「バブルは必ず弾ける、それは明日かもしれない」と断言する浜矩子氏、空前の官製相場で沸きに沸く株式市場、しかし…! 岩上安身が「アホノミクス恐慌」の危険性について訊く 2015.5.30

記事公開日:2015.6.3取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・関根)

 「日本が米国に組み込まれる程度では済まない。安倍政権の歴史的ミッションは『大日本帝国の復元』だ」──。

 安倍政権は、衰退する米国の「リバランス(肩代わり)」を日本にさせるという政治的使命を担っているのではないか。このような岩上安身の見立てに、同志社大学大学院教授の浜矩子氏は、「それだけではない。アメリカをも蹴散らして戦前に戻りたい、というのが本心ではないか」と指摘した。

 2015年5月30日、東京都内のIWJ事務所にて、岩上安身がエコノミストで同志社大学大学院教授の浜矩子氏にインタビューした。現在の株高は明らかな官製相場だと断言する浜氏は、「少しでも国債金利が上がり始めたら、日銀の保有国債は大きな損失を被る。最近の日経新聞に『日銀が自己資本比率を高める方向』とあり、これは崩壊の前兆だ」と述べた。

 その上で、日銀のような中央銀行が破たんすると、経済活動はショック死状態になるとして、このように続けた。

 「すべての借金や売掛金は回収できず、公共サービスは停止し、銀行で取り付け騒ぎになるが預金は戻らない。物資が窮乏して大混迷に陥る。そこで配給制、統制経済になり、混乱を収めるための強権発動で、大日本帝国にたどり着く」

 バブルは必ず恐慌で終わると言う浜氏は、リーマンショックと同じパターンで「アホノミクス恐慌」となる可能性に触れて、「暴落は、明日にでも起こるかもしれない」と警鐘を鳴らした。

記事目次

■イントロ

  • 浜矩子氏(エコノミスト、同志社大学大学院教授)
  • 日時 2015年5月30日(土)12:30〜
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

安倍政権が目指すのは、大日本帝国の復元

岩上安身(以下、岩上)「安倍政権は、安倍首相本人はボロボロにもかかわらず、官僚や財界に祭り上げられ、衰退する米国に日本を組み込んで『リバランス(肩代わり)』させるという、政治的使命を担った政権ではないでしょうか。

 2年間で、軍事国家化(集団的自衛権)、改憲(人権停止)、主権の喪失(TPP)を押し進め、これまでにないほど日本を米国に隷従させる。そんなことは普通にしていてはできないので、実行手段として、アベノミクスで一時的な株高と内閣支持率を向上させる。これを日本の奴隷的属領への改造手段に用いて、ミッションが終われば崩れていくのでしょう。私は今の経済と政治の関係を、このように見立てたのですが、いかがお考えですか」

浜矩子氏(以下、浜・敬称略)「安倍政権への疑念や怒りは同感です。ただ、少し違うところは、安倍政権の歴史的ミッションとは、米国に組み込まれる程度では済まないこと。『大日本帝国の復元』なのだと思います。

 安倍首相は第1次安倍内閣の時から『戦後レジームからの脱却』と言っていますが、日米関係はまさに戦後レジームです。つまり、アメリカをも蹴散らして戦前に戻りたい、というのが本当のミッションではないでしょうか。

 先日、米連邦議会で安倍首相が行った演説では、TPP関連の英語原稿と日本語訳とでニュアンスが違います。英文では『(TPPは)経済的利益を追求することに留まらず、長期的に見た戦略的価値は驚異的だ』としています。

 第二次世界大戦の反省から、通商協定に戦略性を持たせないことを戦後レジームの大原則にしたのに、安倍首相はこれを否定しようとしている。対米隷属に見えながら、もっと恐ろしいものが背後に横たわっていると思います」

世界中の物資に依存する輸入大国の日本

浜「世界市場のぶん取り合戦が、武力を伴う衝突に発展する。戦前と同じ轍を踏もうとしています」

岩上「しかし一方で、日本は軍事的には明らかに対米従属です。航空自衛隊は米軍の下請けだったりする。それで国防軍と言えるのでしょうか。また、安保条約をそのままに、憲法を変えることが『戦後レジームからの脱却』でしょうか。

 さらに、安倍首相はポツダム宣言を不承知だと言う。これは『私たちは戦争に負けていない』と宣言したと同然で、国連の敵国条項の対象になり得ます。

 大手メディアは毎日のように好景気だと囃し立てています。円安になり、一定の期間が過ぎれば輸出数量が伸びることをJカーブ効果と言いますが、2014年度の貿易赤字は12兆円で過去最悪。どういうことなのですか」

浜「Jカーブ効果は、今の日本には効かない過去の遺物です。円安で輸出数量が増えるという期待は、非常に時代錯誤なのです。日本は輸入大国。これだけの成熟大国を維持するには世界中の物資に依存しなくてはならず、だからこそ、世界の国々と仲良くしていかなくてはなりません」

自ら演出した官製相場に振り回される「ムノウ(無能)ミクス」

岩上「確かに株価は上昇していますが、実際は、日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)マネーの投入で作られた官製相場なのでしょうか」

浜「完全に官製相場です。また、惨めなのは株価を上げることしかできないこと。官の側が、相場に振り回される奴隷になっている」

岩上「一部上場企業の限られたサンプル数を示して、賃金上昇だと言っているが、国民全体では23ヵ月連続で前年比減。2015年3月は2.6%減。これでは内需がよくなったとは言えません」

浜「物価上昇分を含めたら、もっと大きなマイナスです。2015年4月の家計消費もマイナス。賃金が上がっていないことを物語っています。結局、富国強兵路線のための経済運営なのです。アホノミクスで富国、憲法改正で強兵。富国は富民を意味せず、強兵に役立つ人たちが富むということ。経済活動とは人間の営み。人間を幸せにし、人権の礎であるべきなのに、今は『ムノウ(無能)ミクス』です」

岩上「第二次大戦と同じ、富国・貧民・強兵だ。今、社会保障費の支出削減で弱者に大きな影響が出ています。2015年1月、生活保護受給世帯は過去最高の161万8817世帯に。受給者数は217万242人。トリクルダウン(富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちる)は全然、起きていませんよね」

浜「トリクルダウン自体がナンセンス。元々、馬に餌を多くやるとたくさん糞をするから周囲の雀はそれを食え、という19世紀の『馬と雀』政策を非難した言葉なのに、それを(政権が)平気で使う神経には本当に呆れます」

日本経済は瞬間加熱エリアと永久凍土エリアに二極化

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「「バブルは必ず弾ける、それは明日かもしれない」と断言する浜矩子氏、空前の官製相場で沸きに沸く株式市場、しかし…! 岩上安身が「アホノミクス恐慌」の危険性について訊く」への1件のフィードバック

  1. @55kurosukeさん(ツイッターのご意見) より:

    「バブルは必ず弾ける、それは明日かもしれない」と断言する浜矩子氏、空前の官製相場で沸きに沸く株式市場、しかし…! 岩上安身が「アホノミクス恐慌」の危険性について訊く http://iwj.co.jp/wj/open/archives/247279 … @iwakamiyasumi
    日本発の世界恐慌を引き起こしかねない。
    https://twitter.com/55kurosuke/status/612888822297133056

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