アスベスト(石綿)による健康被害の問題で、大阪・泉南地域の被害者らが国に損害賠償を求めた裁判の第2陣の高裁判決が25日、大阪高裁で原告側「勝訴」の判決がくだされた。今後、国に上告を断念するよう訴えていくとともに、今回の判決を精査し、早期の全面解決に向けて運動を展開していくという。
勝利判決を受けて開かれた報告集会には、泉南アスベスト国賠訴訟の原告・弁護団をはじめ、泉南アスベストの早期解決に賛同してきた国会議員や、支援者らが参加し、勝訴の喜びや、今後の活動に向けた決意を語った。
(IWJ・安斎さや香)
アスベスト(石綿)による健康被害の問題で、大阪・泉南地域の被害者らが国に損害賠償を求めた裁判の第2陣の高裁判決が25日、大阪高裁で原告側「勝訴」の判決がくだされた。今後、国に上告を断念するよう訴えていくとともに、今回の判決を精査し、早期の全面解決に向けて運動を展開していくという。
勝利判決を受けて開かれた報告集会には、泉南アスベスト国賠訴訟の原告・弁護団をはじめ、泉南アスベストの早期解決に賛同してきた国会議員や、支援者らが参加し、勝訴の喜びや、今後の活動に向けた決意を語った。
■ハイライト
12月24日の時点で、泉南アスベストの早期解決に賛同した国会議員は与野党で114名。集会後、賛同している超党派の野党は、厚生労働大臣へ、国に控訴しないよう要望書を提出。原告団も同様の要望書を提出し、大臣への面会も要望している。
判決報告をした大阪・泉南アスベスト国賠訴訟弁護団の小林邦子弁護士は、「国は労働者の健康、生命を守るために、できるだけ最新の知見を取り入れる努力責任がある。適時、適切に対応すべきだ」と述べ、今回の判決を「画期的な判決だ」と評価した。
2陣原告代表の川崎武次さんは、「この一歩が他の公害の被害者らを後押しするものになってほしい。皆様に感謝している。苦しみから抜けることだけを考えてきたが、今日の勝利判決で、やっとテーブルにつけた」と決意を新たにした。
アスベスト被害で夫を亡くした1陣原告の佐藤美代子さんは、「厚労大臣に必ず会って、原告としての苦しみを直接訴えたい」と述べ、「訴訟中に12人もの人が亡くなった。亡くなった主人のためにも、『あなたがアスベストの会社で働いてきたことは間違ってなかった』と報告したい」と自身の思いを語った。