「政府が解釈を変え、閣議決定で憲法を実質的に変更してしまうことは、憲法の破壊であり、立憲主義に反することは明らかだ。よって日弁連は、閣議決定を容認することはできない」
集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を要求する集会とパレードが10月8日、日本弁護士連合会主催で開催された。日比谷野外音楽堂には、主催者発表で3000人強の参加者が集い、集会の後、音楽堂を出発して銀座までをパレード、集団的自衛権行使反対を訴えた。
(IWJ・薊一郎)
「政府が解釈を変え、閣議決定で憲法を実質的に変更してしまうことは、憲法の破壊であり、立憲主義に反することは明らかだ。よって日弁連は、閣議決定を容認することはできない」
集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回を要求する集会とパレードが10月8日、日本弁護士連合会主催で開催された。日比谷野外音楽堂には、主催者発表で3000人強の参加者が集い、集会の後、音楽堂を出発して銀座までをパレード、集団的自衛権行使反対を訴えた。
記事目次
■ハイライト
開会のあいさつをした日弁連の村越進会長は、日弁連として集団的自衛権の行使容認に反対する理由を次のように語った。 「弁護士の最大の使命は人権擁護だ。戦争は最大の人権侵害であり、人権は平和の中でしか守れない。したがって平和を脅かす動きには、日弁連として反対していかなければならない。
日弁連には、憲法の前文と第9条が定める恒久平和主義を守る責務がある。憲法前文において日本国民は、政府の行為により2度と戦争の惨禍が起きないよう決意をしている。政府が解釈を変え、閣議決定で憲法を実質的に変更してしまうことは、憲法の破壊であり、立憲主義に反することは明らかだ。よって日弁連は、閣議決定を容認することはできない」
元内閣法制局長官で法政大学法科大学院の宮﨑礼壹教授は、冒頭、集団的自衛権の定義を次のように再確認した。
「集団的自衛権の定義は、我が国が攻撃を受けていないにも関わらず、自国と密接な関係にある他国が第三国により攻撃を受けたことを理由にして、その第三国に対し自国が武力を行使すること。我が国が攻撃を受けているのかどうかは、決定的な分水嶺だ。
従来日本政府は、この要件がないのに自衛隊が武力を行使するのは、憲法第9条に違反するという解釈をしてきた。ところが、7月1日閣議決定で、集団的自衛権行使の部分的容認を行ってしまった。
その内容は、日本への攻撃がなく、他国への攻撃であっても、我が国の存立が脅かされ、国民の生命および自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険が認められる場合、自衛隊による攻撃を認めるというものだ。これは、言葉の上ではわずかな変更だが、読みようでいくらでも拡大解釈可能だ」
宮崎氏はこのように語り、集団的自衛権行使容認の閣議決定が危険をはらむ内容であることを指摘した。
「この閣議決定を受け、すでに防衛省や内閣法制局などの行政機関は、来年春に向けて膨大な法作成作業に入っており、日米防衛協力ガイドラインも年末にむけて改訂されようとしている」
宮崎氏は、ガイドラインの改訂により、「これが事実上の対米約束となってしまう。ぼやぼやしている時間はない。反対の声を上げて広めていかなければならない」と語り、集団的自衛権行使容認の閣議決定を早急に撤回する必要性を強く訴えた。
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