2014年12月20日、東京電力福島第一原子力発電所の入構取材第10弾が行われた。2013年11月18日から始まった、4号機使用済燃料プール(SFP)からの燃料取り出しが目標通り2014年内に完了、大きなリスクが一つ解消した。4号機の廃炉へ向けて一歩前進する。しかし、残る1から3号機の燃料取り出しは、高線量であることやがれき撤去の問題など、課題が山積している状況だ。
2014年12月20日、東京電力福島第一原子力発電所の入構取材第10弾が行われた。2013年11月18日から始まった、4号機使用済燃料プール(SFP)からの燃料取り出しが目標通り2014年内に完了、大きなリスクが一つ解消した。4号機の廃炉へ向けて一歩前進する。しかし、残る1から3号機の燃料取り出しは、高線量であることやがれき撤去の問題など、課題が山積している状況だ。
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■JV(Jヴィレッジ)の集合、福島第一原発へ移動、4号機建屋に入るまでの構内のようす
2014年12月20日、東京電力福島第一原子力発電所の入構取材第10弾が行われた。4号機使用済燃料プール(SFP)からの燃料取り出しが大詰めを迎えていることから、それに合わせての取材となった。そのため、今回は4号機オペフロアにて、燃料の取扱い、SFPからの取り出し場面が主な取材であった。
4号機SFPからの燃料集合体移送は、昨年2013年11月18日から始まった。本年2014年11月5日に使用済燃料1331体の移送を終えていた。新燃料の移送は200体の移送を終えており、残り4体のところまできていた。
燃料集合体は約4mの長さがあり、水中に沈めたキャスク(燃料容器)の中に、水面から出ない状態でおさめる。そのため、燃料プールは深さ約12mもある。燃料をおさめたキャスクは、専用の天井クレーンでゆっくり引き上げられ、途中、放射性物質が混じっている”プール水”などを洗い流すため、複数の作業員がホースで水をかけ洗い流している。洗い流したあと、水滴が落ちないよう手作業で雑巾で拭っている。
さらに、吊り上げ完全に水面に出たキャスクは、ゆっくりと作業台へ運ばれる。その途中も水滴が床面に落ちないよう、作業者がシートを広げ、キャスクの移動に合わせて移動している。
移動台まで運んだキャスクは、水滴の拭い去り、表面の除染などを行う。取材ではここまでだったが、このあと、キャスクをクレーンで地上まで降ろし、専用のトレーラーで6号機まで運び、中の燃料集合体を6号機SFPに移し替えることで、すべての作業が完了する。
取り出した燃料は、共用プールおよび一部新燃料は6号機のSFPに移している。より安全性を確保するため、今後”乾式キャスク”の移し替え、構内で保管する予定になっている。
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