東京都の舛添要一知事は2015年6月23日、定例の記者会見を行ない、2020年東京五輪のメイン競技施設である新国立競技場問題について、あらためて、国に対して建設費の詳細等の情報公開を求めた。
新国立競技場の建設をめぐっては、下村博文文科大臣が筆頭の国と、舛添知事の東京都との間で対立が際立っており、注目が集まっている。
先月5月18日に、下村文科大臣と舛添都知事が都庁で会談し、新国立競技場建設費を都に一部負担してもらいたいと、下村大臣が提案。約500億円を負担できないかと要請した下村大臣に、舛添都知事は猛反発しているという状況だ。
下村大臣は、6月9日の閣議後の会見で、都に新国立競技場建設費の負担をさせる「根拠法を作りたい」と発言。この発言に舛添都知事は、憲法95条を引用して反発した。
憲法95条には、「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない」と定められている。
舛添知事は、自身の6月10日付のブログ「新国立競技場建設と憲法」で、下村大臣の「根拠法」発言に反発した理由を説明。「この憲法の規定を、下村大臣は理解した上で、東京都のみを標的にした特別法を考えているのであろうか」と問題提起した。
- 舛添要一オフィシャルブログ「新国立競技場建設と憲法」(2015年6月10日)