脱原発弁護団全国連絡会の共同代表を務めるなど、脱原発運動を展開している弁護士、河合弘之氏による初監督作品「日本と原発」(仮題)の製作記者会見が3月10日(月)、帝国ホテルで行われた。
20年来、脱原発を目指し、各地で差止訴訟や損害賠償訴訟、刑事告訴などで闘ってきたという河合氏は、「なかなか上手くいかない現状の中で考えた結果、より多くの人に映画を観てもらうことで、国民全体に脱原発の気持ちを強めるため、2年前に構想を思いつき、映画を製作した」という。
これまでにも、原発をテーマにした劇映画やドキュメンタリーなど、数多くの作品が公開されてきたが、それらの多くは、個別のテーマに焦点を絞ったもので、原発問題を全体的にとらえた映画はない、と河合氏は評し、「この映画を観れば、原発のことを知らなかった人や、無関心の人にも、『原発は危ない、被害も本当に大きい』と理解されるような映画を作りたい」 と述べ、さらに「全国展開したい」と抱負を語った。映画の完成は、6月を予定しているという。
今回、映画の構成を担当し、河合氏と同様に脱原発の活動を続けてきた弁護士の海渡雄一氏は、「日本国民がみんな知っていなければいけないけれども、知らない事実がいっぱいある。事実を正確に織り込むようにした」と映画について語り、保守層の人々も、「意見が変わるような触媒になるような映画を作った」と自信をみせた。