アスベスト(石綿)による健康被害を受けた問題で、今月10月9日、最高裁は国の責任を認め、泉南アスベスト国家賠償請求訴訟の原告らに勝訴判決を下した。これを受けて、原告および弁護団は10月27日、塩崎恭久厚生労働大臣と面談し、その後、厚生労働省で記者会見を開いた。
面談に同席した、与党アスベスト対策プロジェクトチームの佐田玄一郎衆議院議員(自民党)と江田康幸衆議院議員(公明党)によれば、塩崎厚労大臣は原告ら被害者に対して謝罪の言葉を述べ、「できることなら何でもしていきたい」と、問題の早期解決に向けて前向きな姿勢を示した。
弁護団は、今回の訴訟で救済されなかった被害者の掘り起こしのため、10月28日10時から16時まで、アスベスト被害の無料電話相談(06-6364-8060)を実施する。弁護団の常設ホットライン(090-3273-0891)は、平日10時から18時まで毎日開設している。
- 日時 2014年10月27日(月) 18:00~
- 場所 厚生労働省(東京都千代田区)
大臣の謝罪に原告「14名も亡くなってしまった。もっと早く聞かせたかった」
塩崎大臣からの謝罪に対し、面談に出席した原告とその家族らは、それぞれの受け止めを語った。
自身がアスベストの被害に苦しんでいる原告の石川チウ子さんは、「石綿の病気は治ることはないんです」と語るも、塩崎大臣の謝罪を「こんなにうれしいことはなかった。14名も亡くなってしまった。もっと早く聞かせたかった」と、喜びと悔しさ両方の気持ちがあることを伝えた。
一方、今回の判決では救済されなかった被害者に対する、政策的な救済を求める訴えもなされた。
被害者である夫が救済されなかった原告共同代表の佐藤美代子さんは、今回救済されなかった「(昭和)47年以降も(石綿の工場は)埃でもくもくだった。そこをわかって欲しい」と大臣に訴えたという。佐藤さんは夫のメッセージが入ったDVDを大臣に提出し、大臣に返事をもらう約束をしたと語った。
原告共同代表で父親が近隣曝露被害で亡くなったにも関わらず、今回救済から除外された南和子さんは、「近隣で曝露を受けた被害者も、労働者と同様に救済して欲しい」と大臣に訴えたことを報告。
同じく原告共同代表で、両親は裁判で救済されたものの、自身は救済されなかった岡田陽子さんは、「同じ工場なのに、職歴のあるなしで線引され、(裁判から)排除されてしまった。大臣には家族曝露についても考慮して欲しいと要請した」と語った。
早期全面解決に向け大臣へ要請書を提出
泉南アスベスト国賠訴訟原告らが塩崎厚労大臣と面談、救済されなかった被害者の解決を求め要請書を提出 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/192528 … @iwakamiyasumi
水俣や他の公害問題と同じように、過ちを繰り返し、嘘をついて、反省しないのが政府です。あまりに酷い。
https://twitter.com/55kurosuke/status/527397044189532160