「名護市は、孤立していないことを訴えた」 〜稲嶺進名護市長・玉城デニー衆議院議員 訪米報告会 2014.6.4

記事公開日:2014.6.4取材地: テキスト動画
このエントリーをはてなブックマークに追加

(IWJテキストスタッフ・関根かんじ/奥松)

 「名護市民および70%以上の沖縄県民が、米軍基地建設に反対していることを、米国で訴えた。沖縄に米軍基地が集中している理由、沖縄の戦後史などを話すと、聴衆の反応がよかった」。米軍基地の辺野古移設問題を抱える、名護市の稲嶺市長はこのように語った。

 2014年6月4日、沖縄県の名護市民会館で、「普天間飛行場移設問題に係る訪米報告会」が行われた。5月に訪米して、辺野古への基地移設反対を訴えた稲嶺進名護市長と玉城デニー衆議院議員が、米連邦議会や政府機関などの反応や会談内容を報告した。

 「米国務省の日本副部長ピーター・ヘムシュ氏と面会した時、ある自民党国会議員(前外務委員会委員長)に遭遇した。あとでこの議員のブログを読むと、国務省の上のクラスの人たちに会っていた。わざと、稲嶺市長の訪米にぶつけてきたのではないか」。玉城議員は、稲嶺市長の訪米中の出来事をこのように振り返った。

 玉城議員は、米政府関係者やシンクタンクのスタッフは、「米軍基地の辺野古移設の中止」を訴えると冷淡な対応だったと言い、「(在沖米海兵隊グアム移転のための)グアムの環境影響評価が遅延していて、上院軍事員会では、グアム予算の凍結条項を継続する。それは、9月末までに上院と下院の合意を目指す国防権限法案の可決には不利。それで、日本政府はメッセンジャーをアメリカへ送り、『安倍政権下では辺野古移設がうまく進んでいる』と、アメリカ政府議会に報告させていたのではないか」と語った。

記事目次

■ハイライト

  • 日時 2014年6月4日(水)19:00~
  • 場所 名護市民会館(沖縄県名護市)
  • 主催 名護市広報渉外課

トークイベントに力を入れた稲嶺市長の訪米

 稲嶺市長はマイクを握るやいなや、「ハーイ! ハロー」と挨拶して会場を沸かせ、「新外交イニシアチブ事務局長の猿田佐世弁護士はじめ、多くの人たちに大変お世話になった」と、今回の訪米について感謝の言葉を述べた。

 稲嶺市長は、5月15日から18日までニューヨーク、19日から23日はワシントンに滞在。連邦議会上院・下院軍事委員、歳出委員、外交委員などに面会し、政府機関では、国務省、国連、海洋ほ乳類委員会、議会調査局を訪問した。また、ブルッキング研究所、外交問題評議会、新アメリカ安全保障センター、ケイトー研究所、コロンビア大学などのシンクタンクや教育機関、さらに、ニューヨーク・タイムズ、ブルームバーグ、AFP通信などの報道機関も訪れた。

 「今回、特にトークイベントやワークショップなどに力を入れた」と言う稲嶺市長は、市民向けトークイベントや13件の取材をこなし、「一般市民へも印象を残せたと自負する」と語った。

新基地建設に反対する理由

 訪米の目的は、米軍普天間基地の辺野古移設についての問題提起である。昨年末、仲井眞沖縄県知事が辺野古の埋立てを承認したが、名護市民や沖縄県民の多くは反対していることを、米国政府およびアメリカ社会に訴えるためだという。

 稲嶺市長は「米国で私が訴えたのは、名護市民および70%以上の沖縄県民が、米軍基地建設に反対していること。仲井眞県知事は、県民を混乱に落とし入れていること。そして、普天間基地の辺野古移設計画は、計画通りには進んでいないことだ」と述べた。

 次に、移設に反対する理由を列挙した。「沖縄には、米軍基地の過重負担がのしかかる。なぜなら、沖縄は日本の国土の0.6%。そこに米軍専用施設の73.8%が集中しているのだ。地元の民意は、2度の名護市長選の結果に現れている。また、沖縄県知事の建設承認後も、県民の7割以上が反対を表明した。まさに、県民の民意を無視した基地建設強行。これは民主主義の崩壊だ。自然環境の保全についても、環境省の厳正に保全すべき最重要地域に、辺野古は指定されている」。

精力的な陳情活動で沖縄への理解を訴える

 稲嶺市長は、米国滞在中に49ヵ所を訪問、トークイベントを4件行った。「沖縄に基地が集中している理由、沖縄の戦後史などから話すと、聴衆の反応がよかった」と振り返った。なお、面会した上院、下院議員は、以下の通り。

 マドレーヌ・ボルダーリョ下院議員(軍事委・グアム選出)、ポール・クック下院議員(軍事委)、ベティー・マッカラム下院議員(歳出委)、サンフォード・ビショップ下院議員(歳出委)。補佐官対応は、カースティン・ジリブランド上院議員(軍事委)、バーバラ・ボクサー上院議員(外交委)、トム・コバーン上院議員(国土安全保障政府問題委)、ジャッキー・スピア下院議員(軍事委)、ビル・オーウェンズ下院議員(歳出委)、デイビット・プライス下院議員(歳出委)、サム・ファー下院議員(歳出委)、トゥルジ・グッパード下院議員(外交委)など。

 稲嶺市長は「連邦議員の事務所を訪れる際、日本大使館の職員にアテンドされたが、ビショップ下院議員は辺野古の美しい海の写真に感動し、同行の日本大使館員に『こんなに美しい海をつぶすことを、どう思っているのか』と訊ねた。すると、その大使館員は『前の名護市長が同意したから計画は進んでいる』と答えた。私はそれに対し、『前市長は民意を汲まずに計画を決定したから、自分に負けたのだ』と言ってやった。ビショップ議員は、環境問題に理解があった」と話した。

元海兵隊司令官や次期大統領候補者にも面会

 続けて、稲嶺市長は「国連では、人権と環境関連の部署に行った。海洋ほ乳類委員会では、ジュゴンの絶滅などを訴えた。議会調査局日本研究グループ、国連人権高等弁務官、また、ニューヨーク、ワシントンD.C.のおきなわ県人会からも歓迎された」と言い、シンクタンク研究員や有識者との面談16件のリストも示した。

 ブルッキング研究所(ミーティング)。パトリック・クローニン上級研究員(新アメリカ安全保障センター)、シーラ・スミス上級研究員(外交問題評議会)、ダニエル・ボブ上級研究員(米国笹川平和財団)、ステイシー・ベティージョン研究員(ランド研究所)、ジョン・フェファー共同代表(政策研究所)、グレン・フクシマ上級研究員(センター・フォー・アメリカ・コングレス)、マイク・モチヅキ教授(ジョージ・ワシントン大学)、ジェラルド・カーティス教授(コロンビア大学)、ジム・ウェッブ元上院議員、ジェームズ・ジョーンズ元大統領補佐官、ジョセフ・ガーソン博士(ストラテジー・ミーティング)、佐々江賢一郎大使(日本国大使)、カーリ・スミス氏(ボストン大学博士課程)。

 「ジム・ウェッブ元上院議員は、次期大統領候補と噂されている。また、ジェームズ・ジョーンズ元大統領補佐官は、元海兵隊大将で沖縄駐在経験もあった」。

絶対に許せない、仲井眞県知事の裏切り行為

(…会員ページにつづく)

アーカイブの全編は、下記会員ページまたは単品購入よりご覧になれます。

一般・サポート 新規会員登録単品購入 300円 (会員以外)

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です