安倍政権による集団的自衛権の行使容認をめぐり、7月1日の閣議決定が迫る中、その前日6月30日、首相官邸前で大規模な反対抗議行動が行われた。抗議は17時半から23時半まで続き、約4万人が「安倍はやめろ!」「戦争反対!」「憲法守れ!」とシュプレヒコールをあげた。
IWJはメインCh5、6、8の3カメラを使い、様々な角度から抗議の模様を中継。記者による参加者へのインタビューを行い、多くの市民の声を伝えた。
(取材:【Ch5】原佑介【Ch6】古田晃司・渡辺みさ【Ch8】芹沢あんず・薊一郎、記事:平山茂樹・佐々木隼也)
安倍政権による集団的自衛権の行使容認をめぐり、7月1日の閣議決定が迫る中、その前日6月30日、首相官邸前で大規模な反対抗議行動が行われた。抗議は17時半から23時半まで続き、約4万人が「安倍はやめろ!」「戦争反対!」「憲法守れ!」とシュプレヒコールをあげた。
IWJはメインCh5、6、8の3カメラを使い、様々な角度から抗議の模様を中継。記者による参加者へのインタビューを行い、多くの市民の声を伝えた。
■芹沢記者のレポート・インタビュー取材の模様(Ch8 遊軍カメラ)
■官邸前スピーチエリアの模様(Ch6 官邸前カメラ)
■原記者による決壊寸前の官邸前の模様(Ch5 遊軍カメラ) ※官邸前交差点の模様は動画の後半部分です
17時半から開始した抗議行動は、最初に衆議院第二議員会館前で第一声をあげた。拡声器でスピーチを始めた火炎瓶テツ氏は、「主権者に問うことなく、解釈を勝手に変えていいはずがない! 憲法が解釈変更されようとしている。表現の自由も財産権も基本的人権も、解釈が変更されてしまうかもしれない」と訴えた。
芹沢あんず記者は抗議に参加した、20代の創価学会員の男性に話を聞いた。男性は、「公明党に期待していたが、自民党と妥協するニュースを聞いて来た。今からでも間に合うので考え直してほしい。武力というのは、一度ストッパーを外すと止められないので非常に残念だ」と語り、「平和の党」であり「自民党のストッパー」であるはずの創価学会が自民党と同意したことに深い落胆色を見せた。
またカナダ・トロントから来たという留学生の男性は、「自民党の行動はとても危ないです。日本は平和を守るべきだと思います。カナダでは、こういった抗議行動について報道されてしまう。カナダのニュースはとても進歩的。カナダ人はこのデモをサポートしてくれると思います」と、海外からも安倍政権の姿勢に懸念の声がああがっていることを紹介した。
続いてインタビューした19歳と18歳の女性は、「特定秘密保護法の時から、今の社会は本当におかしいと思ってきました。解釈改憲というやり方は、国民の意思を反映しないもの。これからの若い人も声をあげないといけないと思う」と語り、神奈川県藤沢市から参加した女性も、「与党の協議に国民の声は反映されていません。これだけの人が集まって反対しています。これは他国を守るためのもの。自衛権という言い方がよくないと思います」と訴えた。
19時を過ぎると、内閣府下から首相官邸前にかけて、長い列ができ始めた。「憲法壊すな!」「安倍は辞めろ!」のシュプレヒコールは時間が進むに連れて大きくなっていった。
次に芹沢記者がインタビューした中学2年生のグループは、「戦争をやめると決めたということからだんだん離れていっていると思います。戦争なんて、ただ単に街を壊すだけで、何も解決しないと思います。集団的自衛権について学校ではあまり話しませんけど…」と戸惑いながらも、思いを口にした。
お子さん連れの女性は、「集団的自衛権なんて、絶対にやめてほしいです。子どもたちに何と説明すればいいか分からない。みなさん、もっと大きな声を出して、反対を訴えてください!」と、カメラに訴えた。
首相官邸前のスピーチエリアでは、若い女性が「9条守れ!」「平和を守れ!」「安倍はやめろ!」と、マイクを使って声を上げ続けた。その後も断続的に著名人や一般の参加者がマイクを握り、思いを口にした。
元自衛隊員の男性は、「本当に戦争することがどういうことか、あなたは分かっていない! 閣議決定した後に、レンジャー部隊の訓練に参加してくださいよ!安倍総理、自衛隊員が犬死にですよ!海外で活躍しているNGOが犠牲になりますよ」と強い口調で訴えた。
スピーチエリアに登場した宇都宮健児弁護士は、「安倍首相は中国に対して『法の秩序を守れ』と言っている。法を守っていないのはどっちだ!閣議決定で憲法を変えようとしている。これは、ナチス・ドイツのヒトラーのやり方だ!」と怒りを込めて訴えた。
社民党の福島みずほ議員は、「私たち国民には力があります。みんなで声をあげ、どんなことがあっても閣議決定を阻止しましょう。公明党も許さない、そのことをはっきりとさせましょう!」と声を上げた。
「集団的自衛権反対!」「安倍はやめろ!」「解釈改憲、今すぐやめろ!」「行使容認、絶対反対!」「改憲やめろ!」というシュプレヒコールは、20時を超えてもなお勢いを増し続けた。
スピーチエリアには、日本共産党の吉良よし子議員、笠井亮議員も登場。スピーチ後に芹沢記者のインタビューに応えた吉良議員は、「安倍政権は9条を破壊しようとしています。まさに憲法クーデター。この動きを是非とも止めたいと思います」と強く訴えた。
とどまることを知らない人の波に、警察は警備を強化。歩道から車道に出ないよう、警官が鉄柵を設置して押さえ込んだ。しかし、それでも抗議の熱は勢いを増し、21時を過ぎる頃には、警察の包囲網は決壊寸前となった。
原佑介記者は、決壊間近の官邸前交差点に急行した。横断歩道を挟んで両岸に押さえ込まれた人の波が次第に膨張し、歩道と車道の区別がほとんどつかなくなっていった。
警官隊と膨張する人波の最前線では、警察官と参加者のもみ合いが増えていった。警察官が増員され、包囲の壁が厚くなっていくのに対し、参加者らも「安倍はやめろ!」のコールとともに、一歩ずつ官邸に向けて前進した。
Ch7では、ぎぎまき記者が国会記者会館の屋上から、抗議の模様を俯瞰で中継。人のうねりが徐々に勢いを増し、警官隊と一進一退を繰り返す模様をとらえた。会館の前では警備員が「このままだと決壊する可能性がある」とトランシーバーでやり取りしており、事態は緊迫した。
22時を過ぎても。シュプレヒコールは続き、警官隊とのにらみ合いは続き、膠着状態となった。次第に参加者の数が減り始め、警官隊が参加者らを取り囲むようになると、「明日も頑張りましょう!お疲れ様でした」の合図で抗議行動は終了した。
いよいよ閣議決定が予定されている翌7月1日には、14時から参議院議員会館で「集団的自衛権閣議決定反対 リレートーク大集会」が開催される。また官邸前では17時から、再度大規模な抗議行動「閣議決定阻止!7.1官邸前抗議」が行われる。IWJでは、Ch5、6、7を使い中継する予定だ。
■6月30日抗議 関連記事
■岩上安身によるインタビュー記事
昨日の抗議を知らない人は多いと思います、そういう人達に見せてほしい。これが現実です。
19歳と18歳の女性「特定秘密保護法の時から今の社会は本当におかしいと思ってきました。解釈改憲というやり方は、国民の意思を反映しない」
中2のグループ「戦争をやめると決めたということからだんだん離れていっている。戦争なんて、ただ単に街を壊すだけで、何も解決しない」
元自衛隊員「本当に戦争することがどういうことか、あなたは分かっていない! 閣議決定した後に、レンジャー部隊の訓練に参加してくださいよ」
元自衛隊員、「安倍総理、自衛隊員が犬死にですよ!海外で活躍しているNGOが犠牲になりますよ」
某局では今朝も抗議に様子は触れられず。知らされない怖さを考える朝。
主権者に問うことなく、解釈を勝手に変えていいはずがない!憲法が解釈変更される
合意のニュースが流れる中、昨日のデモの様子がいっさい報道されない事がとにかく怖い。
IWJはちゃんと見ててくれてるよ!マスコミなんかに期待しちゃダメ!
昨日4万人が首相官邸前に。今日も続いています。