【速報】「大きな方向性を共有できた」共産・志位委員長、社民・吉田党首との「野党結集」会談で手ごたえ 「民主党とも引き続き信頼関係にもとづき話し合っていく」 2015.9.28

記事公開日:2015.9.28取材地: テキスト動画
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(取材:城石裕幸、記事:佐々木隼也)

 「吉田党首からは、『たいへん大胆な踏み込んだ提案をいただいた。前向きに受け止めて、積極的な選挙協力ができるようにしっかりと議論を進めていきたい。様々な問題があるかもしれないが、連立政権の方向性についても賛同する』というご発言があった。引き続き協議をしていくことも確認した」——。

 「戦争法廃止の国民連合政府で一致する野党が選挙協力を行う」とする提案を呼びかけている日本共産党の志位和夫委員長が、2015年9月28日、13時から社民党の吉田忠智党首と会談。その後、共産党本部で緊急記者会見を行い、「私どもの提案の方向性について全体的に共有できた」と手応えを滲ませた。

■全編動画
※一部映像と音声がズレております。ご了承下さい。

  • 日時 2015年9月28日(月)13:40~
  • 場所 衆議院(東京都千代田区)

民主党が難色を示す連合政府構想について「そこまで腹をくくらないと国民の支持得られない」

 一方で、25日に党首会談を行った民主党の岡田克也代表は、その後の会見で、「共産党と政府を共にできる、というのはかなりハードルが高い」と、「連合政府」には慎重な姿勢を示している。

 この点を踏まえ、「連合政府」を除外したかたちでの選挙協力もあり得るのか?——IWJ記者の質問に、志位委員長は「本気になって戦争法の廃止、立憲主義の回復を考えたら、政権の問題は避けて通れない」と述べた。

 「なぜ国民連合政府が大事か。戦争法を本気になって廃止する、日本の立憲主義を本気になって取り戻す、これは安倍政権下では絶対に無理。国会で議決をして廃止にするというのは多数を占めればできるが、それだけではだめ。政権を担い、昨年7月1日の閣議決定でここまで歪められてしまった憲法解釈を元に戻さなければならない。本気になって戦争法の廃止、立憲主義の回復を考えたら、政権の問題は避けて通れない。

 選挙で協力した場合、勝たなければならない。しかし自公相手に勝つのは容易ではない。容易でない闘いをする場合、これに勝つには、大義の旗を掲げないと国民は支持しない。沖縄でなぜ(オール沖縄が自公勢力に)勝ったかというと、『辺野古移転阻止』という大義が明確だったから。本気になって戦争法廃止と立憲主義回復をと思ったら連合政府が必要だと、そこまで腹をくくらないとできないと、私は考えている」

 また、別の記者への回答で、「岡田代表は『ハードルは高い』とおっしゃっていますが、引き続き話し合う(と言っている)。『絶対ありえない』とおっしゃているわけではない」と強調。岡田氏が26日の宮崎市内の講演で、「(志位氏とは)お互い信頼関係があるので話し合いをしていきたい」と語ったことに触れ、「たいへん心強いと思ってる」と述べた。

まだ話し合いは始まったばかりなのに「協議不調」と煽るマスコミ

 国民連合政府に難色を示す民主党と、「避けて通れない」とする共産党のあいだで、考え方の相違がみられたことで、時事通信など一部のメディアは「協議不調」などと伝えている。

 こうした報道に対し志位氏は、自身のTwitterで反論。「私が説明し、岡田さんが質問・意見を述べ、さらに私が考えをお伝えし、『引き続き話し合っていく』で一致した。そのどこが『不調』なの? こんな大問題の話し合いが一回でつくとでも? 嘘で邪魔はやめてほしい」と苦言を呈している。

 マスメディアの報道姿勢には、共産党の提案した「国民連合政府」構想の実現に頭から疑問符を投げかけるシニカルなトーンが感じられる。

 話し合いはまだ始まったばかりだ。しかしこの日の会見でも、メディア各社からは「具体的な成果」や、「民主党との意見の不一致」に言及する質問が多く飛んだ。

 時事通信が「選挙協力について、今日、具体的な話は出たのか?」と質問すると、志位委員長は「まだ大きな方向性の段階。細かい提案は私どもの提案にも書いていない」と否定。また読売新聞の「具体的な選挙協力の規模感は?」という質問に対しても、「今はまだそういう段階ではない」と、苦笑いを浮かべる場面もあった。

「立憲主義の回復はあれこれの政策上の課題ではなく、日本のあり方の土台の問題」各党との政策の相違点は「横に置くしかない」

 さらに読売新聞が、岡田氏が宮崎市内での講演で「ともに政府を作るとなると、他の政策もあるので簡単ではない」と語ったことについて見解を求めると、志位氏は、「立憲主義の回復は、あれこれの政策上の課題ではなく、日本のあり方の土台の問題だ」と訴えた。 

 「提案にも書いているが、戦争法の廃止と立憲主義の回復、この大問題でまず同意が得られた場合、その他の政策については各党が協議し、一致点のみで協議すると。相違点は横に置くしかない。そういう原則で様々な問題の詰めをやっていく。

 例えば日米安保は国政の大きな問題ですが、これを取ってみても各党立場は違う。そうしたお互いの立場は変えようがない。そういう大きな問題は横において作る政権ですから、私の提案でも『暫定的な性格を持つ』、とはっきり書いてある。

 しかし暫定的な政権であっても、立憲主義の回復というのは、あれこれの政策上の課題ではなく、この日本の国のあり方の土台を立て直すという仕事。これ以上の憲政上の大義はない。歴史的な政権になると思う」

 今後も、この問題の大きさを考えれば各党との「トップ会談」になっていくだろうと語る志位氏。「野党結集」の呼びかけは、他に維新の党にも打診をしているという。

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