2014年6月25日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。防災計画の評価について、田中委員長は、「法的な枠組みとして、規制委員会の仕事として位置付けられていない」ことから、評価はしないという見解を示した。
2014年6月25日14時30分より、東京・六本木の原子力規制庁で田中俊一・原子力規制委員会委員長による定例会見が行われた。防災計画の評価について、田中委員長は、「法的な枠組みとして、規制委員会の仕事として位置付けられていない」ことから、評価はしないという見解を示した。
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午前に行われた第14回委員会の最後に、更田豊志委員、島崎邦彦委員から、事業者の審査に対する臨み方や姿勢について指摘が出た。
田中俊一委員長は、事業者自らが安全を確保するために最大限の努力をして、十分に考えた上で申請し、審査会合や評価会合が行われるべきだとしている。したがって、どんな安全対策を実施したらいいかを、委員会にうかがうような態度は、「事業者としてはあってはいけない」と考えている。
事業者に対しては、「委員会での発言を聞いて対応してもらいたい」が、「それ以上規制側でできることは何もない」という。
田中委員長は東京電力の廣瀬直己社長と面談し、トップ・コミットメントを求めている。他事業者とも同様に、面談する意向を表明していた。
JANSI(一般社団法人原子力安全推進協会)とは1回面談を行ったが、他事業者とはまだ実現していない。「個々の事業者とも、適切に意見を交わす機会は持っていきたいと思っています」と答えた。
補正書を再申請した川内原発における地元自治体の避難計画、防災計画について、規制委員会、規制庁が評価会合を開くべきだという声が挙がっているが、開催する考えはないという。その理由について田中委員長は、「それが規制委員会の仕事として位置付けられていないから」だと説明。
原子力規制庁が防災計画を評価するような「その手の仕事は法的な枠組みの下で行うべきだと思っております。今の日本の法体系上、そういう枠組みはない」と片山長官官房審議官が答え、「法的な枠組みから、防災計画は内閣府が支援して各自治体が作っており、要請があれば、原子力規制庁も必要な協力は惜しまない」との見解を示した。
新しい規制基準には深層防護という考え方を取り入れているが、新規制基準は1から4層までをカバーしている。深層防護に当たる5層は、指針を規制委で書いているが、具体的な方策については評価していない。
5層は、事故が起きたときの防災避難等もあり、法的に内閣府が担当して地方自治体が策定することになっている。規制委員会・規制庁としては、できるだけ相談にのる等、できるだけのことをやっているということだ。
6月21日に日本原子力発電敦賀原発の審査会合が開催された。その際、原電側が専門家2名を会場に呼び、出席を求めたが、規制庁は許可しなかった。
その理由について田中委員長は、「どういう立場なのか分からなかったというのがありますので、たぶんそのことで御遠慮願ったのではないかと思います」と答えた。事業者が呼んだ専門家に自分達のサポートを依頼するなら、事業者側に座ればいいわけで、評価会合を他の人に評価してもらうのは「考えられない」という見解だ。