渦中の人が「報道ステーション」降板の全真相を激白! 「I am not ABE」発言の真意――そして、官邸からの圧力の実態とは?~岩上安身によるインタビュー 第523回 ゲスト 元経産官僚・古賀茂明氏 後編 2015.4.2

記事公開日:2015.4.2取材地: テキスト動画独自
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(IWJ・平山茂樹、佐々木隼也)

 2015年3月27日に放送されたテレビ朝日「報道ステーション」内で、「I am not ABE」というプラカードを掲げ、「菅(義偉)氏をはじめ官邸にバッシングを受けてきた」と語った古賀茂明氏。番組内では、メインキャスターである古舘伊知郎氏と古賀氏との間で、厳しい口調でのやり取りが展開される一幕もあった。

 今回の古賀氏の行動に対し、官邸側からはただちに反応があった。古賀氏から批判を向けられた当の本人である菅義偉官房長官は、3月30日の記者会見で、「全くの事実無根」「公共の電波を使った行動として、極めて不適切だ」と不快感を示した。

 そのうえで菅氏は、「放送法という法律があるので、まず、テレビ局がどのような対応をされるかということを、しばらく見守っていきたい」などと発言。放送法を根拠に、テレビ局側に対して明確な「圧力」をかけたのである。

 4月2日、岩上安身のロングインタビューに応じた古賀氏は、この菅官房長官の発言について、「菅氏の言う『圧力』というのは、屈強な男が羽交い締めにして、ということなのでしょう。もちろん、そういったものはありません。この発言は、圧力以外にありません」と反論した。

 また、ニュースサイト「リテラ」がスクープした「オフレコメモ」で、菅官房長官が会見後のオフレコ懇談の場で、「本当に頭にきた。俺なら放送法に違反してるって言ってやるところだけど」と語っていたことが明らかになった。これについて古賀氏も、一言一句同じではないが、同様のメモを入手していることを明かした。

 インタビューではさらに、「報道ステーション」で再び「I am not ABE」のプラカードを掲げた真意、その放送の詳細な舞台裏、そして自身が目撃してきたテレビ局や新聞社への「官邸の圧力」の生々しいエピソードなど、幅広く話を聞いた。

■イントロ

  • 日時 2015年4月2日(木) 15:00~

週刊文春の記事は「間違いだらけ」

岩上安身(以下、岩上)「先日は、報道ステーションの最終日に出待ちをさせていただいて、インタビューをさせていただきました。報道局長の方が仁王立ちということでしたが、局内はどれくらい騒然としていたのでしょうか」

古賀茂明氏(以下、古賀・敬称略)「CMの最中にWさんという統括プロデューサーがいらして、『古賀さん、困るじゃないですか! 打ち合わせにないことを言わないでくださいよ!』と言われました。古舘さんも『こんなこと、やめましょうよ』と言いました」

岩上「テレビ朝日の早河(洋)会長と、古舘プロジェクトの佐藤さんの名前を出したことが、古舘さんを怒らせたのではないでしょうか」

古賀「報道ステーションは沖縄や原発のことをやってきましたが、それは古舘さんというより、スタッフ、特に、今回辞めることになったプロデューサーの方が頑張ってきたことなんですね」

岩上「週刊文春に、『「報道ステーション」 古賀茂明vs古舘伊知郎 内ゲバ全真相』という記事が出ました」

古賀「週刊文春の記事は、間違いだらけです。古賀と古舘の対決という図式に矮小化しています。本当は、官邸から圧力があった、というのが重要です。

 『I am not ABE』という紙は、記事にあるように印刷会社が刷ったものでなく、コンビニで印刷しました。この記事では、私が小泉純一郎さんの所に挨拶に行って、『脱原発新党』を立ち上げるとの情報もある、などと書かれています。こんなことは事実無根です。ひどいな、と思います。取材もしないで、『~という情報もある』という書き方で逃げています」

複数人のジャーナリストからの批判に対し「取材しない人はジャーナリストではない」

岩上「『I am not ABE』発言の真意を、改めておうかがいしたいと思います。『報道ステーション』ご出演の最終日、出待ちをして、お話を聞かせていただきましたが」

古賀「報道ステーション最終日のインタビューは、岩上さんからだけオファーがありました。番組内で何を言うかということを、あらかじめ他の人に言うはずがありません」

岩上「今回、様々なジャーナリストの方々から古賀さんを批判する声があがっています。しかし、古賀さんを直接取材したのは、私だけだったわけですね」

古賀「取材しない方というのは、ジャーナリストではありませんよね。

 今まで、私に一度も接触したことのない在京のテレビ局から、おそらく視聴率が取れるという理由で、オファーがありました。しかし、ずるいことに、収録なんですよね。最初から番組の方向性が決まっている、ということです」

岩上「テレビ局といえば、ミヤネ屋が今回の件を大きく取り上げました。業界内での進退の話に矮小化していましたね」

古賀「私の降板は、あらかじめ決まっていたことです。そういうことを言っている人は、『自分がテレビに出たい』と考えているんでしょう。

 普段は政府に批判的な人が、テレビに出た途端、批判を引っ込めてしまう。私は、それは非常にまずいんじゃないか、と思います。そういう人が批判しないということは、視聴者は、政府は正しいことをしている、と思ってしまいます。

 今回、実名で私を批判している人が、非常に少ないんです。今回、これだけ話題になっているのは、テレビでガチンコでケンカしているのが映ったから。本当は、これが当たり前ですよね。立場の違う人間が、どんどん突っ込みあった番組にすべきです」

「本当に頭にきた」~放送法を持ち出して圧力をかける菅義偉官房長官

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  1. あのねあのね より:

     40歳以上の人なら殆どの人が知っているが、1993年の自民党下野の原因をテレビ朝日の報道のせいにする人はただの嘘吐きである。当時の自民党下野の原因は自民党の金権腐敗体質が一向に改まらないからで、その中でも多くの国民に非常に印象的だったのがリクルート事件と佐川急便事件である。佐川急便事件は関連の事件で広域暴力団も登場し、自民党の中にはその暴力団出身の国会議員もいた。
     安倍晋三首相の頭の中では以上の事実は存在しないことになっている。彼の頭の中では、自民党下野は酒席の壇上でしゃべった“リップサービス”を超拡大解釈した当時の自民党のへ理屈が正しいようで、リクルート事件と佐川急便事件は“無かったこと”になっているらしい。安倍晋三首相は無理矢理作りあげた理由でテレビ朝日の放送免許を更新させないと総会屋や暴力団まがいの脅しているのではないか。本人も日本記者クラブで堂々と嘘をついたではないか。

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