緊急時作業被曝限度を100ミリから250ミリシーベルトに引き上げへ/川内原発では大規模避難訓練より防災への基本理解の向上を重視~田中俊一原子力規制委員長定例記者会見 2015.7.29

記事公開日:2015.7.29取材地: テキスト動画
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 2015年7月29日(水)17時15分より、田中俊一原子力規制委員長の定例記者会見が行われた。緊急時作業被曝限度の250ミリシーベルトへの引き上げは、防護措置をとる事前の準備の一つだという考えを示した。

 再稼働を目前に控えた川内原発では、緊急時対応を決めた後の大規模な避難訓練が行なわれていないが、大規模訓練より、避難・防災の基本を理解すること、災害時にどのように行動すればよいかを知ることなど、地に足のついた対応も大事だと述べた。

■全編動画

  • 日時 2015年7月22日(水) 17:15~
  • 場所 原子力規制委員会(東京都港区)

「再稼働前に大規模訓練よりも地に足のついた対応を」

 再稼働目前の九州電力川内原子力発電所について、緊急時対応を決めた後に大規模な避難訓練が行われていないことから、再稼働前に大規模訓練の実施を求める声がある。そのような声に対して田中委員長は、必ずしも大規模な訓練をやればいいというものではないという考えを示した。

 大規模な訓練より、一般の方、一人一人が避難、防災の基本を理解すること、災害時にどのように行動すればよいかを知ることなど、地に足のついた対応も大事だと述べた。

「緊急時作業被曝限度の引き上げは、防護措置をとる事前の準備」

 放射線審議会では、特別緊急作業時の被曝限度を現行の100mSvから250mSvに引き上げる審議が行われている。しかし、災害時に万が一250mSvで終息できない場合にどうするのかという疑問の声もある。

 田中委員長は、福島第一原子力発電所の事故の経験を踏まえて、250mSvを超えたのは、ほとんどが内部被爆が大きな原因だったとし、マスクやヨウ素剤服用など防護措置を正しくとれば、250mSv以内でも、かなりの作業ができると言う。

 それよりも安全神話として、絶対事故が起こらないとして、防護措置をとる手立てを怠ってきたことが問題であり、対処できるようにいろいろな準備を予めしておくのが大事だという考えを示した。

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