2014年12月1日(月)10時より、原子力改革監視委員会、13時30分より監視委員会の記者会見、続いて改革特別タスクフォースの記者会見が行われた。柏崎刈羽原発の再稼働は、福島第一原発の廃炉よりも技術的には非常に順調だとデール・クライン委員長は述べ、次回の監視委員会は柏崎刈羽原発で行いたいとの意向を示した。
2014年12月1日(月)10時より、原子力改革監視委員会、13時30分より監視委員会の記者会見、続いて改革特別タスクフォースの記者会見が行われた。柏崎刈羽原発の再稼働は、福島第一原発の廃炉よりも技術的には非常に順調だとデール・クライン委員長は述べ、次回の監視委員会は柏崎刈羽原発で行いたいとの意向を示した。
記事目次
■監視委員会あたま取り
■監視委員会記者会見
■特別タスクフォース記者会見
原子力改革監視委員会では各委員が、前回5月1日の第6回監視委員会からの進捗について講評を述べた。
クライン委員長は、「原子力安全文化の浸透に大きな進捗が見られていると思うが、さらなる改善ができる」「広報、コミュニケーションのプログラムも非常に改善していると思うが、さらなる改善の余地がある」とコメント。
バーバラ・ジャッジ副委員長は、「ALARA(As Low As Readily Achievable)という理念が個々の社員に浸透してきているが、まだ改善の余地はある」と述べ、櫻井正史委員は、リスクコミュニケーションについて受け止め方の問題も考えないといけないとした。數土文夫委員は、「新しい価値の創造を続け得るかということ・・・特に安全については終点はなく、エンドレスだ」とコメントした。
今期の進捗では、安全文化として改革の進捗を数値で評価するPKIを導入すること、経営から独立した原子力安全監視室が取締役会に提言し、実施することを高評価。ソーシャルコミュニケーション、リスクコミュニケーションとして、立地地元住民とのコミュニケーションに取り組んでいること等を取り上げた。
プラント面では、福島第一原発の4号機燃料取り出し、1号機カバー撤去が順調に進んでいること、柏崎刈羽原発での訓練や、福島第一原発と本店間の訓練を実施したことを高評価した。
「柏崎刈羽原子力発電所の再起動につきましては、福島第一原子力発電所の廃炉よりも、技術的には、非常に順調だと思います」
このように評価したクライン委員長は、次回の改革監視委員会は柏崎で開催したい考えを示している。柏崎での開催理由について、立地地元とのリスクコミュニケーションをはかること、立地地域の地元に人に直接話すことが大事だという考えだ。さらに、地元の人から直接質問を受けるチャンスがあるということには賛同すると答えた。
バーバラ副委員長は加えて、現場の作業員に励ましやアドバイスをするという意味もあると説明。改革監視委員会は東京本店だけでなく、現場もみていることを示したいと説明した。
改革監視委員会はおおむね、4半期または半年毎に開催されるため、次は年度末ごろの開催予定だが、具体的なことは今後の改革プランの進展を見て決めると鈴木一弘事務局長は述べた。
現場作業員の労働者処遇について、具体的に踏み込んだ議論はなかったという。長い廃炉作業に携わるため、職場環境等が重要であることから何度も話し合っているが、日本の複雑な多重受け構造の中で改善していかなければいけないとしながらも、今回はピンポイントな議論はなかった。「次回は是非、そこの部分の新しい進展の聞きたい」とクライン委員長は答えた。
また、福島第一原発の現場における女性の活用について、バーバラ副委員長は、原子力の分野で女性が果たす役割がますます増えていくと述べ、原子力の利点や欠点を女性に説明していくことは大事だとする一方、真実を説明することも大事だと述べ、それは、原子力がCO2を排出しないクリーンかつベースロードとなる電源であることだとした。これについて、安倍総理は女性が輝くことを提唱していることから、東電でも女性に対する取組みで女性が輝けるようにしていくと説明した。
クライン委員長から「工程より安全にフォーカスすることが大事だ」との発言があると、姉川尚史タスクフォース事務局長は、工程にとらわれてより大きなリスクを作業員に強いることになってはいけない。あまり工程にはこだわらずに安全に進めたいと説明した。
さらに、リスクからみた工程の見直しは、これまでもプロジェクトごとに常に見直しは行っているとし、監視委員会の意見を受けて始めたのではないと答えた。
震災直後の東京電力社内TV会議の記録録画が一部公開されている。しかし、2011年3月15日部分が抜け落ちている。その後の調査や報道から、この日、重要な個人の記録メモが一部公表されていることもわかっている。全てのメモ等を調査、公表しないのかと記者が質問した。姉川タスクフォース事務局長は、調査した結果、正式な議事録がないのはやむを得ないと言う。すでに調査を十分に行い、その結果を社内事故調報告書としてまとめて発表しているとした。完璧にというのはなかなか難しいが、相当な努力をして調査したものだという。全ての記録は公開していると思うが、確認してから追加調査するかどうかを判断したいと説明した。
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第7回原子力改革監視委員会