2014年1月19日、岡山市の岡山国際交流センターにて、「天晴れ岡山!新春講演会『日本の政治はこれからどうなるのか!?』」が行われた。講師を務めた平野貞夫氏は、参議院議員時代に小沢一郎氏に重用され、現在も密接な関係にある。平野氏は2月9日に投票日を控える東京都知事選の裏側などを中心に語り、現在の日本を「原発資本主義」と評した。また、核廃棄物を無害化する技術なども紹介した。
(IWJテキストスタッフ・阿部玲/奥松)
2014年1月19日、岡山市の岡山国際交流センターにて、「天晴れ岡山!新春講演会『日本の政治はこれからどうなるのか!?』」が行われた。講師を務めた平野貞夫氏は、参議院議員時代に小沢一郎氏に重用され、現在も密接な関係にある。平野氏は2月9日に投票日を控える東京都知事選の裏側などを中心に語り、現在の日本を「原発資本主義」と評した。また、核廃棄物を無害化する技術なども紹介した。
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今回のテーマである「日本の政治はこれからどうなるのか」を語るにあたって、平野氏は「いろいろな切り口があるが、小泉純一郎氏と細川護熙氏が参加するという決定的な出来事があったため、東京都知事選を取り上げることにした」と述べた。
「かつての細川内閣は、小沢一郎氏が平成5年(1993年)、宮澤喜一内閣に不信任を出した後に生まれた、8党派によるガラス細工のような連立政権。官邸首席秘書官をどうするか、という問題では、参議院議員のままで、自分(平野氏)を首席秘書官にという声もあったが、行政府のトップの秘書官をやるのは憲法違反ということで、成田憲彦氏が任命された。主に小沢氏との調整役となった」など、当時の舞台裏を語った。
昨年の12月20日頃、細川氏より「年が明けたら、成田君と3人で会いたい」と電話があり、そのニュアンスで「ああ、これは都知事選に出るんだ」と感じたという。
「早速、小沢氏に伝えたが、『表立って協力すると、テレビ・週刊誌が叩く』と言われた。事務所などを用意するにあたり、名前の出せない人が準備しているので、トリックスターとして自分が立った。安倍政権の生みの親である小泉氏が『脱原発』を言うのは、最初は意図がわからなかった。しかし、『原発ゼロで日本は発展できるというグループと、原発がなくては日本は発展できないというグループの戦い』というフレーズを聞いて、あの小泉氏が言うのだから、これは日本を変える、と思った」。
さらに、「野田内閣を作ったのも、細川氏だ」と、平野氏は言う。「細川氏本人から『日本新党系の野田内閣を作りたい』と申し出があり、自分は反対したが、野田、小沢、細川会談をやった。自分は選挙区が千葉県の柏だったので、千葉が地元の野田氏がどんなことをやっているか、よく知っていた。支持母体は民主党ではなく、自民党だった」と、次々と裏側を語った。
小泉氏を本物だと思ったポイントについて、「息子の進次郎氏がはっきり言ったこと」を挙げた。「『自民党を除名になった舛添氏を支援するのは、ありえない』という発言。これは、原発問題の本質を知っていると思った。小泉親子の原発ゼロは本物。河野太郎氏はチョロチョロとはやっているが、政治の活動として(脱原発を)やっているわけではない。現在の、日本の資本主義は『原発資本主義』。無駄で秩序のない、危険な状態だ」と評し、話は原発の問題点に移った。
「なぜ、そういう資本主義が行われているか。そもそも、もんじゅは利用できないとわかっている。フランスもアメリカも、危険で技術的に無理だとして止め、日本だけがやっている。なぜか。それは、核のゴミと言われるプルトニウムが、再利用できるという理屈で、各電力会社の資産として計上されているからだ」。
「原発を止めると、それが債務になってしまう。9つの電力会社で合計すると約15兆円、その他の関連会社も含めると約19兆円の資産が債務となる。電力会社は債務超過となり、そこにお金を貸している金融機関、すなわち銀行、生命保険会社をはじめ、商社、地方自治体、あらゆる会社が影響を受ける。原発を広めた正力松太郎氏の読売新聞社をはじめ、各報道機関も同じ」と平野氏は解説し、「そもそも、福島を収束しなければ、東京でオリンピックなど開けない」として、改めて、原発と都知事選が無縁ではないことを強調した。
平野氏は「実は、驚きの技術研究が進行中だ」と明かす。「放射能は人為的に低くできないというのが、物理学の定説。だが、ナノテクノロジーという新しい技術で低減できる。銀を3ナノから4ナノ、つまり、およそ1センチの10億分の1程度の大きさまで細かくし、溶液を作るなどして、そこにセシウムを通過させる。そうすることによって、われわれのグループでは、30年のセシウムの半減期を、2ヵ月にまで短縮することに成功している」。
「ただし、まだ問題があり、セシウムが、おそらくバリウムに元素転換していると予想されるが、その元素確認を行わなくてはいけない。従来、これはエセ科学と言われ、低温核融合を研究している学者は日本に10人しかいない。『除染では放射能を低減できない』という学説に基づいているので、除染の利害関係者は知らん顔をしている。原子力学会も、産業界、官僚も、この方法が成功すると、自分たちの既得権がなくなるから認めない」。
さらに、「アメリカでは、ニッケルをナノテクノロジーで水素と低温核融合させ、10キロワットの発電にも成功している」と紹介し、「放射能の出ない、新しい文明社会は可能。東京オリンピックは、そのスタートにすべき。神から、日本に与えられた使命だ」と力強く訴えた。
「都知事選で、これを話してほしい、と小沢氏に言ったが、彼は『科学を政治的に使うもんじゃない。これは超党派で、国民全体の技術として開発すべき』と反対した。意外と冷静な面がある。しかし、これが世の中に出れば、彼の政治改革が本物だということがわかるだろう」と、小沢氏への高い評価も付け加えた。
細川氏の佐川急便からの借り入れ問題に関しては、「処理をしたのは私。利子も含めて10年で返しているし、領収書もある。佐川急便の帳簿にもあるが、検察に押収されてしまっている。見た人の話だと、『細川氏だけが返していて、与野党の大物は借りっぱなしになっている』という。それを出すと、多くの政治家が大混乱してしまうのだろう」と述べ、「あとは細川氏が、都民にどう説明するかだろう」と語った。
都知事選以外の問題について、平野氏は「自民党と公明党は、ひと言でいうと、戦前回帰の政策をやろうとしている。だが、アメリカ連邦国家の倒産は、来年の3月、4月が危ない。そうなったら世界恐慌だ。その時、どこが主導するか。ヨーロッパではない。中国と日本しかない」と言明。
「そんな時に、尖閣がどうのと言ってる場合ではない。向こう(中国)も『棚上げでいい』と言っているのだから、日中は大人の関係になるべき。緊張を作っているのは日本側だ。アベノミクスはトリクルダウン理論(裕福な者が富めば、貧者にも自然に富が回っていく)であり、大企業を儲けさせているだけ」などと、現在の安倍政権を厳しく批判した。
大きな利権を有する文教族が、文部省官僚に操られつ(日教組と結託して)日本の教育を悪くしたとの説は、平野氏のご発言通りに、NHKから発して頂きたく存じます。
平野氏の時代頃までは、自民党の指導者の方が貧しい出で、地域からお金を出してもらって学問していた(共産、社会主義者は富める家、地主の出)その為低所得者への配慮があったとのお話も、更には、政治は心だ・・・も、NHKから発して欲しいものです。
平沢氏が述べている低温核融合の現在について、フェイスブック内にグループがあります。
https://www.facebook.com/groups/209258969132018/
欧米を中心に低温核反応のベンチャーが立ち上がっており、これから時間が経てば経つほど、原発は古くて危険という科学・技術的評価になるでしょう。日本のジャーナリストの方々もぜひ注目していただきたい!!日本のこの分野の研究者もかなり貢献しています。
なお、氏が指摘している「アメリカでは、ニッケルをナノテクノロジーで水素と低温核融合させ、10キロワットの発電にも成功している」は、正しくはイタリアの発明家アンドレア・ロッシ氏の事と思われます。