「もんじゅ」の対応に規制委「徹底的に対応しないといけない」~2014年度 第4回原子力規制委員会 2014.4.16

記事公開日:2014.4.16取材地: テキスト動画
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 2014年4月16日10時30分より、2014年度第4回原子力規制委員会が開催された。もんじゅに対する次回以降の保安検査について、規制委はJAEAが業務改善途上にあるとの認識を示し、その上で検査にあたるとした。田中俊一委員長は、「もんじゅについては徹底的に対応しないといけない」と厳しい姿勢で臨む態度を示した。

■全編動画

議題 1 原子炉安全専門審査会及び核燃料安全専門審査会の審査委員の任命等について

 原子炉安全専門審査会及び核燃料安全専門審査会の審査委員候補案を規制庁事務局が提示し、委員会にて議論があった上で承認された。それぞれ11名の委員が任命された。ただし、共通する専門分野について、5名が両審査会に重複して任命されている。したがって、任命された審査委員は、総計17名となっている。

 田中委員長は両審査会に依頼する内容について、「規制委員会に客観的な助言をいただくという位置付けだから、事故やトラブル、海外における規制の動向にかかる情報の収集・分析を踏まえた対応の要否について助言を求めることから始める」との方針を示した。

 大島賢三委員は、「やっと二つの審査会が立ち上がった。大いに期待したい」と述べ、「多岐に渡る原子力以外の分野の専門家も含まれた任命になったことで、広い分野の助言を得られる」と期待感を示した。

 一方、両審査会は法律的に裏付となる法的根拠があるが、有識者会合などは法的根拠がない。「両者を並存しておいていいのか」との問題提起に対し、田中委員長は、「並存してはいけないとは決まっていない」としながらも、それ以上踏み込むことはなかった。

 本議題に関連して、審査会の委員任命に際した透明性・中立性を確保する要件のうち、”原災法対象事業者等の「役員又は従業者」”という定義が曖昧であったため、明確にする改正案が示され、特に異論はなく承認された。

議題 2 東京電力福島第一原子力発電所における集中廃棄物処理施設焼却工作建屋への滞留水の流入について

 東京電力福島第一原子力発電所で発生した、通常使用していないポンプ4台が誤動作し、予定されていない建屋地階に汚染水が移送された事故関して、規制庁は東電から法令報告を受けた。これについて、規制委に報告があった。

 更田豊志委員は、「管理の強化を求めていくことになる」と苦言、中村佳代子委員は、「周辺の空間線量など環境への影響の有無を調査するように」と指示した。

 建屋地階の水位のトレンドグラフが示されたが、他方でプロセス建屋内に設置している2カ所の水位計の水位に100mm程度のズレがあることが判明した。水位計の校正があっていない可能性があるということだ。水位の変化、トレンドを見ることは正しいが、OPで示される水位高さの絶対値だけを見ていてはいけないということが、更田委員の発言から明らかになった。

議題 3 高速増殖原型炉もんじゅにおける点検時期超過事案に係る原子炉等規制法に基づく命令に対する日本原子力研究開発機構の対応状況について

 保安検査にて報告と事実とが異なる、いわゆる虚偽報告が何度も発覚しているもんじゅに対して、規制庁は次回以降の保安検査でも、業務改善がまだ途上であり、完了していないという認識の下で行うことを報告した。

 規制庁はJAEAに対して、もんじゅに関する保守管理体制や品質保証体制の再構築を命じている。これまで、再構築が完了したものとして保安検査を行っていたが、報告と事実とが異なっていることが多々あった。そのため、今後はまだ完了していないという認識の下で行うことを明言した。

 更田委員は、規制庁側では”不適合管理”と判断することがらを”誤記”とJAEA側が報告したことを問題視。「現場で議論があったはず」だとして、どのように判断したのか調べるよう事務局に指示した。

 田中委員長は、「もんじゅについては徹底的に対応しないといけない」と厳しい姿勢を示している。

議題 4 実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び設備の基準に関する規則の解釈の記載の適正化について

 「審査を行う側の理解や解釈にブレがあったわけではない」と更田委員が解説し、「表現にそうともとれるという箇所があったので訂正」するとのこと。

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