ドイツ、フランクフルト国際空港から車で40分の山奥にある、マルティン・ニーメラー・ハウスで、3月4日、「原発事故がもたらす自然界と人体への影響について」と題する国際会議の開会式が行われた。
主催は独ヘッセン州プロテスタント教会・エキュメニカル(世界教会)・センターと核戦争防止国際医師会議(IPPNW)・ドイツ支部である。会議は4日間に渡って開催される。
会議には、ドイツ、イギリス、ベラルーシ、アメリカなど、各国から多くの医師、生物学者、研究者が出席。日本からも、東電会見などで精力的な取材を続けるおしどりマコ・ケン氏をはじめ、福島県の医師ら、沖縄の研究者などが参加している。
同会議の目的は、国際原子力機関(IAEA)や、世界保健機関(WHO)、国連科学委員会(UNSCEAR)などの「原子力ロビー」に所属していない医師や科学者たちが集い、放射能汚染の健康被害について議論することだ。
4日の夜は、IPPNW・ドイツ支部の創設者であるゴッドシュタイン博士の挨拶に始まり、この会の中心となっているマルティン・レップ氏の挨拶があった。挨拶ののち、イアン・トーマス監督により「A2-B-C」という映画が上映された。福島の現状を撮影したこの作品に、会場からは「心を打たれた」という声があがり、議論は白熱した。挨拶に立ったイアン氏は、「これからも福島の子どもたちの生の声を届けたい」と語った。