「アベノミクス」が地域経済に与える影響をテーマに11月25日(火)、大田文化の森で非営利の市民シンクタンク「まちづくりエンパワメント」の主催による講演・シンポジウムが行なわれ、同志社大学大学院教授の浜矩子氏や、市民政策アナリストの奈須りえ氏らが登壇した。
(IWJ・松井信篤)
「アベノミクス」が地域経済に与える影響をテーマに11月25日(火)、大田文化の森で非営利の市民シンクタンク「まちづくりエンパワメント」の主催による講演・シンポジウムが行なわれ、同志社大学大学院教授の浜矩子氏や、市民政策アナリストの奈須りえ氏らが登壇した。
記事目次
■ハイライト
アベノミクス「第3の矢」の要と言われる国家戦略特区政策は、本来、発展途上国が貧困などの問題から脱却するために採用する開発政策だと浜氏は指摘。「国家戦略のために行なわれる特区政策であって、国民のために行なわれるものではない」と警戒感を露わにした。
続けて、アベノミクスで行なわれようとしてきたことは、国民と国家の関係を逆転させようとするものであり、壮絶な契約違反だと厳しく批判した。
前大田区議で市民政策アナリストの奈須りえ氏は、区議会議員時代の経験をもとに、国家戦略特区の実態を説明した。
大田区は、小泉政権時に構造改革の一環として、さまざまな分野が民営化され、民間委託によって事業が行なわれている。結果、財政規模は拡大しているが、保育園の待機児童数は600人、特別養護老人ホームの待機者は1500人を超えている。
こうした構造改革について、奈須氏は、「私達が必要なサービスにはお金が使われていないかも知れない」と言う。10年間、規制緩和を進めて財政規模が拡大したにも関わらず、経費が削減できたかは、検証されていない。
アベノミクスの本命とも言われている国家戦略特区は、区域を限定した規制緩和による経済政策だ。規制緩和によって公共事業を民営化し、投資を増やそうとしている。
これについて奈須氏は、水道事業や学校などの公共分野を投資家に解放して、税金や水道料金で投資利益を負担する構造を作るのではないかと懸念を示した。また、雇用規制も緩和されることから、非正規雇用の拡大や移民受け入れ時の社会保障なども懸念材料として挙げた。
(…会員ページにつづく)
アベノミクスは地域の繁栄につながるのか――浜矩子氏「国民と国家の関係を逆転させるもので壮絶な契約違反」と国家戦略特区を酷評 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/208612 … @iwakamiyasumi
公共事業を「私物化」する国家戦略特区。その一例が加計学園だ。
https://twitter.com/55kurosuke/status/851902791748509696