ドイツ・フランクフルト近郊のアーノルズハイン村で3月3日から開催されている「脱原発から再生可能エネルギーへの『エネルギー転換』を求める国際会議」の3日目となる3月5日は、日本、韓国における脱原発運動に関する報告や、仏教団体における原子力の考え方、現在抱えているジレンマについて語られ、それぞれの宗教家らによる活発な意見交換が行われた。
(IWJヨーロッパ・鈴木樹里)
※3月8日テキストを追加しました。
ドイツ・フランクフルト近郊のアーノルズハイン村で3月3日から開催されている「脱原発から再生可能エネルギーへの『エネルギー転換』を求める国際会議」の3日目となる3月5日は、日本、韓国における脱原発運動に関する報告や、仏教団体における原子力の考え方、現在抱えているジレンマについて語られ、それぞれの宗教家らによる活発な意見交換が行われた。
記事目次
■全編動画 1/12
公益財団法人日本YWCAの加藤眞佐美氏は、COM7300という保養プログラムとセカンドハウスプログラムについて報告を行った。セカンドハウスプログラムとは、福島在住者を対象に、家族単位、グループ単位で2週間から3週間程度、京都や名古屋などの空き部屋や空き家を大家さんに提供してもらい、滞在するプログラムだ。その他、東京・たまプラーザにあるマンションの一室を提供している事例もある。交通費は、日本YWCAが半額程度提供しているという。
続いて、日本カトリック司教協議会・正義と平和協議会「平和のための脱核部」会長でイエズス会司祭、上智大学神学部教授の光延一郎氏が、国会前で毎週金曜日に行われているデモについて報告した。
「ヨーロッパのドイツやオーストリアでの脱原発の動きの日本に対する影響はあると思う。しかし、アジアのキリスト教会では、原発反対とは言いにくい状況の国が多い。中国、ベトナム、インドでは非常に脱原発を発言しづらい状況だ」
次に、九州電力の前で2011年4月20日から平日の間、テントを張って脱原発運動を行っているカトリック系キリスト教信者の青柳行信氏から、活動報告が行われた。
「2011年の福島原発事故以降、4月から九州電力の前にテントを張り、平日に反原発運動を行っている。可視化できる形で反原発運動を行わなければいけないと思い、行動している。
3年間、九州の原発は停止している。以前、1万6千人のデモを九州で行ったのだが、また1万人デモを計画中だ。今はサウンドデモという新しい形のデモも起こっている。ここで話をしている間も、九州電力の前で他のメンバーがテントを張っている」
質疑応答では、神宮寺の高橋卓志氏が、仏教界の現状について語った。
「福井県のもんじゅ・ふげんは仏教の仏様の名前だ。仏教関係者が関わってその名前を付けたのは間違いない。宗教の罪だと思う。誰が関係していたのかは分からない。
311後も日本の仏教界は正面を向いて過去の原発に対する取り組みと未来に対する取り組みに向き合うことができないでいる。私達は豊かな生活をしたいがために電気を使ってきた。
原発を止めましょうではなく、依存するのを止めましょうというステートメントを仏教界は出した。おそらく日本の仏教徒は何も感じないだろう」
(…会員ページにつづく)