「官邸からみれば『報ステは抑えたから大丈夫』」重要な審議も総理の暴言も報道されない!? メディア介入強める安倍政権に古賀茂明氏が憤り~岩上安身によるインタビュー 第546回 ゲスト 古賀茂明氏 2015.5.29

記事公開日:2015.5.29取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・原佑介)

 いわゆる「戦争法案」に関する国会審議が紛糾し、野党に厳しく追及された安倍総理の失言や暴言も目立ち始めている。

 ポツダム宣言を「読んでいない」「承知していない」などと、国会で堂々と発言し、多くの批判を呼んだ安倍総理。さらには野党の野次に「少し静かにしてくださいよ。学校で習いませんでしたか?」と憤った翌日、質問中の野党議員に「早く質問しろよ!」と大声で野次を飛ばし、議長に謝罪を促されるなど、焦りや苛立ちを隠しきれないでいる。

 しかし、こうした姿はなかなかメディアでは報道されない。NHKは「ポツダム宣言」に関するくだりをまるごとカットして放送し、テレビ朝日「報道ステーション」を除いたすべての大手テレビ局がこの発言をほとんど扱わなかったという指摘もある。NHKは「早く質問しろよ!」という野次も無視したという。

 安倍政権に異を唱える元経産官僚の古賀茂明氏は、生放送中の「報ステ」で「I am not Abe」のパネルを掲げ、賛否両論を呼んだが、これに自民党は強く反発した。

 菅官房長官が「放送法」を持ち出し強く牽制し、さらには「事情聴取」と称してテレ朝幹部を自民党本部へ呼びつけ、露骨な圧力を加えた。こうした圧力にメディアは沈黙し、日増しに報道の萎縮、自粛が色濃くなっている。

 自民党に名指しで批判され、その圧力をもっとも肌で感じている古賀茂明氏は2015年5月29日、岩上安身のインタビューに応え、「海外の特派員から、見れば圧力ですが、日本では問題視されない。安倍政権のジャーナリストの扱い方は、民主国家のものではない」と強く批判した。

 以下、岩上安身による古賀茂明氏インタビューの模様を掲載する。

記事目次

■イントロ

  • 古賀茂明氏(フォーラム4、古賀茂明政策ラボ代表、元経産官僚)
  • 日時 2015年5月29日(金)12:00〜13:00
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

常態化する権力によるメディア介入…「民主国家のものではない」

岩上安身(以下、岩上)「本日は古賀茂明さんにお越しいただいています。前回はタイムアップで話せなかった話があります。古賀さんは『報ステ』を降板しましたが、それ以降も、権力のメディア介入は常態化しています。

 古賀さんの不規則発言で、なぜかテレ朝の吉田社長らが会見で謝罪しました。番組をめぐっては、放送直後から菅義偉官房長官らが『放送法』に言及して問題視し、4月17日には同局幹部が自民党の事情聴取を受けていました」

古賀茂明氏(以下、古賀。敬称略)「海外の特派員から、見ればこれだけで圧力です。安倍政権のジャーナリストの扱い方は、民主国家のものではない。しかし、日本ではこれがすごい問題だ、とはなりません。

 テレ朝はズルくて、僕の批判はせず、逃げているんです。テレ朝では番組責任者3人が戒告処分になりましたが、社内でも自民党へのアリバイ作りの処分だ、ということがミエミエになっています」

「週刊文春」の誤報は報ステ内部の主要人物の締め上げに使われた!?

岩上「実は現在、報ステ内部では深刻な事態が起こりつつあるということです。

 『古館さんの発言を隠し撮りした二本のテープが上杉隆氏の手に渡っているとの情報が駆け巡り、局内は戦々恐々です。一本目は、二月二十五日の放送に関して。放送後に古館氏が担当者に、「俺はヤクザと一緒だ。身体張ってやってんだ! お前らサラリーマンとは違うんだ」と怒鳴った時のもの。二本目はさらに深刻で、別の日に、古館さんが個室に川内原発のVTRを作ったスタッフでMの腹心であるHを呼び出して「俺のバックには、組がついている」と暴力団の実名を挙げて恫喝したものだと囁かれています(『週刊文春』4月9日号)』

 …こうした報道がありますが、どうなのでしょう」

古賀「誤報です。上杉さんはテープなど持っているとは言っていないし、文春は確認できていません。

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