑の話ですが、まず『顔写真入りカレンダーの無償配布』について、お話願いたいんです。カレンダーぐらいいいじゃないかと思ってる人もいるでしょうし」

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▲「あい子カレンダー」と題した島尻大臣のブログ(現在は削除済みのようだ)

▲「あい子カレンダー」と題した島尻大臣のブログ(現在は削除済みのようだ)

上脇「松島みどり元大臣が、自分の選挙区の有権者にうちわを配布したというのが問題になりましたよね。違法だとは認めなかったが、交代という形で辞めたんです。うちわは売っています。お金を出さないと手に入らない。販売する価値が有るわけですよ。」

岩上「それを有価物というわけですね」

上脇「そうです。カレンダーも同じですよね」

岩上「確かに」

上脇「カレンダーは、暦上の何日・何曜日が分かります。ご自身が『あいこカレンダー』とブログに書いていらっしゃいました。ご自身の顔写真のほうが大きいんですが、暦が付いていますからポスターではありません。

 すると、お金を出さないと買えないものですから、一定の財産的な価値がある。これを選挙区内の人々に無償で配ってしまうと、実は公職選挙法の『寄付』に該当するんです。

 公職選挙法では、選挙区の有権者に寄付をすることを禁止しているんです。よく勘違いされますが、買収とこの違法な寄付は、厳密に言うと違うんですね。

 『お金をあげますから選挙の時に票を入れてください』というのは、明らかな買収ですが、票を入れてくださいと言わなくても、財産的な価値のあるものや現金を寄付すると、投票に影響する可能性があるわけです。『票を入れてください』と言わないで」

岩上「現金を黙ってポンと置いていくと」

上脇「選挙にも影響があるので」

岩上「過去に事例があるんですね」

上脇「一歩手前のところだが、現在の法律では違法として禁止されている。ご自身で『あいこカレンダー』と表現し、さらに『とっても評判がいいので、事務所に取りに来てください。無償で提供します』と公言してしまった。

 実際に渡さなくても、渡すという約束をするだけで、公職選挙法上の『寄付』になるんです。政治資金規正法の寄付とは違いますが、公職選挙法では約束をするだけで『寄付』の概念に当てはまるので、『みなさん取りに来てください』と言っただけでアウトです」

岩上「有権者のみなさん、地元の候補者が『取りに来てくれれば上げます』と言ってたらアウトです。一見、未遂行為のようですが、ダメなんですね。政治資金規正法ではなく、公職選挙法では」

上脇「そうですね。考え方の違いですね」

岩上「選挙は、不特定多数の人を相手にしていますから、特定の人に現金もしくは有価物を授受する以前に、有権者に無償で提供すると言った時点で、買収一歩手前の行為をしているとみなす」

上脇「そうですね」

岩上「これは立法府で国会議員自らが決めたんだから、国会議員の島尻さんは守らなければいけないし、知っていなければいけない。知っていて守っていないということになる」

上脇「お連れ合いも選挙を経験されていますから、知っていらっしゃる。ご夫婦ともに知りませんということはないと思います」

岩上「しかも支部長を務めています」

上脇「これは、選挙を意識して作っていらっしゃるんです。財産的な価値があって、自分の選挙に有利になるという判断があるんです」

岩上「ルールはルールだから守ろうとしないと、限度がなくなるわけですよね。ポスターやチラシならいいんですね」

上脇「ポスターであれば、お金出して買いませんから、財産的な価値があるとはいえない。マニアック的なものであれば別でしょうけど。ご自身がブログで、カレンダーだと認めています。最初に報道された時も『カレンダーで問題がない』と言ってるんです。ところが、あとからまずいと思ったようで『ポスターだ』と言い出したんです。

 誰からかアドバイス受けたんでしょうね。それで、ポスターだと言いだした。ブログも、その部分については削除か、閉鎖になっています。証拠隠滅を図られたんでしょうね」

寄付を収支報告書に記載しなければ政治資金規正法違反?最初は『カレンダー』と言い、途中から「ポスター」と言い換えた上、寄付を不記載で二重にアウト!

上脇「と同時に、公職選挙法でいう寄付は、収支報告書に記載しないといけないという義務があるんです。お金であれ物であれ、財産的な価値がある以上は寄付ですから、それを記載しないといけない」

岩上「寄付行為はダメだが、それは記載しなければならない。すると、許される寄付もあるということですか」

上脇「例えば、選挙区外の方にカレンダーをあげた場合、問題がないわけではありませんが、処罰の対象外になります。(選挙区内で)寄付をしたのに、それを収支報告書に書かなければ、不記載で政治資金規正法違反ということです。

 もう一回解説します。まず買収と違法な寄付は違います。『票を入れてください』と言うのが買収ですね。その一歩手前の寄付については、選挙区内では禁止です。

 団体であっても選挙区内であれば、寄付は違法です。だから神社に寄付するというのもダメです。選挙区内かどうかが分かれ目です。選挙区外であれば、処罰の対象にはなりません。違法な寄付であっても、正直に書いてあれば『不記載』にはなりません」

岩上「正直に書いた場合は、隠そうという意思もなく、分かってなかったから書いてしまった、とみなされる可能性もあるということですか」

上脇「正直に書いたが、それは公職選挙法違反だというのはありえますが、本当は知ってるはずですよね」

岩上「この場合、最初はカレンダーだと言い張っていたのを、途中から指摘されてポスターだと言い換えた。有価物だという認識がありながら配り、かつ、寄付の記載をしなかったという時点で、二重にアウトだということなんですね」

上脇「そうなんです」

岩上「カレンダーが有価物であるということが分かっていて配った。それは寄付行為であるということも分かっていたはず。さらに、寄付と書いたらまずいから書かなかった。これは悪質であると」

上脇「その枚数も2000とか3000ですから。自分の後援会のメンバーに配ったという言い訳をしたのかな」

物を配って当選しようという発想は、実は自民党の支持基盤の弱体化を示している?90年代初頭から現在までに党員数はなんの10分の1に激減!

▲岩上安身のインタビューを受ける上脇博之教授

上脇「ちょっと話は逸れますが、政治資金収支報告書に書かれている後援会の人数はたいへん少ないんですよ。政党支部でも政治団体でもそうなんですが、会費を払っている人数がゼロって書いてあるところが、けっこうあるんですよ」

岩上「なんですか、それ。会員やシンパが0人ということですか」

上脇「つまり、上から作っているんです。支持者が会費を払っているんじゃないんです。会費ではなく寄付で賄うというやり方がありますから、必ず後援会で会費を取らないといけないというわけではないんですが。

 恒常的に選挙で当選しようという政党支部、政治団体であれば、できるだけ会員を獲得して、次の選挙につなげようとするのが当然だと思うんですが、そういう発想をしないんですね」

岩上「落下傘ということですか?」

上脇「落下傘だということもあるし、地元でしっかりとした支持者を獲得するよりも、『票を入れてね』と言わずにカレンダーを配ることで勝つ、という発想があるんだと思います。

 日本では共産党に次いで歴史がある自民党ですから、党員を確保し、政治団体でも会員を確保していると思ってる人がけっこう多いと思うんですが、実態は必ずしもそうではないっていうのが、ここで見えてくるんですよね」

岩上「90年代の頭に自民党の党員が最大を記録したとき、800万人近くいたと言われます。名前だけ借りてきたということもあったかもしれませんが、現在70万人ぐらいで10分の1程度になっていると聞いてます。

 選挙区内で、この人を推したいという支持者がたくさんいるという状態ではなくなっている。島尻さんのような候補者は増えているということですね」

上脇「党員数は、実態がなかなか分からないところがあるんですが、党費を払人は、90年代の初めで400~500万ぐらいしかいないんですよ」

岩上「嵩上げしていたんですか。比例で上がりたいから、党員を集めるために党費を肩代わりもしていたと、元議員から聞いたことがあります」

上脇「70万台に下がってから若干盛り返してはいますが、それでも80とか81万ぐらいなんです。いわゆる小泉構造改革をやって、なおさら党員が減っている。自民党が大きく性格を変えましたから」

岩上「自分の足元を掘り崩してきたんですからね」

上脇「そういうことの反映でもあるんです。つまり、候補者のベースになる自民党の党員が減っている上に、島尻さん自身が落下傘に近い形ですから、なおさらのこと、支持者集めが難しかった」

岩上「だから、物を配ったりといった、安易な策に走りやすい。そういう誘惑に勝てなかった。違反を知らないわけではないから、寄付の明細を記載しない。そうせざるを得ないほど、自分の基礎票を持ってないということの表れだと」

上脇「そうですね」

岩上「島尻さんはいまの政治の縮図だということですね。沖縄だけではなく、日本全国で、本当は支持されていない人が国政に送り出されている。基盤なき、国民の支持基盤なしに、その場の選挙にとにかく競り勝って、国会に滑り込んでしまう」

上脇「その一端だと、僕は思いますね」

1050万円もの金が島尻氏の収支報告書に載っていない!?裏金の原資か!??政治資金規正法の不記載罪違反は5年以下の禁固

岩上「寄付を収支報告書に書かなかったことは政治資金規正法25条第1項2号、不記載罪の違反になると。重いんですか」

上脇「虚偽記載とか、不記載って、世間ではそんなに重くないんじゃないかと思われているかもしれませんが、実は5年以下の禁固になります」

岩上「重いですね」

上脇「公訴時効(※1)も5年なんです。今回のケースは違いますが、公職選挙法の虚偽記載は3年だったかな。それは、政治資金規正法というのが、いかに厳しく改正されてきたかということの反映なんですよ。

 政治とカネという問題は、政治を大きく左右するような場合もありうるんです。それ次第で、当選・落選が決まるし、政権が代わるかもしれないわけです。だから、政治とカネ問題というのは、厳しくチェックするように改正されてきた。その反映だと思います」

岩上「しかし、話はこれだけでは終わらない。ポスターだけだったら、先生も刑事告発まで考えなかったかもしれない。『収支報告書から消えた1050万』何ですか、これは」

上脇「2011年と2012年に650万と400万。合計すると1000万超えます。これを島尻さん本人から借り入れた、という収支報告書があるわけです。代表はご本人ですから、借り入れたことを記載しているわけだから、もし未返済であれば『未返済』と書かないといけないのです。

 収支報告書の後ろのほうに『資産』というところがあって、借り入れが100万を超えるものがあれば、そこに金額を書かなければならないんです。ところが、それが書いてない。借り入れたというのは書いてあるわけですから、その借り入れがまだ残っているというのであれば、書けばいいんです。

 書いてないということは、返済したか、贈与して寄付に切り替えたという場合しかないだろうと。しかしその場合、それを記載しなければならないんです。

 借り入れはもうなくなっているんであれば、なくなった原因があるはずです。返済しましたとか、島尻さんがもう返さなくていいというんであれば、それを書かなければならない。

 実態が、外からは分からないんですが、収支報告書を見ている限りでは明らかに矛盾します。これを、合理的に考えると、返済をしてもらったか、寄付に切り替えたかのどちらかしかない。それなら正直にそう書けばいいものを、なぜそうしないのか。

 なにか理由があったんではないかと思いますが、その理由を色々考えてみても、私たちには分からない。ただ、違法なものは違法であることには変わりがないので、これは告発するしかないと」

岩上「不記載は…」

上脇「政治資金規正法違反ですから、5年以下」

岩上「5年以下。非常に重い。せっかく、自分の身銭を切ってやっているところを見せられたはずなのに、バカバカしいですね。自分がお金を出して、団体のほうが借り入れして、なぜかそれを記載せず、捜査で使途が発覚したケースは、過去にありますか」

上脇「ちょっと視点が違う例ですが、平成研究会だったかな、何億もあると言いつつ、実は1億しか残っていなかった。何億も使ったことを記載していなかったというケースはあります。今回のような例は、僕も思い出せないですね」

岩上「仮に裏金だったとして、この裏金をなんのために、どこへ使ったんでしょう?」

上脇「ねえ。それは想像するしかない」

岩上「自己資金を使うというのは、リターンもないし、もったいない話じゃないですか」

上脇「政治の場面、あるいはなんらかの選挙の場面で、こっそりと裏金として使われた可能性がないとは言えないですよね。2012年は総選挙がありました。ご本人は参議院議員ですけれども、自民党としては衆議院選挙で勝たないといけない。そこで使われたのかという疑惑も生じますが、なかなか我々としては言いづらい」

岩上「これは、単純ミスの不記載で、実は寄付だとしたら、どうなるんですか」

上脇「その場合は、訂正されますが、故意に記載していなかったということを自白したようなもんですよね。検察が、故意性を問題にします。禁固ではなく、罰金で処分するということもありえます」

岩上「まあ、ここまでは、単純ミスという可能性がないとは言えないかもしれません。が、ここから先は政治資金収支報告とは話が変わります。また別途のお金の問題なんです。

(※1)公訴時効
刑法の適用を受ける事件に関して、犯罪行為が終わってから一定の期間が過ぎると、たとえ容疑者が判明しても、起訴できなくなるという制度。時効の期間は「刑事訴訟法」に規定されている。現行法(2010年2月末時点)では、死刑に当たる罪は25年、無期懲役または無期禁固にあたる罪は15年。この他、罪の軽重に応じて、10年、7年、5年、3年と定められている。最も短いのは、拘留または科料に当たる罪で1年。ただし、国外にいる期間は進行停止、すなわち時効期間から除外される。

参照:コトバンク

税金を政治献金として横流し!??国からの補助金を受けた夫の経営する会社が島尻氏に政治献金!

岩上「そしてこれは、うっかりミスではありえない話です。2013年12月、島尻氏が、沖縄県内の専門学校運営会社JSLインターナショナルから300万円の寄付を受けました。実は、JSLインターナショナルの理事長は島尻大臣の夫です。二人三脚で政治活動やってきた旦那のJSLインターナショナルから、お金が流れている。

 女房の応援に寄付したと言われれば理解できるかもしれませんが、実はそのJSLインターナショナルというのは、独立行政法人日本学生支援機構から補助金を受けている。補助金は税金ですから、税金がJSLを通して、政治献金として、一議員かつ大臣に流れたということになる」

上脇「実は政治資金規正法で、国から補助金を受けている会社・団体が政治献金をすることは禁止されているんです」

岩上「金がないために補助金を受けているんだから、政治献金を出しちゃダメ。それはそうですよ。これがOKならば、どんどんトンネル会社ができてしまいますからね」

上脇「税金が政治献金に還流していく形を防止しようと。補助金を受けている団体が政党支部や政治家に寄付できると、政治家の側からすれば寄付がもらえるなら、補助金を流し入れ続ければ自分に金が入るということになります。

 国民からすると問題だ。少なくとも、疑惑が生まれる。補助金を出す価値がある団体なのかという疑問が生じる。その時出すことが妥当だとしても、出し続けていいのか、となるわけですね。どう考えても問題なので、禁止されています」

岩上「最近のことですか」

上脇「だいぶ前ですね。何年かは思い出せませんが」

岩上「それが社会問題化したことがあり、これはダメだという広範なコンセンサスが社会の中にあり、国会で議論もされ、改正された」

上脇「例えば、自民党が公共事業をやればやるほど政治献金が集まるとなると、政治献金を集めるために公共事業をやっているんではないかと、国民から疑われる。自民党は、襟を正してくださいということになります。

 ただし、このケースは政治資金規正法で断定できるかどうかは疑問なんです。というのは、法律に不備がある、という評価が可能かもしれない。

 ポイントは、国が直接補助金を出していない点なんです。この会社に補助金を出す決定をしているのは、独立行政法人なんですよ。

 総務省が出している解説本によれば、法律で禁止しているのは、国が直接に補助金の交付の決定をした場合なんです。だから、今の法律で違法だと断定できるかどうかはクエスチョンマーク。ただ、税金が還流していることは同じですよね。

 補助金を、国が直接決定しようと、独立行政法人が決定しようと、税金が政治家の側に流れている問題は一緒ですよね。国が直接決定するかどうかが問題ではない。

 だから、法律改正をしないといけないし、今は違法ではないけれども、やはり国会議員は本来は受け取りを拒否すべきですよね。ましてや大臣ですから。

 それに、補助金を出しているのは、日本学生支援機構ですから、学生のために遣わなければならない。それを自分の連れ合いのところに寄付したということは、学生と配偶者とどっちが大事なんだということになりますよね」

岩上「問われるのは島尻安伊子さんだけではなく、旦那さん。補助金を受けておきながら、目的外使用で自分の配偶者に流しているということで、これは何かしら罪に問われる可能性があるということですか」

上脇「補助金のあり方については、国の指導によりますが、たとえ違法でなくても、政治的道義的に問題がある場合は、本来は政治家の側が受け取りを拒否すべきなんです。最低限の道徳観というのはあるはずなんです。

 議員であり、しかも大臣ですから、受け取ったこと自体が問題です。違法でなくても、税金の還流という点では構図は同じですから。本来は受け取るべきではないんですが、なんか開き直ってるんですよね」

岩上「献金してくれる個人・企業が、どういう人・企業かまですべては調査できない、というような言い逃れをするような政治家がよくいますよね。この場合はどうですか。旦那の企業ですから、知らないということはないと思いますが」

上脇「まず一般論で言うと、献金する側というのは、献金する価値があるから献金するんですね。その会社に有利に動いてくれる人のところにお金が行きます。例えば、労働とか農水だとかの族議員っていますよね。

 委員会に入っていれば、それぞれの専門ができるわけです。一定の評価がつくわけですね。中には居眠りしてて、すっからかんという場合もあるでしょうけれども。

 自民党内でもその人の発言で、政策が決まったりするということになれば、その政策次第によっては、自分の会社に利益が回り回ってくる。だからこそ献金するんです。

 自民党が野党だった時には、政治献金がすごく減っている。出す側は、生きた金の使い方を知っていて、限りなく買収に近いお金の使い方するものなんです。

 それで献金するわけだから、受け取る側も、出している会社のことを知ってるはずなんですよ。知らなかったら、その人、族議員としては失格ですよね。どんな補助金が出てるかっていうのを知ってるはずです。

 知らなかったというかもしれないが、パーティー券を買ってパーティーに出席して、いろんな補助金の話とかしをしてるはずなんです。情報交換もしている。だから、本当はわかっている。だけど、返すのが嫌。発覚するまでは返さない」

岩上「とにかく第22条に絡む話」

上脇「政治資金規正法で禁止されている」

岩上「補助金をもらっている会社が政治献金を出してはいけないわけですね」

上脇「地方議員の場合は、その地方のところから補助金を受けているという形になっていて、クロスは禁止されてないんですよ。地方自治体から補助金を受けている場合、国会議員の政党支部に寄付するのは禁止されてないんです。地方の場合は、あくまでも地方で完結する形では禁止になってるんです。法律の不備なんですよ」

岩上「22条では、受け取った側が問題にされるでしょうが、献金した側も、贈賄的な疑いがかかるということですか」

上脇「厳密に言うと、贈収賄っていう形ではないんですが、そういう疑惑を持たれるといけないので、一歩手前のところで禁止しているということです」

岩上「旦那さんのほうの罰則は何ですか」

上脇「虚偽記載とか不記載よりも確か軽いんです。世間の考えでは、たぶん逆で、政治資金規正法違反でもっと厳しいと思うかもしれませんが、政治資金規制法というのは、正しく記載させることをベースにしていますから、不記載や虚偽記載が一番重いんです」

岩上「あっせん収賄などを、その手前で透明化しようというところがいちばんの趣旨だから、その透明化を阻害するようなことには厳しいわけですね。

 これはちょっと勘違いではありえない話ですね」

上脇「犠牲者は、この場合は学校ですから、学生さんですよね」

選挙で『みそぎを受けた』と平然と言う政治家は落選させるしかない?落選運動のススメ!

岩上「この税金は、沖縄だけのお金ではありません。日本全国の納税者のお金。その一部が使われてるんですから、皆さん、怒ったほうがいい。沖縄のことに口出すなとか、全国の人には関係ないとか、そういう問題じゃない。

 選挙は確かにローカルで行われているけれども、あらゆる地方の日本国民、有権者、納税者は、その地区に投票権・住民票があるかどうかに関係なく、口出し、怒り、先生がおっしゃったような落選運動を展開する自由と権利があるということですね。

 昨日も、落選運動の話をしていただきました。落選運動について、総務省に調べましたら、条件はないという答でした」

上脇「要するに、日本では、日本国憲法21条で表現の自由を保障しています。表現の自由を保障しているということは、政治活動が保障されているわけですよ。結社の自由もありますし。

 落選運動は、選挙運動ではないので、政治活動や市民運動をやるのと同じように自由なんです。もちろん他人の名誉を毀損したとか、プライバシーを侵害したら、落選運動に限らず、一定のペナルティというのはありますが、他の言動と同じなんです。落選運動は自由にできるんです。

 このケースも告発という形で問題にしてはいますが、刑事的に問題だというレベルと、政治的に問題だというレベルがありますよね。

 例えば、このケースでいくと、違法とまではいえないけど、政治的には問題でしょうと。こういうものを平然ともらっていながら居直ってる。こんな人はやっぱり落選させようと。これは自由に言えるわけです」

岩上「政治に関して、情報を得て、考えて、判断して、表現するところまで、我々は自由であり、かつ、非常に大きな権利を持っているんだと。

 日本では、政治について口出しすると、すぐ、黙っていたほうがいいとか、、空気で同調圧力をかける。それはおかしいってことですね」

上脇「主権者が自分たちの国づくり、社会づくりを責任を持ってやれるのが国民主権です。だから、当然、問題があれば批判すると。

 問題を起こした議員とか、あるいはその所属の周りの者なんかが、選挙で再選されると『みそぎを受けた』とか言うじゃないですか。宗教関係者は怒っていい発言だと思うんですが。

 選挙で通ったから、それで問題がチャラになるわけじゃないんだけど、政治家の側からすると、問題があるにも関わらず当選させてくれたということは、皆さんがもう受け入れてくれたんだ、この問題はもう終わりなんだ、みたいなことを平然と言うわけですよ。だったら、落選させるしかないんです。

 落選運動というのは公職選挙法でも認められていて、インターネットのメールやフェイスブックなんかで、嘘の名前を使わないようにという規制はあるけれども、それ以外はまったく自由です」

岩上「嘘の名前というのは、発信者がハンドルネームでやってはいけないということですか」

上脇「発信者が人の名前を語ってやると、自由な言論にならないです」

岩上「匿名もダメなんですか?」

上脇「そこはおそらく議論が分かれるところかもしれません。正々堂々とやるべきで、僕も本名を名乗ってやってるんですけれども」

岩上「ネット選挙の規制・運用については、実は総務省に聞いても、総務省自身が、わかっていないところもあるんです。ネット選挙解禁で初めてやることですから、様々な法律にどう抵触するのかを確認する必要がある。だいたい分かってきたことは、メールを我々が送るということには気をつけなくちゃいけないと。

 一般のメディアは演説している内容を伝えない。候補者が何を訴えているのかを撮り、伝えます。公平にやれなどとも言われてないんですが、集会場所の告知は選挙運動だから、メールで送ってはいけないというふうに言われるんですね。

 サイトで、こういう候補者の街頭演説を、我々が放映するので、どこで何時からやるかを知らせるのはいいらしいんですよ。今日のプログラム予定というメールを毎日送ってるんですが、そこには書けないので、サイトをご覧くださいというふうにしているんですね」

上脇「今の話は、選挙の場合ですね。選挙以外の、例えば集会とかいうのは、規制の対象外だろうと思うんです。落選運動は、ネット上で正しく名前とか、表示しておけば一人でもできるんですが」

岩上「このご本の中に、そのくだりがあるんです『民主主義の蹂躙者たち』ぜひみなさんお買い求めいただければと思いますし、IWJ書店でこれもサイン入れて、先生のサインが入っております。

 そこに選挙運動というのがあって、一人落選区、一人落選運動や、二人区落選区二人同一落選運動を排除せず、その限りで、当該落選運動を選挙運動とみなして、禁止してはいないということです。

落選運動の自由は国民の権利?一人でも可能だし、選挙区を超えて運動することも可能!

岩上「ネットを使って、落選運動を展開するのは自由ですが、電子メールを利用する上で気をつけなければいけないことがあります。『当選させないための活動に使用する文書図画を頒布するものは』つまり、写真入やイラストを送る場合は、アドレスおよび氏名又は名称を正しく表示しなければならない。本名でなきゃいけないということですか?」

上脇「おそらく解釈が分かれる可能性があるでしょうね」

岩上「ハンドルネームでずっと通名として使われているものであれば、当人というアイデンティティが一致しているのでいいとか」

上脇「総務省がどう見解を出すかですね」

岩上「例えば、在日で通名を名乗っている方とか、結婚してるんだけども、旧姓を使っている女性とか、あるいは、ペンネーム・芸名・リングネーム・画号・俳号。姓名判断で改名したっていう人もいますよね。こういう人たちが本名を名乗らなければいけないのかというと、それはおかしいですよね」

上脇「これは、法の趣旨をどう考えるかなんですね。要するに、他人の名前を語って嘘の情報を出すとか、わざと混乱させたり、選挙の公正を害したり、人の名前を語って、好き勝手な事を言って、無責任な発言をするということを防止するためであれば、ペンネームでいいと思うんですよね」

岩上「三島由紀夫本人が三島由紀夫って書いたら『あなた、ほんとうは三島さんじゃないでしょ』と言われるのは、逆におかしな話ですから。同一性が特定できるような名前だったら問題はないと」

上脇「私は法律の趣旨をそう理解しますが、規制の対象というふうに政府が言う可能性もありますからできるだけ、確認しておいたほうがいいと思います」

岩上「できるだけ確認してください。落選運動は一人でも可能だし、それは非常に重要な権利だということですね」

上脇「はい」

岩上「あの人をなんで落とせないのか。対抗馬がいないから投票する気がないという人もいますが、これからは落選運動ブームを起こせばいいんじゃないですか。

 例えば、一方にはパッとしないが悪さはしてない人。他方にすごい悪い奴がいると。あれはいくらなんでもひどいというのなら、落選運動をすると。先生の落選運動の会。正式名称は」

上脇「『落選運動を支援する会』という略称なんですが、弁護士さんと研究者で一緒に作って、去年の11月に立ち上げ、ホームページも作って、今日も取り上げていただいた刑事告発も紹介しています」

岩上「『落選運動をする会』じゃなくて、『落選運動を支援する会』というのは、皆さんがやってくださいということですね」

上脇「支援するだけじゃなくて、私たちもやりますよと。皆さんやってくださいだけでなくて、私たちもやるし、もし相談があれば、支援していきますよと」

岩上「落選運動の方法を教え、この人は政治資金収支報告書などにいろいろな問題があるから、落選運動の対象にすべきではないですかと、推薦してるわけですね」

上脇「民主主義国家では、自分が立候補しなければ、自分の意見に近い人に投票するしかないんですね。選挙運動は本来自由にできなければいけないんですが、残念ながら、日本の公職選挙法は『べからず選挙法』と言われ、あれもダメ、これもダメ。

 例えば、戸別訪問は、世界の常識では考えられない規制をかけている。そんな規制下で、この人を当選させたいと選挙運動をやるのが従来の運動のあり方ですよね。

 しかし、選挙に何らかの形で影響を与えたいときに、厳密な意味で選挙運動ではない政治活動である落選運動というのがあるんだから、これを活用しましょうよということですね」

岩上「落選運動という概念があり、運動があり、法律でも認められていると。アナーキーなことをやるわけではない。さらに、選挙区を超えて運動することも可能だということですね。

 一票を投じられるのは、その選挙区に住んでいる人だけだが、落選運動は、そのエリアを超えて、かくかくしかじかでこの人は落選させるべきだというキャンペーンを展開することができる」

上脇「できます」

「アベは辞めろ」という落選運動は法的にまったく問題なし!>

岩上「ただし、名誉棄損はいけないということですね」

上脇「それはもうおっしゃる通りで」

岩上「ネットで中傷キャンペーンをやってもいいということではない。匿名はダメです。ネトウヨでもなんでも、匿名でやってる。これは違法になる可能性がある。また、事実でないことを書いたら怪文書です。怪文書の配布で名誉を毀損して、信用を失墜させると違法行為になるわけですね」

上脇「建設的じゃないですよね。本当にいい国家にしようとか、いい社会にしようというのに、一方で誹謗中傷やデマを流すというのは、先がバラ色に見えないですよね。

 そうではなく、悪い人は落としましょう。いい人は当選させましょうっていう本来の姿で、真正面から自分で取り組んでいただきたい。選挙運動は得意でないとか、野党が候補者を絞っても、どうもその人が応援できないという方は、一方で、この人はダメだよという運動をすればいいんですよね」

岩上「昨年夏、安保法制で盛り上がった時に、もっともたくさんあったプラカードは『アベ政治は許さない』『アベはNO』。SEALDsやその他の皆さんのコールのなかでは『立憲主義ってなんだ』『民主主義ってなんだ』『民主主義ってこれだ』とか、いろいろあったんですが、『アベは辞めろ』というのはずいぶんありました。

 あなたには憲法に違反して、集団的自衛権を強行した、こういうとんでもない政治を行っている人なんだから『アベは総理を辞めろ』『アベは議員を辞めろというキャンペーンをすることに、ぜんぜん問題はないんですね」

上脇「まったく問題ないですね」

岩上「みなさん『アベを許さない』ではなく『アベは落選させよう』と、堂々街頭キャンペーンやっていいんです。語っていいんです」

議員会館に入るときに『No Nukes』って書いてあるだけで、ストップだったり『9条を守れ』と書いてあると、やめてくださいって言われたりするんですが、議員会館に『あべは落選』と書いたバッジで入れなかったら、本来おかしいわけですね」

上脇「おかしいです」

岩上「あれは問題にしてもいいですよね」

上脇「日本は言論の自由のない国ですか、と。憲法が言論の自由を保障しているのに、その憲法にもとづいた社会を作りたくないから、立ち入り禁止にしちゃうんですよね」

岩上「それは誰か法律家がやってくれないと、できないことではないかなと思うんですが、訴えることはできないんですかね」

上脇「問題にはできると思いますが、まずは抗議すべきだと思います」

岩上「言論の自由は、我々が『自分の権利が侵害されているんだから、やめてくれ』と、声を上げなければ、侵害されてしまうわけですよね。隣の家の塀がいつの間にか境界線を侵害していたとしたら、文句を言い、ときには民事で争うじゃないですか。

 やっぱり自分の財産の権利を守るのは自分だし、言論・表現の自由はかけがえのないものですから、きちんと行使し、その権利が脅かされているときには、猛烈に抗議し、時には法的手段にも訴えるべきなんですね」

上脇「はい」

岩上「落選運動というのはすごく重要だと、今日は、まずはそれを学びました。『刑事告発された8議員の正体』第1号、島尻安伊子さんでした。先生、どうもありがとうございました」

上脇「ありがとうございました」

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