「SEALDsは流行現象ではない。若者たちの危機意識の現れだ」 〜学生7万人を抱える日本大学の教員たちが安保関連法案の廃案を訴え 2015.8.8

記事公開日:2015.8.17取材地: テキスト動画
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(IWJテキストスタッフ・関根)

特集 安保法制
※8月17日テキストを追加しました!

 「経済的理由による退学者がいることや、卒業後の就職問題を鑑みても、経済的徴兵のリアリティを感じている。大学では、これまでにない自衛隊員の募集活動が問題になっている。SEALDsの活動は、決して流行現象ではなく、若者たちの危機意識の現れにほかならない」――。日本大学文理学部教授の初見基氏は、安保法案に反対する学生の動きに、教員たちが背中を押されたと語った。

 2015年8月8日、安保関連法案廃案を求める日本大学教員の会による記者会見が、東京都千代田区のアルカディア市ヶ谷で開かれた。日本大学は7万人以上の学生を抱えるマンモス大学で、学部もキャンパスもバラバラで横のつながりが希薄だと言われているが、今回、全14学部中10学部から安保法案に反対する声が上がった。

 会見では、呼びかけ人8名がコメントを述べた。その中で、商学部准教授の竹内真人氏は、「なぜ、専守防衛ではダメなのか。なぜ、戦地に自衛隊を派遣しなければならないのか。その説明はされていない」と疑問を呈し、経済学部教授の村上英吾氏は、「武力によらない紛争解決のあり方が、改めて問われている。これこそが積極的な平和主義だ」と訴えた。

 商学部准教授の安原伸一朗氏は、「今回の法案は、場当たり的に、恣意的に手続きが進むことが最大の問題だ」と指摘。場当たり的とは、憲法解釈が突然、変更されることだとし、安保法案の適用基準が曖昧すぎることに強い危機感を示した。

 文理学部教授の小浜正子氏は、「日本と中国は国交回復と友好条約から、相互依存の関係を構築してきた。安保法案が示すような軍事的対立より、相互関係強化による発展を目指すことが、双方の国益にかなうことは明らかだ」と言明。SEALDsに参加している学生から預かったというメッセージを、次のように読み上げた。

 「戦争も、それに加担して人を傷つけることにも、反対する。しかし、今、国は誤った方向に進んでいる。この危機的状況は必ず止めるべきだ。だからこそ、より多くの人に、この現状を考えてほしい」

記事目次

■ハイライト

  • 司会 小浜正子氏(文理学部教授)
  • 経過説明 初見基(はつみ・もとい)氏(文理学部教授、ドイツ文学)
  • 呼びかけ人から 坂野徹氏(経済学部教授、科学史)/清水みゆき氏(生物資源科学部教授、農業経済学)/竹内真人(たけうち・まひと)氏(商学部准教授)/丹治信春氏(文理学部教授、科学史・科学基礎論)/村上英吾氏(経済学部教授、労働経済論)/安原伸一朗氏(商学部准教授)/及川淳子氏(文理学部非常勤講師、中国の言論)/小浜正子氏
  • 学生からのメッセージ

大学でも感じる経済的徴兵のリアリティ

 日本大学文理学部教授の小浜正子氏の司会で記者会見は始まった。まず、文理学部教授の初見基氏が、「この会は安保法案の廃止を求めるために、急遽、立ち上げた」と切り出し、大学教員という立場上、なかなか表立っては行動できなかったが、日大の学生も含むSEALDsなどの動きに背中を押されたと明かして、同会について以下のように述べた。

 「より広い賛同を得るため、声明には『戦争法案』という言葉は避け、憲法9条擁護も入れなかった。批判もあったが、改憲派の人も賛同した。安保関連法案の適用基準はきわめて曖昧だ。国会審議も不十分で、国民の納得には至らない。専門的な解釈ではなく、普通の感覚で、おかしい」

 さらに、経済的徴兵制に関して、「経済的理由による退学者がいることや、卒業後の就職問題を鑑みても、経済的徴兵のリアリティを感じている。事実、大学では、これまでにない自衛隊員の募集活動が問題になっている。SEALDsの活動は決して流行現象ではなく、若者たちの危機意識の現れにほかならない」と懸念を示した。その上で、7万人以上の学生を抱えるマンモス大学で、全14学部中10学部から声が上がったことの影響力を踏まえて、安保法案廃案の意思を示すことができた、とした。

なぜ、戦地に自衛隊を派遣しなければならないのか

 次に、呼びかけ人からの発言に移った。

 経済学部教授の坂野徹氏は、「今の日本は、1930年代に非常に似ている。『まさか、戦争にはならない』と学生たちは語るが、おそらく1930年代も、同じように話していたのだろう」とし、学部ごとにキャンパスがバラバラな日本大学で、学部をまたいで意識を共有したことは、とても珍しいと語った。そして、ミュージシャンの岡林信康の作品「私たちの望むものは」から、「私たちの望むものは、社会のための私ではなく、私たちのための社会なのだ」というフレーズを読み上げて、スピーチをまとめた。

(…会員ページにつづく)

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「「SEALDsは流行現象ではない。若者たちの危機意識の現れだ」 〜学生7万人を抱える日本大学の教員たちが安保関連法案の廃案を訴え」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    「SEALDsは流行現象ではない。若者たちの危機意識の現れだ」 〜学生7万人を抱える日本大学の教員たちが安保関連法案の廃案を訴え http://iwj.co.jp/wj/open/archives/256883 … @iwakamiyasumi
    自らの未来を守るために声を上げる。これこそが積極的な平和主義だ。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/643755276982579200

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