2014年9月3日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。川内原発審査書の地元への内容説明会は、地元から特に要請がないため、現状開催する予定はない。規制委は、地元からの要請があれば、開催すると公言している。
2014年9月3日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。川内原発審査書の地元への内容説明会は、地元から特に要請がないため、現状開催する予定はない。規制委は、地元からの要請があれば、開催すると公言している。
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九州電力川内原子力発電所の地元への審査書(正式版)の内容説明会は、地元からの要請が来ておらず、規制委員会として説明会を開催する予定はない。職員が説明を行う可能性はあるが、具体的なことはまだ決まっていない。
審査書案に対するパブリックコメントの募集はすでに行い、意見を精査している最中だ。審査書の正式版がまとまった後、地元から説明要請があれば説明会を行うと、委員長は当初から述べている。なぜ、地元から要請がないのかは分からない。
東京電力柏崎刈羽原発の適合性審査会合にて、東電の姿勢を問うような指摘が出ているという。このことについて、委員長の意見を記者が質問したが、委員長は会合での指摘の内容を知らないので、「何とも答えようがない」とコメント。
「単一故障指針にもとづいて安全確保をするのが大原則。そこを、故障する確率が低いからいいのではなく、深層防護の考えから故障した場合にどうなるかを考えて、対策をとるのが筋だろう」と見解を示した。
JNES統合から半年になるが、統合の効果はどうか、また軋轢等がでてないかと、記者が質問。
委員長は「軋轢の話はあまり聞いていない」と述べ、JNESの統合効果は「審査はもともとJNESの協力を得ていたので、もっと近くで協力していただけるプラス面はある」と答えた。
「規制委・規制庁は審査行政が大きな柱であり、審査行政に必要な知見を積み上げることが、長期的に見て重要。今までJNESは別組織だったので明確な指導はできなかったが、これからはそういうこともやりたい」と意欲を見せた。
日本全体として見た場合、TSO、テクニカルサポートオーガナイゼーション(Technical Support Organization)がなくなったことになるので、日本全体として見たらどうかと国会でも再三申し上げていたと、考えを示した。
午前中の委員会での議題6、人材育成の施策に関連して、女性活用をどう考えているのかと、記者が質問。
委員長は「女性のほうが元気だと思うが、専門的なところで、まだそういう方がいない」と答え、片山啓審議官が現状を説明。規制庁では、現在女性管理職は研究部門で一人のみ。若手が多く、技術職・研究職は事務職に比べて女性比率が低いという。採用時点での差別はなく、新卒、中途採用でも採用していると説明した。
今後、職員・人材の層が厚くなってくれば、より具体的に考えていくが、現状ではまだそこまで体系的な施策をたてるところまでいっていないようだ。
9月2日から3日にかけて、日中韓上級規制者会合が行われているが、メディア非公開のため、どのような話し合いが行なわれているのか分からない状態だ。日本が両国から、要望、意見を受けていないのかと、記者が質問した。
委員長は、昨日は「挨拶だけ」だと前置きし、「これまでずっとやってきて、それぞれの現状報告のようなこともやっている」と答えた。
「中国も韓国も、地理的に日本の風上にあるので、お互いに安全に関する情報は、国境の壁を取り払って協力していきましょうということだ」とコメントした。
川内原発審査書案に対するパブコメが8月15日に締め切られてから半月が経った。進捗状況について記者が質問すると、「そう遠くない時期に決定できると思います」と答えた。委員長は、「数が多いから大変だし、具体的な時期は”ご想像にお任せします”」とコメントした。