「多くの子どもたちを腐った死体にしてしまうのか! 」――。
イスラエルによるガザ地区への空爆再開をうけ、9日、イスラエル大使館前では、約80人がガゼ地区への攻撃をやめるよう訴えた。
イスラエルによるガザ地区への攻撃は、現地時間の5日午前8時より72時間の停戦に入ったが、その後再開。現時点でのガザ地区の犠牲者は1800人を超え、そのうちの400人以上が子どもである。
イスラエルによるガザ地区封鎖の開放運動に取り組んでいる北林岳彦氏は、現在400人以上の子どもが犠牲になっていることについて、「多くの子どもたちを腐った死体にしてしまうのか! 」と悲痛な表情で訴えた。
「すごい沢山の子どもたち。犠牲者は400人を超えました。現地に入っているジャーナリストから、凄い腐臭が立ち込めていると、報告を聞いています。人間なんて死んでしまえばすぐに腐ってしまうんです。尊厳も、夢も希望も何もなくなってしまうんです。その匂いは、形容しがたい匂いです。望んでそのようになりたいと思った子どもたちはいない! 子どもたちを腐った死体にしてしまうのか! 子どもたちの希望や未来を腐らせてしまうのか!」
さらに、北林氏は、7月6日、茂木敏充経済産業大臣がイスラエルを訪問し、両国の企業や研究機関が、サイバーセキュリティーの分野などで共同研究や開発を促進する覚書を締結したことについて言及し、「ガザへの攻撃に日本も加担することになる」と、強く指摘した。
「ガザの子どもたちの死に責任があるのは、イスラエルだけではなくて、我々もそうです。日本は中東での和平をアドバイスするのをやめ、景気回復や経済協力で、イスラエルを支えようとしている。殺戮のさなかにも、経済使節を送っている。国や企業も倫理が必要です。21世紀になっても、戦争に邁進するのか! 」
「ジェノサイド以外のなにものでもない。イスラエル軍は、人間としての心を取り戻してほしい」
「子どもたちに平和と未来を」と書かれたプラカードを掲げた女性は、イスラエル軍によるガザ地区への攻撃は「ジェノサイド以外のなにものでもない」と訴えた。
「休戦していたガザへの攻撃が始まったということを知り、参加しました。ガザでは、既に1800名ほどの死者が出ている。許せないと思います。イスラエル軍によるガザへの空爆は、本当に、とんでもない。無差別で攻撃をしていて、ジェノサイド以外のなにものでもないと思います」
さらに加えて、多くの犠牲者を出してもなお、現在も空爆が続いている状態について「イスラエルの兵士は、上からのまやかしで行動しているのだと思います。しかし、空爆が続いている現在の状態は、狂っている。イスラエル兵は、人間としての心を取り戻してほしい」と訴えた。
2歳のお子さんと一緒に抗議行動へ参加した男性
この日、終始、子どもを片腕に抱きながら、抗議行動に参加していた男性がいた。彼のお子さんは現在2歳で、自身も子どもを持つ親として、400人以上の子どもが犠牲になっている空爆に対し、強い怒りと悲しみがあると述べた。
「自分の子どもはもうすぐ3歳なのですけど、同じような子どもたちが死者の人たちのなかに沢山含まれていると思うと、とても許せないという怒りと悲しみがあり、参加しました」
また、ガザ地区への空爆は「安倍総理が支援するイスラエルによって行われているというのは、やりきれない事実である」として、「日本がイスラエルに軍事的協力を行おうとしているのは、本当にやりきれない」気持ちであると説明した。